事例紹介コラムです。
スタジアムグルメを考えるシリーズその2です。
スタジアムグルメベストイレブンを観ていると、面白い傾向がある事に気づきました。2009年と2011年を見比べてみて下さい。2009年はメニュー名のみに対して、2011年はしっかり業者名も出ています。つまり、Jリーグ全体、スタジアムグルメのトレンドとしてはしっかり業者名も出すという事になると、個人的に思いました。業者名をしっかり出す事が、業者のモチベーションを上げ、競争心をあおり、全体のレベルが上がり、なおかつ消費者に信頼感・安心感を与えるのではないでしょうか。そして、もう一つ大事な事は、ご当地グルメが盛り上がる事で、その地域も盛り上げるという、「地域活性化」「地域貢献」というJリーグ百年構想に合致するという事になると思います。
スタジアムグルメベストイレブン
【2011】:http://www.jsgoal.jp/special/2011g1/
・熊本:えこめ牛サイコロステーキ(JA菊池きくちのまんま) / ・岐阜:飛騨牛の牛串(店名表示なし)
・磐田:アイスコルネット(コルネット) / ・神戸:タンドリーチキン(ネパール料理 サーナンギ)
・鳥栖:かしわうどん(中央軒) / ・大宮:鶏白湯ラーメン(TORIMARU)
・草津:鳥めし(店名表示なし) / ・G大阪:たこ焼き(道頓堀くくる)
・鹿島:もつ煮(鹿島食肉事業協同組合) / ・栃木:餃子(宇都宮餃子会)
・札幌:海鮮丼(店名表示なし)
※岡山は欄外特別賞の「クラブ賞」受賞。
【2010】:http://www.jsgoal.jp/special/2010g1/
・広島:パスタ(ラ・ベットラ・ダ・オチアイ) / ・愛媛:イカ伝説(ゆうゆう)
・清水:桜えびかき揚げ丼(鐘庵) / ・鳥栖:ホットドッグ(IBUSUKI)
・熊本:馬勝ったパン(オーダーメードパン屋) / ・G大阪:たこ焼き(道頓堀くくる)
・栃木:餃子(店名表示なし) / ・草津:鳥めし(店名表示なし)
・甲府:甲府鳥もつ煮 / ・山形:いも煮(サポーター有志)
・鹿島:もつ煮(鹿島食肉事業協同組合)
※岡山はベスト11欄外の敢闘賞でした。
【2009】:http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00094520.html
・鹿島:もつ煮(店名表示なし)・・・「鹿島食肉事業共同組合」が高評価
・草津:鳥めし(店名表示なし)・・・「登利平」が高評価
・山形:山形牛串(店名表示なし)・岐阜:飛騨牛串
・福岡:地鶏炭焼(店名表示なし) / ・清水:もつカレー(もつ焼き手羽先 十二番)
・岡山:ホルモンうどん(店名表示なし) / ・愛媛:じゃこかつバーガー(NPO「イケメン連」)
・G大阪:たこ焼き(道頓堀くくる) / ・千葉:ソーセージ盛り(喜作)
<2009Jリーグスタジアムグルメ大賞MVP>
・栃木:餃子(店名表示なし)
パート1でも紹介しましたが、「殿堂入り」というものがあります。ベストイレブンに3度選出されたメニューは「殿堂入りメニュー」とされ、未来永劫にその栄誉を称えるものとして、次回以降のグルメベストイレブンでは投票対象外となるようです。
3度目を果たしたのは4つ。「もつ煮(鹿島)」「餃子(栃木)」「鳥めし(草津)」「くくるのたこ焼き(G大阪)」で、今回の選考の結果、ゴールデングルメ賞に輝いた「炎のカリーパン(山形)」「ソーセージ盛(千葉)」については、スタジアムグルメの発展に貢献した功績を讃えられて殿堂入りとなるそうです。いろいろな形のスタグル評価があるようですが、当ブログではこの「グルメベストイレブン」のみ、「本流」としてスタグルを評価するものと考えております。どちらのクラブさんもぜひ、「殿堂入り」を果たすべく頑張っていただきたいと思います。
先日もJ2横浜FCでいい事例がありました。「横浜FCホームゲームでのスタジアムグルメは美味しい」という評判を高めていくために、「F’s kitchen project」を実施をした結果、好評につき『第2弾』を実施したそうです。以下、抜粋して紹介。
【F’s kitchen project ~Fulie(横浜FC)・Food(フード)・Full(満腹)~『第2弾』】
