鎌倉市議会議員 納所てるつぐブログ

日々の議員活動でのできごとや思ったことをつづっています。

管理職について

2008年01月27日 | Weblog
最近、管理職の役割について考えさせられることがあります。
『企業と人材』2008年1月5日・20日号(産労総合研究所)に、管理職に求められる能力について一例が挙げられていました。

業種、組織形態等によってバラツキはあるものの、たとえば
「部長」に求められる能力には、ビジョン・政策立案力、戦略的思考、リーダーシップなど。
「課長」に求められる能力としては、部下の管理・育成能力、リーダーシップ、問題形成・解決能力など。
「係長」にもとめられる能力としては、業務の遂行能力・知識、コミュニケーション能力、問題形成・解決能力など
が挙げられていました。

どれも当たり前のことが並んでいますが、どれひとつとっても重い内容の能力で、自分にあるかといわれると黙ってしまいます。

そのなかで私自身が一番大変だと思うことは、「部下の管理・育成能力」ではないかと思います。

自分も、かつてリーダー的役目や人事、総務などの管理の仕事を務めましたが、一番苦労したのは、顧客や企業など外部との交渉ごとよりも、社員一人一人の心の掌握でした。

部下や同僚のモチベーションの高さをそろえることや、会社としての仕事の目標を共有することはもちろんのこと、部下が個人的にどのような問題を抱えているかまで掌握しなければならないこともありました。

一社員のいいかげんな仕事が会社にとって致命的なトラブルになることもあります。
田んぼのあぜの畷(なわて)をいくら堅固に作っても、蟻の作るわずかな一穴から崩れてしまうといわれているとおりです。
しかし一社員の完璧な仕事が会社にとって大きなプラスになることもありました。
部下の心の掌握が管理職にとって一番大事なことであり、大変なことと思います。

いまその大変さを嫌って管理職になりたがらない人も多いとか。
その背景にあるものを考えると、なりたがらない人を一概に批判もできないなとは思います。

しかしよくよく考えてみると、管理職であろうとなかろうと、自分の仕事に対して「責任」をもち、「責任」を果たし、「責任」をとることは、社会に生きる人間としては当然だとも思います。

当たり前ですが「責任」から逃げ出したくなるような社会であってはいけません。

最近、そう考えさせられることがよくあります。

川越第一小学校

2008年01月22日 | Weblog
今日は埼玉県川越市立第一小学校の視察に行ってきました。

川越市でもっとも古く明治6年の学制施行以来の伝統のある小学校です。
川越城下の家老屋敷跡に建てられ、中庭には家老の松という見事な松の木が大事にされながらそびえていました。(維持管理に年間24万円もかかるとか!)

全校生徒823人、24クラスが元気に通っています。
とくに国語科指導法の工夫・改善の研究校として今年度が最終年度を迎えているそうですが、その実践を伺い、公立小学校の取り組みとして、非常に参考になる有意義な成果を伺いました。

それを学校の教育目標である「四つのだいじ」
 いのちをだいじに
 心をだいじに
 人をだいじに
 ものをだいじに
という児童・保護者・教師の願いをどう実現していくかという具体的な実践として研究テーマとして、「聞くこと、話すこと」、そして「読むこと、書くこと」へとつなげる学習指導の流れを、低学年、中学年、高学年へと段階を追って発展させており、さらに聞くこと・話すことの場の設定、読むこと・書くことの場の設定を学年・ブロックごとに組織化していますし、さらには学習指導部、教材開発部、環境・調査部の3つの研究部を校内に設けていました。

高学年になるとディベート(討論)も本格的に行えるようになっているとともに、他の教科においても、相手の話を聞き、理解し、自分の考えを話し、伝えるために文章化するという基本的な学習のあり方の改善につながっているとのことで、とても頼もしく思いました。

今日は、地元川越市議会議員で文教常任副委員長の小野澤康弘議員と今日の視察の紹介者である愛校会(PTA)会長の野村さんも同席してくださり、校長先生、教頭先生と4人がかりでさまざまな角度から紹介してくれました。

あまりの丁寧な対応ぶりに恐縮しまくりでした。

またPTAといわずに愛校会といっているのは、PTAだけでなく、学校区の18もの各子ども会、育成会も「愛校会」として組織化されているからだそうで、地域ぐるみで子どもを育てようという意識が定着していました。

