LIFE誌の世界の100人に選ばれた男の物語。
2001年が舞台だが、当時市販の生理用品を使えるのはインド女性の12%に過ぎなかった。
コーヒー1杯は5ルピー、女性用のナプキンは55ルピーもしたのだから。新婚の妻をこよなく愛す主人公は、鉄工所で働きながら、妻が楽をできるツールを次々に作り出す。そして友人に借金をしてまで妻に市販品を買うのだが。
インドの男尊女卑の風土、女性の生理を穢れとして、男がそのことに言及するなどもってのほか。
妻は市販品を使おうとせず、夫は村八分になりながら品質が良く廉価なナプキンを自国生産するまでに至る。もちろん製造マシンも男の手づくり。
人間は堅物で、頭が柔らかな男の実話。
盛りだくさんな作品だった。教育を受けられなかった男と、インテリ層との埋められない格差。
質素な妻が、村の祭りではヒンドゥー教のお布施集金ロボットに躊躇なく金を出したりする。
インドの因習に敢然と立ち向かった、英語を話せない主人公だがラスト、ニューヨークの国連に招かれ、通訳なしで英語でスピーチをするシーンは圧巻。涙。
まさかまさかの踊りのシーンもありますよ!