今日は、東京・品川区にある品川区立小中一貫校日野学園で行われた小中一貫教育全国サミット2010in品川に同僚議員4名とともに参加してきました。
小中一貫教育全国連絡協議会主催のこの会合は、今回で5回目となります。
会場の日野学園に着いて驚きました。
入場時には学校の玄関ではなく建物の左側に誘導されました。
そこは品川区総合体育館の入口でした。
ここは2006年4月に日野学園との複合施設として建てられた建物だったのです。
建物の1階から地下2階が総合体育施設で、地下2階のアリーナがシンポジウム会場でした。
このアリーナはバスケットボール2面、バレーボールだったら3面の公式戦が行えるほどの大きな会場です。
日野学園もこのアリーナを使うのかと思ったら別に日野学園の大きな体育館がありました。
日野学園は全国初の施設一体型公立の小中一貫の学校で2006年4月に開校したそうです。
品川区は2003年に小中一貫特区として認定され、品川区の全小中学校が特区研究開発学校として研究を開始しました。
2006年、区立第二日野小学校と日野中学校を合併し校舎を新築した後開校したとのことです。
これまでの6・3制を廃止し、9ヵ年を4・3・2年で分ける4・3・2制を採用し、児童生徒の能力を伸ばし新しい教育を開発していく方針だそうです。
中高一貫教育は私立の学校でかなり定着していますが、小中一貫教育といわれてもなかなかピンとこないものですが、今、全国のかなりの自治体で小中一貫教育の取り組みが行われています。
小中一貫校増加の大きな要因として少子化による児童・生徒の減少が挙げられるますが、それ以上に、中学入学後の中1ギャップにより不登校などが急増していることや、中1ギャップや高校進学という中学前後の課題にはさまれて、今までの6・3・3・4制の教育制度が制度疲労を起こしていることが大きな要因となり、さらには義務教育9年間のありかたをトータルで見直そうということで、全国で取り組みが行われています。
鎌倉市も3年後を目途にモデル校導入をめざして研究が始まっています。
そんなことから今回の会合に参加したのですが、参加者のほとんどは学校や教育委員会関係者のようで、あまり地方議会の議員らしき人はいなかったようです。
今回は「施設分離型小中一貫教育の課題を探る」をテーマに、シンポジウム、講演、分科会が行われました。
小中一貫といっても日野学園のような施設一体型で行うよりも、各地域の中学校区を中心にそこに存在する複数の小学校とともに一貫教育を行う施設分離型がもっとも多く、鎌倉市が目指しているのもこの施設分離型の小中一貫教育です。
これまでの小中連携と違い、同一の教育目標、カリキュラムの連続性、小学校における教科担任制によ授業の導入などにより、9年間の義務教育を行うものです。
しかし、課題は山積です。
まず小学校と中学校では、学校の文化が違うということ。
同じ義務教育課程でありながら、それぞれ独立した教育課程を行っていたため、教師も児童生徒も違う文化を持っています。
この違いが中1ギャップを生んでいる要因でもあります。
それをどうコーディネートしていくか、単純にはいかないようです。
でも今日の分科会で、文化の違いを乗り越えるにはという質問に対し、パネリストから「あえて文化を乗り越えたり、壁を取り去る必要はない。」という回答に、ハッとしました。
文化の違いを、ありのままに、しかしお互いをどう受け入れるのか、つまり小中の現場の人間のコミュニケーションが成立すれば、それでよいというのです。
なるほどと、唸ってしまいました。
中1のコミュニケーション能力の低下が指摘されていますが、まず教師がコミュニケーション能力を発揮していることが、生徒にとってよいお手本となり、学校の風土を生成するものなのですね。
来年は、広島県呉市でサミットが行われるそうです。