TETE是非論

2005-11-12 22:10:29 | Weblog
英語で英語を教えるTETEの長所・短所については、様々な
議論が行われてきました。
 しかし、結論から申し上げますと、文科省内部・周辺で、
数年以上の白熱した議論を交わした上で、既に、確定した
ゴー・サインが出ているわけです。
 今は既に、その結論を如何に実行するのがベストなのか、
方法論の段階に入り、同時に教職員の指導能力向上段階に
入っています。
 ですから、今更、我々民間教育に携わる者のレベルで、
その是非論を蒸し返してみても、実質的な意味は何もあり
ません。
 しかし、まだ未練の有る方もお在りになるでしょうから、
一言申し上げます。
反対論の主なものは二つです。一つは、英語会話ばかりの
指導では、生徒が理解できず、授業そのものが成り立たな
いという意見です。
 ところが、実際には、TETE向けの訓練を終えた教師が行
えば、却って、生徒達は興味を持ち、意欲的に英語に取り
組むようになるのです。子供たちは、英語の授業らしさに
以前以上に新鮮さを感じ、より積極的に反応するというこ
とが、実験的に判明しています。
 生徒が分からないというのは、こじつけられた言い訳に
過ぎず、実は、教師側が、生徒が分かるように、授業の進
め方を、あれこれ工夫する努力を怠っているということに
尽きるのです。
 次の反対意見は、聞き取りや会話のスピーキング練習を
する場合、小学校低学年生ほど効果が大きいのですが、こ
の時期は、むしろ国語力の育成段階と重なり、英語学習は、
百害あって一利なし、だという意見です。
 ところが、例えば、シンガポールなどは、小学校入学と
同時に、ほぼ全科目が、英語だけでの授業となりますが、
家庭では中国語で話し合うため、2ヶ国語の同時習得に何
らの差し障りもないということです。
 ましてや、日本では、例えば、週当たり2~3時間にも
満たないごく僅かな時間数だけの英語学習ですから、国語
の習得に障害が起こるはずがありません。
 逆に、1週当たり数時間にも満たない英語学習では、は
なはだ学習成果が上がりにくいため、それらの授業時間中
は、英語のみで行われるTETEスタイルに、絶対にするべき
です。
 その他の反対意見としては、学校の考査や入学試験が、
まだまだ文法・読み書き中心だから、悠長にTETEなどをやっ
ていたら、時間が足りなくなって、筆記試験での高得点が
望めず、親の反感をも買って、結局潰れてしまうという
意見です。
 しかし、これは、順逆の異なる意見です。多くの生徒達
が、旧来からの英語学習法に対して嫌悪感を抱き、英語
学習に興味と情熱を持てず、又は続けられずに脱落し、ア
ジアで最低レベルの英語力しか付いていないという悲劇に
なってしまっているという現実を忘れています。この現実
を変えようという目的で、TETEは登場しているのです。