J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

Bリーグについて61

2020-06-19 00:01:29 | バスケ(Bリーグ・代表等)

 リスペクトコラムです。
 少し遅い情報となりました。ちょうど1週間前にBリーグの新チェアマンが就任されました。2代目となったのは千葉ジェッツをトップに引き上げた島田慎二氏。今まで島田氏に関するいろいろな情報を読んできましたが、満を期して登場した期待の人材のようですね。順番にリスペクトしていきたいと思います。まずは誕生時の報道。
   
【Bリーグの島田慎二新チェアマンが誕生「変化に適応し、危機を乗り越えてさらなる成長に尽力したい」】
〔基本的には大変だからこそ、受けた方がいいと思った〕
「Bリーグは今日、臨時会員総会においてBリーグ新チェアマンに島田慎二が決議されたことを発表した。これまでは大河正明がBリーグのチェアマンとして『BREAK THE BORDER』を掲げ、新たなリーグを牽引してきた。本来、その任期は来年の夏まであったが、「まだ体力があるうちに若い人にバトンタッチすべき」との思いから早期交代となった。」
引用:バスケット・カウント

 簡単に紹介しましたが、聞いた話ではBリーグ開幕時に一度島田氏に声がかかったが、B1千葉に経営に注力するために固辞したと聞いています。千葉さんも日本を代表するクラブに成長させ、昨年8月から会長に。10月からBリーグ全体、翌月からは福岡さんのクラブ経営アドバイザーをそれぞれ務めておられましたが、いずれも今月末で退任されます。 
 実は、かなり前に「FOOT×BRAIN」で島田新チェアマンが出演した時の番組を録画しており、記事にしようと思っていて日が経った経緯があります。いいタイミングなので、この場で紹介したいと思います。
   
【FOOT×BRAIN:島田慎二B1千葉代表取締役会長(放送当時)】
〔消滅の危機から№1クラブに。成長させた手腕とは〕
・島田会長が重視したのは組織を束ねる理念の実践。そこにはビジネスマンも必見の、どんな組織でもマネできる成功へのヒントがあった。
・ふなばしアリーナの入場ゲートでブースターを「ご搭乗ありがとうございます」と出迎える。千葉ジェッツは「ジェット機」のジェッツ。飛行機や空港をイメージするようなエッセンスを会場に盛り込んでいる。声掛けも細かいこだわりを出している。
・アリーナに入った瞬間チームカラー一色。入った瞬間に非日常を演出。住宅街を抜ける移動路は静かな感じがあるが、アリーナに入った瞬間からド派手にやっている。
・試合開始前に、コートを目いっぱい使ったプロジェクション・マッピングと花火。室内競技だからこそできる光と音の演出。
・試合中にも、常に音楽が流れ、ブースターもそれに合わせて声援を送る。さらに試合間のたびにチアリーダーが登場し、会場を盛り上げる。休む間もなく濃密な2時間が過ぎていく。
・島田会長「バスケ界の中では一番とんがった演出、空間づくりをしている。週末の楽しい時間を過ごす雰囲気づくりをやってきて、年々改良しながらやってきた」
・試合後に選手と身近に触れ合えるのもBリーグの魅力。
・入場率は100%を超えて、全試合立ち見になっているくらい。
・島田会長は、バスケ未経験。スポーツビジネスをやりたくてこの世界に入った訳ではない。元々は旅行会社で、その経営手腕を買われて、'12年に千葉ジェッツ社長に就任。当時は経営難で消滅寸前。来てみて「アンコントローラブル(制御不能)な業界があるんだ」とビックリ。
   