おかげで子どもの地域意識も高く、6年生は修学旅行の際には、自然に自分の地域の後輩たちのためのお土産を買って帰るそうです。

昭和41年に建てられた鉄筋コンクリートの校舎も紹介していただきましたが、手入れが行き届き、とてもきれいな校舎でした。

廊下から授業風景も拝見しました。
中にはお説教の場面もあったみたいで、校長先生は足早に通り過ぎようとしましたが、私はその辺もしっかり見てしまいました。

教職員が一丸となって取り組んでいるだけでなく、子どもたちも学校が大好きで、朝8時前に全校児童が登校してしまうそうで、先生のほうから、もう少しゆっくり登校してくれとお願いすることもあるそうです。

「でも残念ながら不登校気味の子どももいるんです。」と校長先生がおっしゃいましたが、どれくらいいるのか聞きましたら、「全校で2人もいる。」との返答で、その少なさに驚かされました。

それまでは不登校児はゼロだったそうです。
その2人も不登校気味ということで、学校に来ないわけではないようです。
なんでも保護者に怠業ぐせがあるとか。
「親学」も必要なんですね。

すれ違う先生、児童がみな大きな声で挨拶をしてくださいました。
すがすがしい気持ちで学校を後にしました。

川越市で公立教育の魅力を感じることができましたが、校長先生には鎌倉の各小学校もがんばっていますよと少し紹介しましたら、議員さんと校長先生は鎌倉の小学校のようすに興味を持たれたようでした。

その後、議員さんのご案内で小江戸川越の町並みや主だった施設をご紹介いただき、帰途に着きました。

ただ、今日の川越は寒かった。

芯から冷えているような空気にさらされながらの視察になりました。

75%が偽装再生紙だなんて

2008年01月18日 | Weblog
リサイクルの優等生といわれた製紙業界による再生紙への古紙配合比率偽装問題が話題になっていますね。

今日さらに製紙大手4社が、相次いで社内調査結果を発表したというニュースを見ました。

年賀はがき以外でも、慢性的な偽装が業界にはびこっていたようで、これで合計75%を生産する企業が偽っていたことを告白したことになります。

コピー用紙でも配合率70%商品が実態はゼロ、古紙40%であるべき平成20年用インクジェット年賀はがきでも、配合率はゼロだったとか。

ある製紙会社の社長は
「古紙入荷量が少ないときに配合率が低下し、そのまま惰性で繰り返していた」と説明していました。
さらに、少なくとも10年以上前から偽装が繰り返されていたとか。

ほかの複数の製紙会社は、国などに環境配慮製品の調達を促すグリーン購入法対象品でも偽装の事実を公表しています。

 各社はみな同じように「古紙品質が低下し、現在の技術レベルでは要求された品質維持が困難」と弁解していました。

コピーやプリンターの普及で、白さや薄さ、強度が求められる印刷用紙の品質要求が厳しくなったのは事実ですが、それなりの古紙配合割合を明記すべきであるし、バージンパルプ100%でも堂々と明記すべきだったと思います。

消費者軽視の体質がこの業界にはあるのでしょうか。
過去のオイルショックの時のトイレットペーパー騒動の時から35年たっても、何の進歩も伺えません。

すでに印刷会社の業務に影響がでているとも報道していました。

鎌倉市ではミックスペーパーの分別を、多くの市民の協力で行っています。
それらはおもにトイレットペーパーに再生されているとのことですが、今回のことで追跡調査をする必要があるかもしれません。

市民の努力は報われているのだろうか、心配になります。

古紙が足りないとは聞いていましたが・・・

沖縄戦

2008年01月17日 | Weblog
9月定例会で市議会が採択した「沖縄戦集団自決への軍関与を否定する教科書検定意見の再検討を求めることに関する意見書」についての抗議があるとのことで来客がありました。

文部科学省が、2008年度から使用される高校教科書に沖縄戦の集団自決について、日本軍による強制、または命令は断定できないとの検定意見をつけ、5社7冊の日本史教科書で記述の削除・修正が行われたことについて世論が沸騰しました。

今回の削除・修正は体験者による数多くの証言を否定しようとするもので、沖縄からの意見書は史実を史実として後世に伝えることが私たちの責務であるということで、鎌倉市議会としても今回の教科書検定意見が速やかに再検討され、教科書の回復が行われるよう強く求める意見書が市議会で採択されました。

