迷建築「ノアの箱家」

ひょんなことからNOAに選ばれし者として迷建築「ノアの箱家」に住むことになったKOKKOの笑ってあきれる自宅建築奮戦記

コンポストトイレ⑥(太陽発電の換気扇)

2011-08-26 08:15:23 | 実験的環境保全

換気扇設置

Greenlyのコンポストトイレを購入した時、太陽発電式の換気扇もセットで手に入れていたが、何でも実験根性の私は、換気扇なしとありでの違いを試してみたかった。で、一年間、換気扇なしでトイレを使用していた。

換気扇と言っても、臭気対策用のものではなく、トイレの発酵床の湿気対策のものである。

下に住んでいた時、自作バケツ型コンポストトイレは、深さがそんなに無かったこともあり、換気扇など無くともいつも乾燥していたが、Greenlyのトイレは、深さがあり、おまけに開口部が少ないのですぐに発酵による湿気が生じ、コンポストがじめじめしていた。

じめじめしていると、発酵がうまく行かなくなり、悪臭も生じてくるため、対策に終われる日々であった(対策:コンポストの頻繁な入れ替え、発酵床の新規投入、暖める、乾燥させる、etc.)。

 

「シンプルイズベスト!」

これなら、私の作ったバケツ型糞尿分離式コンポストトイレの方がまだましだと、その煩雑さにいささか疲れ果てていたのだが・・・。

太陽発電式換気扇をつけると・・・、おっ、こりゃいけるね!

少なくともコンポスト上部は明らかに乾燥するようになった。(湿っている時は色が黒いが、乾くと茶色)

 

                     

何のことはない。四方10cmに満たないおもちゃのような換気扇。これをトイレ発酵タンクの上部に取り付ける。反対側の方には吸気口が付いているので、そこから空気がタンク内に流入し、換気扇から外へ出て行く仕組み。

タンク内のコンポストは常に発酵し続けており、二酸化炭素と水分に分解されるが、その水分が蒸発してタンク最上部の便座近辺の裏側に付着し、水滴となって下の発酵床に舞い戻るという悪循環が起きるのを防止するための換気扇である。

 

                 

屋根の工事用杉板デッキの右端に30cm四方の太陽発電パネルがある。こいつがとんでもない威力を発揮してくれて、10cm四方のおもちゃ換気扇は夜明けとともに回り始める。日中は人間様用の扇風機並みの風を発生させるので、工事で熱くなった時、私は換気扇に顔を近づけて涼むことになる。臭くはない。

いずれ、パネルを増設して車用バッテリーを使って蓄電して屋外夜間照明と竹のイルミネーションに使う予定。


 

 


窓や戸周辺の仕舞い

2011-08-25 08:18:38 | 「ノアの箱家」工事進捗状況

ここは、兄ちゃんの道具で

道具がない。兄ちゃんに材木を切って貰う。

いくつか作業手順を見せてもらったので、材木さえ切って貰えれば、あとは自分で出来ると分かった。

            

溝付きの額縁用材木を切って、窓の縁にはめる。下から金槌でトントン叩いて、木をはめ込む。

 

 

                   

最後に隠し釘で要所要所を止める。(ピンクの隠し釘の頭は、あとで硬いもので横から払い落とすと、表面から釘は見えなくなる。)

 

兄ちゃんたちのサポート

私一人では、出来ない家造り。ここまでこれたのも、色んなプロの方たちの助けがあってこそ。本当に有難い。

今年夏の第三期工事では、内装を中心に行ってきた。ただでさえ市販の半額近い木材を、さらに半額のバーゲンで工務店向けの木材問屋で購入出来たので、贅沢な檜をふんだんに使うこともできた(実際、安木材並みの値段で檜を購入している)。→落ち着いたら、資材などの金額を整理公表。

が!!

ここは、さすが「迷建築ノアの箱家」、私の計算違いから、購入量が少すぎた。さすがに定価で檜を購入するお金なんてもうない・・・。で、コンテナは内装不完全、つまり鉄むき出し面が残る状態で生活し続けることになる。

あ~あ~、あの時、もっともっと買ってりゃよかったのに!!