〔どうやって№1クラブに!? 経営再建へ、経営の基本 やるべき優先順位〕
 複数の問題W同時並行で行うと、すべてが中途半端になりかねない。
①ホップ=クラブに体力をつけるための資金注入。スポンサー獲得
 スポンサー売り上げは1.5億円(2011-12)から8億円(2018-19)へ大幅に増加。島田会長のスポンサー獲得法は、地元の地方銀行との提携。地銀は企業社長の性格や業績を知っている。自分達が知りたい情報を全部持っている。地元企業で興味があるところを紹介してもらった。地元銀行のネットワークを活用し、地元企業の協力を得て行った。
 更なるスポンサー獲得のキーワードは「打倒トヨタ」。ライバルクラブ「トヨタ自動車アルバルク東京」に対して、世界のトヨタを地元企業が集結して倒しましょうと訴えかけた。蟻が象に立ち向かうようなストーリーを作って、資金をちょっとずつ集めていったというのが大きなきっかけ。地元企業が燃えるキーワード。
②ステップ=チーム強化への投資
 当初は成果が全く出なかった。それはどういうチームを作りたいか、どんな勝ち方をしたいのかそういう哲学がクラブに無かった。HCによってバスケのスタイルが変わるのではなく、チームのアイデンティティがあって、そこにアジャストできるHCを要請して、安心して興味を持った選手が集まれるチームにしないといけないと思った。
 足りなかったのは、千葉ジェッツとしての普遍的なチーム理念。島田会長が掲げたのが「アグレッシブなディフェンスから走る」。激しい運動量が要求されるプレースタイルを求めた。DFがしっかりできて走れる選手を獲得した。守って走れるバスケットに長けた、こういうスタイルがやりたかったHCを招聘。経営陣とチーム現場と選手が一気通貫した。ぶれていないからチームのケミストリーが上がって、蘇ったのがBリーグ1年目。天皇杯3連覇を達成。チーム理念のもと、ブレずに戦うチームに生まれ変わった。ファンあってのプロスポーツ。この理念を決めたのは負けてもまた観たいと思えるスタイルと思ったから。ファンファースト。ファンが喜んでくれればスポンサーが増える。スポンサーが増えればチーム強化できる。チーム強化できれば、またファンが喜ぶというサイクルだと思っている。
③ジャンプ=社員を増やして客を呼び込む
 試合以外のエンターテインメントを重視し、アリーナでのホスピタリティにも注目した。飲食ブースの注文待ちがストレス。注文アプリで注文し、キャッシュレスで受け取れるサービスを実施し、劇的に改善。更に快適な観戦のための試みとしてトイレの混雑緩和を実施。女子トイレの「あいてるよ」のサイン。ファンからクラブSNSに寄せられた要望に応える形で改善された。ファンの声も大事にするのがクラブのスタンス。トイレにはアメニティグッズも充実。
   
 (公共施設の)市民体育館を劇場化するには相当手を加えなければならない。自前のアリーナを作りたい。それほどの労力やコストをかけてまで演出やホスピタリティにこだわる理由は、千葉ジェッツの肝となるクラブ全体哲学・理念「千葉ジェッツを取り巻く全ての人たちと共にハッピーになる」があるから。これがこのクラブの存在意義を決めた。別に優勝が目的ではなく手段。活動理念のもと、迷いなく行動する組織。派手な演出は初心者をハッピーにする手段。ストレスを無くす改善は観客をハッピーにする手段。
 更に社員に対しても給料を増やす。休みが無い、帰れないみたいな「やりがい搾取」を断つ。会社でも来社した訪問客を社員全員で挨拶して出迎えてお客さんをハッピーにする行動。出社後すぐに社内清掃。清潔なオフィスがスタッフのハッピーを生む。効率よく働くことでクラブもスタッフもハッピーになる改革。
 島田会長「スポーツクラブという事に甘えた瞬間にスポーツクラブの発展は無くなると思っている。バスケットというコンテンツを商材としているサービス業でしかないと割り切っている」