今日来られた方は、それがけしからんということで撤回を求めて乗り込んでこられました。

提案者である他会派の議員さんと議会事務局の方々とともに応対しました。
その方は席に着くなり、矢継ぎ早にさまざまな質問が投げかけられました。

当初、私はとにかくお話を伺うことに徹しようとしていたのですが、気がついたら机を叩いて反論したり、私自身の考えを述べたりと、「専ら聞き役」というわけにはいかなかったようです。
どうも、静かに黙って聞いていられない性分なんですね。
事務局の方も心配そうに見守っています。

しかし戦争を賛美するような意見にくみするわけには行きません。
私は「沖縄戦の集団自決に軍の関与があったのかどうかをあいまいにしたような教科書の記述へと修正するより前に、冷静かつ客観的な調査研究が先である。」との主張を述べました。

その方の口からでてくる話は典型的な軍国主義の内容ばかりでした。

しかし今日来られた方は、細部に渡りとてもよく勉強しておられ、感心させられました。理論武装というのでしょうか。

でも「我が主張正しきにつき、反論無用」との態度には、思わず反発を感じずにはいられませんでした。

なかなか話を挟むすきがなかったのですが、私自身の主義主張はなんとかお伝えしたつもりです。

結局、話し合いは平行線で終わりましたが、今後もきちんと勉強していくことをお約束してお別れしました。

気がついたらロビー中に響くような大きな声を出していたのは、実は私の方だったみたいです。
我に返ると、ちょっと恥ずかしさを覚えました。


今年こそ安全・安心でありますように

2008年01月07日 | Weblog
新年から各地で火災や事故が相次いでいます。

鎌倉市内でも火災があり、亡くなられた方もおります。

昨日は鎌倉市消防出初式があり、消防署、消防団、とび職組合、企業の自衛消防隊、自主防災組織などのみなさんが参加して山崎浄化センターの広場で行われました。

圧巻だったのは消防部隊による総合訓練。
レスキュー隊員が、きびきびした動作で建物上階に取り残された被災者を救出する訓練では本当に緊張感が伝わりました。

でも、実際に出動する場面があっても困ります。
複雑な思いで訓練を見守りました。

昨年はレスキューの救助出場が38件あり、19人の方を救助したそうです。
交通事故、水難事故の救助が多いようです。

一方火災は、市内で30件の火災があったとのことで、死者1名、負傷者5名が出てしまいました。
建物火災は23件あり、出火原因は放火や放火の疑いが7件、さらに電気関係も7件だったそうです。

最近は電気器具が原因と思われる火災が増えているような気がします。
私も暮れの大掃除のとき、電気回りを整理してタコ足配線にならないようにしました。

救急車の出場は8324件、7998人もの人を搬送したそうです。
急病、けが、交通事故が多いようです。

それぞれの訓練の様子を拝見しているうちに、お互いに注意しあって、安全・安心な1年を送りたいものだと願わずに入られませんでした。

謹賀新年

2008年01月01日 | Weblog
明けましておめでとうございます。

平成の時代も20年を数えるなんて、時の流れの速さを感じます。

昨年は統一地方選、参議院選挙と大きな選挙が続き、その結果、参議院で与野党逆転となり、以来国政の場は難しい状況が続いております。

しかし厳しいといっても、議会の場で合意形成に努力するよりほかに方法はないでしょう。
考えてみれば、その合意形成において党利党略の主張は通りにくく、文字通り国民のための合意形成であり、そのための議会における議論となるべきです。

昨年の苦戦を教訓に、議会制民主主義の原点を再確認すべきときが来たのではないかとも思います。

では鎌倉市政はどうでしょうか。
議会内、議会と行政、議会と市民、行政と市民、市民と市民、さらには行政と行政それぞれが各課題において合意を形成すべく、協働しなければならない時代が来ていることを感じています。

開発問題、再開発事業、ごみリサイクル、世界遺産登録、福祉行政など、鎌倉市においてもそれらの課題への取り組みは、これまでのおまかせ民主主義から参加型民主主義へと変わりつつあることを深く認識しないと合意形成は難しいのではないかと思います。

今鎌倉市議会では自治基本問題調査特別委員会を設けて、これからの自治のあり方を議会の立場から議論しています。

私たち公明党は国政においても地方政治においても合意形成の政治に向けての橋渡し役を果たすべく、国民、市民の視点に立って働かなければならないと決意しています。

本年もどうぞよろしくお願いします。