しかし、内面の壁に1・5cmほどの木材をつけるだけで、外部からの熱の伝導が止められた。

もともと、うちのコンテナは、朝1時間半~2時間、夕方も同じぐらいの時間だけしか(しかもごくコンテナの一部分のみ)直射日光は当たらないのだが、さすがにあたっている時間は、触ると熱い。又、その近辺の室内は輻射熱で暑かった。それが、内装をしてしまうと、全く気にならなくなった。

恐るべし、木材とと空気の断熱能力(コンテナと板の内壁の間には4cmか6センチほどの空気層)。

これで外断熱、さらにその外に10cm以上の廃材で覆うので、断熱としては充分だろう。

 

樫田は、寒冷地のうえ、私の家は、山からの吹き降ろしと谷からの吹き上げで一日中風通しがよく、もともと扇風機も要らないが、内装をすることで、さらに暮らしよくなった。

特に、屋根は、ガルバリウムの波板だけではあっても、コンテナと屋根の間を空気が通り抜ける構造だったので、もともと暑さはたいしたこと無かった。が、屋根の上にに木材ッキを設置することで、ガルバリウムのピチピチ音(熱で焼ける音)がしなくなり、静かになっただけでなく、さらに涼しくなった。(以前は、集中豪雨の音よりもうるさかった!)


  


コンテナ接合部

2011-08-24 09:00:45 | 「ノアの箱家」工事進捗状況

CD棚にしてしまおう!

コンテナ接合部分について、何とか上手く役立てる方法はないかいな?と考え続けていた。

この部分は、可動式間仕切り(板製)で仕切ることによって、「どこでもワンルーム」を出現させれるようにするつもりではいたが、問題は、その上部。

うんうん唸っていて、はたと思いついた。

CDラック(25年以上使い続けてきた下駄箱の転用)を家の外に放り出してしまおう!で、上をCD棚と飾り棚にしてしまおう!そしたら、家が広なるやんか!

 

                

コンテナとコンテナの接合部に木枠を張り、長めの板を取り付ける。接合部から張り出した板を棚板とする。張り出しを15cmとしたが、これは後で後悔。CDは14cmなので、ピッタリサイズにすれば、地震で揺れても落下しにくかったはず。たかが1cmされど1cm。この差は大きい。したがって、滑り止めシートかバンド固定で対応することになる。写真には写っていないが、この後、立ち上がり約1cmの縁をつけたので、多少のことでは落ちにくくなったとは思うけど。

  

                 

 CD棚完成。コンテナの天井部分なので、周囲をぐるりと一周しても圧迫感はない。四つのコンテナのうち二つをこのようにした。棚板の取り付け工事は、ほぼ全部私の仕事。慣れるにしたがい、スピードがどんどんアップ、あっという間に出来上がる。私もなかなかやるじゃん!と悦に入る。

コンテナ接合部はかなり頑強な木枠に棚板を固定しているが、コンテナの壁部分については、補強のために、棚板の下に受け木と隠し釘を打った。勿論、ボンドも。

 

          

 コンテナ上部のコーナーについては、端材で覆った。壁板の端材には、10cm~20cmほどの小さなものがたくさん出たが、全てコーナーやコンテナ接合部の柱に使ったので、無駄は一切出なかった。1cmとか2cmほどの小さな切れ端以外は全て使いこなした。

  

                 

 コンテナ接合部分の柱。これが大変な作業で、私と中ちゃんとの二人がかりで丸一日中かかってワンコーナー仕上げるのがやっとだった。二枚の板の端を45度どうしに切り、それをピッタリくっつけていくのだが、1mmの狂いが隙間を開けてしまうことになるので、何度も何度も切り直しをしなければならないので、気の遠くなる作業だった。

 

「こんなん、いつまでもやっとれん!」と、中ちゃんも私も口々に文句を言う。

「KOKKOちゃんがワシの言うこと聞かへんからこうなったんや!」と兄ちゃん(大工)。

へい、さようで。

実は10分の一以下の労力で出来る工法があったにもかかわらず、私が兄ちゃんの言う意味を理解できず、頑固に自分の意見を押し通したので、こうなってしまった。残り2個のコンテナのコーナー処理については、兄ちゃんの言う簡単工法(普通行われている方法)でいくことに。

 


 