 いやぁ長くなりましたね。当ブログでもこういう番組レポを何度も書きましたが、最も長い部類に入ったかな。それだけ省略する部分が少なかったという事です。これを読んでも千葉さんは幸せだな、バスケに限らず、千葉県民がうらやましいと思いました。よくホスピタリティにこだわる話をよそでも聞きますが、ちょっと千葉さんのとは違うなと。ハッピーになって欲しいと思ってされていて、数字を伸ばしたいと思ってやっているケースとは違うなと思いました。
 このやり方や価値観がが今後はBリーグ全体に浸透する訳ですね。正直大河前チェアマンも含めて、Jリーグの息のかかった人材が今までBリーグをけん引してきたイメージがあります。そういう意味でJリーグの色が無い島田新チェアマンはまた期待できるのではないでしょうか。今まではJリーグに追い付けでしたが、これからはJリーグは関係ない、Bリーグに関わる全ての人がハッピーになれば、自然とNPBに次ぐプロリーグになってるよ、そんな風に思えます。もう一つ、島田新チェアマンの価値観が垣間見えるコラムがありました。

【ラーメン店の調理作業が見えるように…Bリーグ島田新チェアマン、生き残りは積極発信】
「-コロナ禍で各クラブの経営が苦しい。
 10日の就任会見でクラブを一つもつぶさないと宣言した。戦力強化に資金を使って経営を悪化させないように、来季は降格なしにした。今は守ることが重要。過去の慣例にとらわれずやっていく。
 -地方のクラブが生き残る方法は。
 地方は相対的に企業が少なく、人口も少ないから収入を得られづらい。このデメリットを超えるのはオーナーだ。リーグの魅力を訴え、地方でもクラブを持つことがステータスになるという世界観にするのは私の仕事。クラブに頼まれれば(説明などに)駆けつける。
 -オーナー依存だと地域色が出にくいのでは。
 私が以前社長を務めた(B1)千葉はつぶれそうなところから地域密着を続けて成長し(昨春)ミクシィと組んだ。それでも地域密着はやめず、資本とのハイブリッド(融合)になってきている。今までの文化を大事にしながら経済力をつける挑戦が、大きな可能性につながる。」
「-千葉ではどうやって共感してもらえたか。
 SNSでディスクローズ(公開)した。人間関係と一緒でうそをついてばれると信頼関係は崩れる。逆にスタンスを明確にし、どういう思いで運営しているのかを知ると、ファンは感情移入をしやすくなる。ラーメン店の厨房(ちゅうぼう)が見えるのと一緒。必死で作る雰囲気や(職人の)汗を見ると、魂を込めて作っているのだなと思えて、おいしそうに見えるでしょう。」
 -チェアマン就任後も発信は続けるか。
 失敗が許されず、怖いからやめとけ、と言う意見もあるが、一番良くないのはBリーグが話題にも上がらないこと。議論が活性化した方が健全と考えている。基本的に開かれたリーグにしていたい。広報に怒られない程度にやります(笑)。」
引用:西日本スポーツ
島田新チェアマン公式note該当記事:https://note.com/1105shimada/n/n212fda196f41

 地域密着と(オーナー)資本とのハイブリッドってすごいですね。Bリーグといえば昔からSNSの発信力を重要視しています。J2でもつい最近まで公式SNSをやろうとしなかったところもあったように思いますが、Bリーグの価値観は「情報は力なり」を地で行く素晴らしい考え方です。当ブログも昔から経営情報などの情報開示や情報公開を口酸っぱく言っていますが、Bリーグはその最先端。ラーメン店厨房理論もまた素晴らしい。情報は距離感でもあります。例えばチームの24時間、1週間の動きが事細かく手元に入ってくれば、いつしか生活と一体化し、離れたくても離れられない関係になり、泣き笑いで同化してしまう。そうすれば生活=チームや選手となり、究極の永久サポーターになるかと。その部分を追求するのが、ラーメン店厨房理論なのかもしれません。
 でも、バスケは屋内スポーツなので、屋外スポーツとは再開状況が違ってくるでしょう。3×3exeは今シーズンの全日程が中止になりました。厳しいですね。ぜひBリーグは無観客でもいいから開幕して欲しいです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  Jリーグの話題189 | トップ | 地域に溶け込む川崎フロンタ... »

コメントを投稿