「東南アジアでのメディカルツーリズムは活況!」の知らせあり

2012-03-25 17:23:42 | Weblog
「東南アジアでのメディカルツーリズムは活況」の知らせ

本日、マレーシア駐在の日本企業社員の方から上記の知らせを聞き、下記の話題を思い出しました。
まだ詳しい内容を掴んではいませんが、三井物産の行動(=後掲資料No.1)から推測して、多分、マレーシアやシンガポール、インドなどの超大手病院グループが、世界中から多数の患者を獲得する動きが以前にも増して活発化していることが考えられます。
そこで、我が国も積極的に自国への外国人患者獲得の動きを強める必要があるでしょう。
我が国の他国に対する圧倒的な強みは、何と言っても(1)がん治療や(2)心臓外科、(3)消化器系の治療分野での著しい成果でしょう。
今日、たまたま読売新聞に、がん対策「重粒子線治療」の福音に付き詳細な記事が出ていました(≪資料≫No.2)ので、これを皆様に紹介しつつ、我が国の「メディカルツーリズム資源」の内容の厚みを改めて確認したいと思います。

平成24年3月25日 日曜日
「東京通訳アカデミー」&「東京国際ビジネスセンター」
CoolWorldExpo ㈱ 理事長 岡村寛三郎


≪資料≫No.1
三井物産、マレーシアの医療大手に出資 924億円で30%取得
2011/4/ 7 (16:08)| インドシナ マレーシア 主要ニュース
【マレーシア】三井物産は7日、マレーシア政府傘下の医療大手インテグレイテッド・ヘルスケア・ホールディングス(IHHSB)の株式30%を33億マレーシアリンギ(約924億円)で取得すると発表した。アジアでは急激な人口増加と高齢化の進行で医療需要の拡大が見込まれ、医療事業の将来性が高いと判断した。
 IHHSBは、
(1)シンガポール最大手の病院グループであるパークウェイ病院、
(2)マレーシア第2位の病院グループであるパンタイ病院を傘下に持つほか、
(3)インド最大手の病院グループであるアポロ病院に一部出資。
医療教育機関、新薬開発のための臨床試験受託事業なども行っている。
三井物産はマレーシア政府の投資会社からIHHSB株12%を取得するほか、第3者割当増資を引き受ける。

≪資料≫No.2
重粒子線治療(その福音)
(垣添忠生氏・日本対がん協会会長、「読売新聞」1~2面・2012年3月25日より編集)