・時間: 15:45~キックオフまで
・場所: 横浜FCホームゴール裏コンコース
・対象: 来場者
・表彰時間: ハーフタイム
・出店メニュー: 価格はすべて300円。
・投票方法
①F’s kitchen project参加店舗にて対象メニューを購入。
②購入時に渡された投票用紙に投票記入。
③ホームゴール裏サポーターズブースに持参。
④投票後、その場で当日の試合から9月2日栃木戦まで使用できる飲食売店の割引券(50円引き)を進呈。
この企画のページを観ても、しっかり店名が入っています。店名が出ているスタグルメニューで人気投票を行い、全体のレベルアップを高めていく目的と思われます。出店しているお店の方も自店のイメージアップにつながるので、真剣にサービスアップをされる事でしょう。
J2横浜FC公式HP該当ページ:http://www.yokohamafc.com/news/2012/08/02/fs-kitchen-projectfuliefcfoodfull2/
スタグルで店名を出す、出さないについては、我々の方でもよく意見が出る部分です。個人的には、店名を出せば責任をしっかり持つ事ができるのではないかと。この前、車を運転していたら、前にいる運送業のトラックに「この車の運転手は◆◆◆◆です」とプレートが付いていました。つまり、自分の名前が出る事によって、サービスがレベルアップするという考え方です。スタグルの話にそのままつながる訳でもありませんが、店名が出ればその場所の店舗と同時に、通常違う場所で営業している本店にも影響を与えるので、全体がレベルアップするという考え方。
次に、個人的イメージとしては、スタグルは百貨店のデパ地下と一緒かなと思っています。デパ地下の食品コーナーでは各ブランドがしっかり店名を出して営業されています。その品揃えの豊かさを百貨店同士で競い合っています。これが、その百貨店の統一ブランドのみの売り場であったらどうなるか。個人的に一番好きな百貨店である伊勢丹は、店舗レイアウトを各ブースで統一デザインにして話題を集めましたが、店名(ブランド名)表示はそのままです。その地域のご当地グルメを集めて、アウェーサポーターにも楽しんでもらうスタグルは、まさに「地域グルメのデパート」で、地域を挙げて盛り上げる活動の一つではないかと思います。
あと、最近の流行として、某大手スーパーなどは、食品コーナーで、生産者表示を大きく掲示しイメージアップに成功しているという事例もあります。スタグルで店名をしっかり表示するという考え方は、「情報開示」「情報共有」という、今の時代に必要な事なのかもしれません。
まあ、デパ地下という形で店名を出した方がいいのではないかという持論を出しましたが、店名を出した方がいいレベルのお店が来てくれないという事もあります。来場客が店名を見て、どこ?と出しても出さなくても一緒という事もあるかもしれないし、場合によっては、条件が合わないために老舗店が来なくなったというケースもあるかもしれません。難しいところですね。J2松本のように店頭には表示が目立たなくても、MDP等でしっかり表示しているクラブもあります。
そして、今回の東京出張(足立区)で、東京スカイツリーの「ソラマチ」に寄りました。ここは素晴らしかったです。特に「ソラマチ商店街」には質の高いお店が集まった「のれん街」を構成していました。個人的な好みで「東京カレー屋名店会」というお店に入ったのですが、ここはすごい。都内で実際に営業している有名カレー店5つが共同で出店し、「2店盛り」などメニューでも共同で運営していて、本当に美味しかったです。店名を出してもインパクトが低いからメニュー名でPRしている例とは違うなぁと思いました。ここを歩きながら、「スタグルはのれん街」という思いを強くしました。実は、ここには「美味G横丁」で人気№1の「たこ家道頓堀くくる」も出店していて、美味しかった記憶が蘇ってたこ焼きを買いました。スタグルでしっかり味を知っていたから、購買行動ができた訳です。
スタグル関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120812
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます