諫早干拓については、漁業被害は全て干拓工事のせいとした漁業者の訴えを是と
して佐賀地裁が判決を出し更に福岡高裁で再度判決が出されました。
その時公共事業反対の民主党政権時代で國が控訴を断念し判決が決まりました。
処が諫早干拓で災害解消の沿岸住民や干拓農民は干拓開門は死活の問題として
長崎地裁に開門差し止め訴訟を起こし差し止めの判決を勝ち取りました。
一向に履行しない開門問題で今度は國に対して漁民は1日1億円と言う途方もない
制裁金を求めた間接強制を佐賀地裁に申し立てた。
今回此に対して佐賀地裁は間接強制を認め1人1日1万円の制裁金支払いを命じ
ました。
提訴した漁業者は49名ですので1日49万円の間接強制となる勘定。
しかし反対する漁民は恐らく千単位ですので膨大な制裁金を國が支払う事になる。
此にたいしては今度は國も本腰を入れて争う姿勢で早速上告を検討の様です。
何回も述べますが有明海での漁業被害は全て諫早干拓のせいと断定して良いのか?
色々要件が入り交じ今日の有明海になったと見るのが至当ではないか?
確かに諫早干拓も大きな要因の一つですが、さらに広い有明海沿岸部の埋め立ては?
佐賀地裁もその点の因果関係を明らかにするため5年間の開門の判決をだして居る。
しかしこの5年間の開門がくせ者です。
干拓と有明海の因果関係を明らかにするには有明海全体での調査が必要です。
其れを部分開門で部分的に調査して何が判ると言うのでしょう。
開門要求は國から漁業被害と言う名目で補償金を取るための訴訟とも思われます。
専門家は部分開門では一害有っても一利なしと言い切っています。
お互いに害が及び取り止めの出来ない事になる可能性が指摘出来るそうです。
意地と意地の張りあいで共倒れして喜ぶのは誰でしょう。
漁業者と干拓農民・沿岸住民。佐賀県と長崎県。其れに國と入り乱れての乱戦。
結局最終的には莫大な補償金を支払うのは国民となるのではないか?