日本で実用化された巨大科学技術、がんの重粒子線治療の特質と成果について記したい。
重粒子線は、放射線の一種である。放射線治療の歴史は案外古く、1985年にウイルヘルム・レントゲンがX線を発見し、人体の透視に初めて成功した数か月後には、がんなどの治療にも用いられ始めた。
放射線には、ヘリウムの原子核の流れであるα線、電子の流れであるβ線、エネルギーの高い光の一部であるγ線やX線などがある。
放射線のがん治療における作用点は、がん細胞の核内のDNAの切断と考えられている。
DNAは、2本の長い鎖が二重らせん構造を作っているが、放射線によってDNAの二重鎖が2本とも切断されると、言わば縄梯子がばらばらとなったような状態となり、修復がうまく行われない。このためその細胞は分裂できなくなり死滅する。
DNA切断は、一重鎖と二重鎖の切断があり、粒子線治療は二重鎖切断をより起こしやすい。
近年の放射線治療は、こういった生物学的な仕組みに基づき、がん細胞を殺す力が強くてさらに主に“がん”だけに線量を集中する技術開発の歴史であったとも言えよう。
新しい放射線治療として注目されている「粒子線治療」は、陽子や炭素の原子核など「重い」粒子を使ってがんを治療する。
「重い」というのは、電子や質量の無いX線などに比べると重いという意味である。
粒子線治療で、陽子を使う場合には「陽子線治療」、陽子より重い炭素の原子核などを使う場合には「重粒子線治療」と呼ばれる。
X線は、体表面近くで細胞に与える線量が最大で、深部に至るにつれ徐々に線量は減衰していく。一方、粒子線は、身体の途中まで到達すると、ある距離で停止する。粒子の持つエネルギーの大半は、それが停止する直前に放出される。
この物理学的特性のため、身体の深い場所にあるがんを治療する際、重粒子線治療は、周囲の健常な細胞をあまり傷つけることなく、がん細胞をたたくことができる。
1954年から、カリフォルニア大学バークレー校のE・ローレンスやC・トビアスらにより、粒子線治療が開始されたが、装置の巨大化に伴う予算面その他の理由から1992年に研究は中止された。
一方、我が国では、1984年、対がん10か年総合戦略が開始された。その際、最も力が注がれたのが、がんの重粒子線治療であった。
対がん10か年総合戦略は、当時の中曽根康弘総理大臣の決断により「がんの本態解明を目指して」を旗印に文部省・厚生省・科学技術庁、3省庁合同の一大「国家資格」プロジェクトとして開始された。
この一大プロジェクトのお陰で、我が国のがんがん基礎研究は、世界に並ぶことができた。
科学技術庁が重粒子線治療装置に重点を置いたのは、研究実績に基づき、それが次世代の放射線治療専用として着目されていたからだ。
330億円の巨費を投じて、千葉県の放射線医学総合研究所の地下に設けられた120×60メートルのサッカー場に匹敵する場所に直径42メートルの加速器を設置し、炭素イオンを光速に近く加速し、がんに照射する治療が開始され、現在に至っている。
対がん10か年総合戦略は、第2次・第三次と推進され、基礎研究はもとより、臨床からQOL(生活の質)研究まで、我が国のがん研究、臨床を強力に牽引している。
省庁再編により、現在は、文部科学省と厚生労働省の2省が関わる。
重粒子線治療は、施設の稼働からこれまでの17年間に50を超す研究計画に基づく臨床研究が展開され、6,000人を超えるがん患者治療を受けてきた。2003年には、「固形がんに対する重粒子線治療」として厚生労働省から先進医療の認可を得ている。先進医療なので、患者の自己負担は300万円を超す高額だが、何種類かのがんでは著しい効果が得られ、機能も温存されている。
手術をすると顔の半分を失う、と言われていた顔の骨腫瘍の女性が、この治療を受けて外形はいささかも変わることなく、既に6年健康に生存している例など極めて印象的である。
これまでの研究から明らかとなった重粒子線治療が有効ながんとして、骨、軟部腫瘍、頭蓋底がん、頭頸部がん、肺がん、肝がん、前立腺がん、直腸がん術後再発などが上っている。
早期肺がんでは、治療回数の減少が試みられており、現在では一日で終了する超短期照射計画の有効性・安全性の研究が進められている。
重粒子線治療は、日本では、(1)放射線医学総合研究所、(2)兵庫県立粒子線医療センターで稼働を開始し、その成果を見て、ドイツ・ハイデルベルク大学、中国・蘭州の近代物理研究所でも稼働している。
2009年には、(3)群馬大学に炭素線のみに限定することにより当初の重粒子線装置のサイズを約三分の一に縮小した新機器が稼働を始めた。
イタリア・ドイツ・中国・オーストリア、そして我が国では、(4)佐賀県鳥栖・(5)神奈川県でも新たに建設中と聞く。これらの相次ぐ建設は、いくつかのがん種に対する日本で挙げた炭素線治療の成果が、国内ではもとより国際的にも注目された結果であろう。
重粒子線治療の最大の特徴である線量集中性と高い生物効果(=がん細胞を殺す力が強いこと)、(手術をしない)その結果としてのがん患者の(心身の)機能温存という点で注目を集めるのは当然である。
しかし、筆者がいささか危惧を覚えるのは、装置の小型化と相まって、全国10~20か所で本施設を導入したいとの声が上がっている点である。
既に我が国では、陽子線治療装置が7か所で稼働している。それに加えて導入する重粒子線治療機器の適性数はどのくらいか、厳密な評価を下し、日本全体での配備計画を早急に立てるべきだと思う。
巨大で高額な機器であるうえ、年間のランニングコストも高額であり、必要な放射線治療の専門医・放射線物理士・治療技師の数が十分ではない。
更に、骨・軟部腫瘍は、重要な治療対象の一つだが、年間の患者数が日本全体で2500人程度といった事実を冷静に考え、適応症例は少数のセンター病院に集約することにより、高度の治療を受け、終了したら地元の病院に戻るといった考え方の整理が必要と思われる。
重粒子線治療は、我が国が実用化に成功したがんの新しい治療法としての巨大科学技術である。
ここまでこの技術を育ててきた関係者のご努力を多としたい。
この技術を我が国に、そして世界に定着させるために、更なる技術革新、冷静な配備計画が望まれる。

以上
平成24年3月25日 日曜日
CoolWorldExpo ㈱ 理事長 岡村寛三郎

ロシア語・医療通訳士講座のプレスクールを追加開催、3月31日

2012-03-25 06:38:39 | Weblog
ロシア語医療通訳士講座

皆様のご清栄をお慶び致します。
さて、4月開講に向け、無料見学のプレスクールを、特別に3月31日(土曜日)も開催します。
平成24年3月25日 日曜日
梶山達史[ロシア語医療通訳士講座講師]

(1)会場・≪明大通り校舎≫
〒101-0052東京都千代田区神田小川町3丁目8番 神田駿河台ビル8階
電話03-5577-6373 Fax.03-5577-6372 イ・メール:info@coolworldexpo.co.

(2)日程  3月31日(土)午前10時~12時

(3)お申込み  イ・メールで、下記の事柄をお知らせください。
申込み内容:①氏名、②〒と住所 ③連絡電話番号 ④メールアドレス ⑤主な所属先

以上