天井工事

2011-08-21 11:57:33 | 「ノアの箱家」工事進捗状況

天井工事

3月11日以来、気分が萎えていた。

毎日、色んなことを思い出し、考えていた。

ささやかながら被災地への具体的支援はしたけれど、それがいったい何なんだ。とうてい「頑張れ、東北」という気にはなれず(現地の人たちは、もう頑張りすぎているぐらい頑張っている)、私に出来ることなんてたかが知れている。無力感と罪悪感と、得たいの知れない焦りと不安に囚われてしまうことが多かった。

 

あれは対岸の火ではない。

あの惨事の都市バージョンが必ず近いうちにやってくると考えて、準備を整えていくことで応えていかなければ、被災地支援は、感傷的なものに留まってしまうだろう。

 

朝日新聞の連載記事の中で、陸前高田のある消防団員が語っていた。

「私たちは、屍の上に街を造っていかなければならない。」

過酷な現実であるが、それに立ち向かっていこうとする人間の強さに、逆にこちらの軟弱さがあぶりだされてしまうありさまだった。

こんな状態じゃ、彼らからの顰蹙を買うだけでしかない。

松江の西村敏さんは、松江の原発問題の取り組みを再開した。

直接被災はしていなくとも、同時代にこの国に生きる者として、自分の問題として考えていかなければならないことは山積みだ。そのことを放置していては、今後もあちこちで同じ惨事が繰り返されるだけだ。

考えていかなくっちゃ。

自分の暮らしを見直していかなければ・・・。

 

現地の知人の状況を思っては、居たたまれない気分でもあり、長い間ブログを書く気にはなれなかったが、7月の内装や外装工事に向けて、お金は貯めていた。

 予定通り、兄ちゃん(大工)たちは、やってきた。

昨年末以降、何度か私たち(パラちゃんも相変わらず居候している)の暮らしぶりを見に来てくれていたが、屋外-10℃・室内-3℃の冬篭り生活には呆れていた。

「早よ、工事せんか!無理に頑張らんでもええ!」と兄ちゃんたちは、口をそろえて言っていた。

が、結露対策の結論は出ず、私には、お金も無かった。

けれども、さすがに今年の冬は断熱をした家で暮らさないと、身体を壊してしまいかねない。

何せ、コンテナの鉄むき出し・無断熱だ。

ストーブが全く効かないので、暖をとるためには、ホットカーペットの上で毛布に包まって寝転ぶのが一番いいと知ってからは、そうしていることが多かった。文字通り“冬篭り”生活だったのだ。昔の人が、囲炉裏端で家族全員が集まって、物語していたのはそのせいだったのだろうが、これでは、活動が鈍ってしまう。

 

というわけで、7月末から内装の集中工事。

まずは天井。

一年も置いていたので、綺麗に乾燥している松材で、仕上げた。

 

           

天井に根太(横棒)を張り(木材をコンテナ内周にピッタリサイズに叩き込み、木材はコンテナに釘留めしない。あくまで木と木のみに釘を打って留める。その下から松板を根太ボンドでくつっけてから、タッカー?で釘留めしていく。この作業は、首を上向けにしての作業なので、首や肩や腕が固まって痛くなる苦行となった。

 

     

 生活しながらの工事なので、荷物を移動しては工事、移動しては工事の繰り返しとなり、家じゅう荷物でグチャグチャの中での作業。

今、思い出したら、恐ろしいことに、床の養生シートも家具のカバーもないまま作業していた。

 

             

天井の端っこの仕舞いはどうなるかというと・・・。(次回、紹介)

私もガンガンタッカーを打っていった。

 

    

 ライトレールにつけたLEDライト。私が購入した一年前に比べ、市場価格はかなり下がった。ムムム・・・。

コンテナむき出し時代は、ライトレールは天井に橋渡しにした材木に留めていた。木材をコンテナに釘打ちしていなかったので、木材の乾燥が進んでいくうちに、ライトレールごと天井から木材が落下するという事件が3回発生。三回目にレールのジョイントが壊れ、4ヶ月間、闇の中で生活をする羽目に・・・(不便だが、それはそれで風情があった)。

ライトレールのジョイントを交換し、天井板の下から木ねじで留めるだけの簡単作業で、室内はまるで王宮のように明るくなった。これで、本が読める。

コンテナの左端天井の四角い部分をどうやって隠すのか、いろいろ考えた末、私が選択した方法は・・・(次回)。