鎌倉市議会議員 納所てるつぐブログ

日々の議員活動でのできごとや思ったことをつづっています。

海開きとサロン音楽会

2008年06月28日 | Weblog
 今日は、鎌倉海岸の海開き式がありました。

 今日から8月31日までの65日間、鎌倉の海岸4ヵ所に海水浴場が開設されます。
 今年の海開き式は腰越海岸で行われました。




 神事のあと、海開き式典では市長や議長、関係者の挨拶などの後、海難救助訓練が行われました。

 サーフレスキュー、鎌倉消防署、神奈川県警、鎌倉警察署などが連携して、サーフボード、AED,へ水上バイクやヘリコプターを動員しての訓練が行われました。

 梅雨の曇天ではありましたが、暑くもなく寒くもない中で、式典から訓練まで滞りなく行われました。


 砂浜のゴミ広いから会場の設営、当日の運営まで取り組んだ関係者のご苦労が報われたと思います。

 また、今年は海の家が営業時間や運営などで近隣住民や安全安心、そして環境に配慮した取り組みを行ってくださるそうで、最終日まで、天候に恵まれ、快適で無事故の海水浴場の運営がなされるよう願っています。

 午後は、市内にある有料老人ホームで行われたサロン音楽会のお手伝いに行きました。

 昔からの仲間たちが集まり、ボランティアでサロンコンサートを行っており、今回が3回目の開催です。

 今日の出演は、クロマチックハーモニカとアルトサックスの演奏で、故郷や見上げてごらん夜の星を、浜辺の歌、ソーラン節などおなじみの曲を演奏しました。
(クロマチックハーモニカとはクロマチック『半音階』を全て出す事が出来る、一音につき一枚のリードが鳴るハーモニカです。)

 近隣の方もお呼びしてのコンサートで演奏が始まると、各お部屋から皆さん集まってくださいました。

 お手伝いといっても私の出る幕はありませんで、居住者の皆さんと一緒に歌ったり聞いたりしてるだけでした。

 演奏が始まるとみなさん大きな声で一緒に歌ってくれました。

 帰りがけ、喜んで声をかけてくださるのが何よりでした。

深沢地区事業推進協議会

2008年06月28日 | Weblog
 今日は、鎌倉市福祉センターを会場に行われた第4回深沢地区事業推進協議会を傍聴しました。
傍聴者は私を入れて二人でした。

 これは鎌倉市の深沢地区にある旧国鉄清算事業団用地など旧国鉄大船工場跡地とその周辺の一帯32haの再開発事業をどのように推進するのかを考える協議会で、メンバーは専門家である大学の名誉教授を会長に深沢地区の各町内会長さんの代表や専門家、観光協会や地元交通機関、地元商店会、地権者の代表に公募市民が加わって構成されています。

 この構想についての民間企業ヒアリングの結果や隣接する藤沢市村岡地区を合わせた全体整備構想案の概要の説明があったあと、各委員から土地利用構成についてのアイデアが紹介され、意見交換が行われました。

 民間企業ヒアリングは、この地区の再開発事業における望ましい公民連携手法についてゼネコンなど大手10社からこの地区のポテンシャルの評価や参入意欲などを把握するために行われたとのことでした。

 各委員からの土地利用構成のアイデアの紹介には、具体的で興味ある内容のものがありました。

 区域内の各ゾーンのありかたを示すものから、回遊性、集客性を考えたもの、100年にわたる安全安心の視点、遠くの眺望までをも考えたもの、LRTなどの交通機関の導入を組み入れたものなどさまざまでした。

 会長である大学名誉教授からは、首都圏におけるこの地区の位置づけ、つまり首都圏から人を向かえる視点や、首都圏に出かけていく人が住むという視点が必要であるという指摘がありました。

 傍聴していて思ったのは、ウェルネスという当初のテーマがそれほど意識されていないのかなということと、将来を見据えたとき、地球温暖化など地球環境の抱える課題に対応するような視点がもっと強調されてしかるべきであるということです。

 協議会終了後、一緒に傍聴していた方と話をしましたら、私と同級生だった友人のお父さんでした。ちょっとびっくりしましたが、お名前はいろんなところで耳にする方でしたので、このような会を熱心に傍聴することには少し納得もしました。

反対討論

2008年06月26日 | Weblog
 6月11日より行われていた鎌倉市議会6月定例会は本日閉会しました。

 最終日の今日は「平成20年度鎌倉市一般会計補正予算」をはじめ諸議案の採決ののち、議員提出の議会議案が審議されました。

 その中に、共産党市議が提案者となって提出された「後期高齢者医療制度の根本的見直しを求めることに関する意見書の提出について」の提案がありました。

 当初は、後期高齢者医療制度の廃止・中止を求める意見書の提案を準備していたようでしたが、出された意見書案は「廃止・中止」ではなく「根本的見直し」を求める意見書に変わっていました。

 「後期高齢者医療制度の骨格を維持しつつ、運用面の課題を克服せよ」という内容ならば、国に対する意見書の提出には、やぶさかではありませんが、提出された意見書案の内容は国会での野党の批判の域を超えるものではありませんでした。

 ならば「廃止」を主張すべきではないのか?

 この意見書に言う「根本的見直し」とは一体何を指しているのか不明です。

 私は、この意見書案について反対討論を行いました。

 提出者の所属する政党、つまり日本共産党は、国会で一貫して後期高齢者医療制度には反対しています。
 その姿勢を鎌倉市議会でも貫くならば、賛成できないまでも、それも一つの主張として納得できるものです。

 だいたい国会やメディアの討論でも、「一貫して反対してきたのは日本共産党だけだ」と豪語していたではありませんか。

 その彼らの主張が鎌倉市議会になると「根本的見直し」という表現に変わっているのはなぜでしょうか。

 多数派工作をする上でのカモフラージュとしか見えません。
 多数派工作自体は、多数決の議会の場では当然のことで、否定はしませんが、「廃止・中止」を「根本的見直し」と言い換えてよしとする姿勢は、主張の根幹をすりかえる欺瞞であり納得できません。

 反対討論では、6月12日に行われた政府・与党連絡会議で合意された長寿医療制度の7項目を柱とするきめ細かな措置を紹介し、必要な制度であることを主張しつつ、「根本的見直し」などといいかえて意見書を提出しようとする提案者の意図が不明であることを主張しました。(相変わらず長い討論でしたが)

 残念ながら、この意見書は賛成多数で採択されましたが、私はこの意見書の問題点を反対討論の中で指摘したつもりです。

 今後は、さらに長寿医療制度の必要性を訴え、また運用面の課題の克服を進めるべく、地方からも声を上げていきたいと思っています。

懇談会を開催しました。

2008年06月25日 | Weblog
 今日は、地元で私の懇談会を開催しました。

 多くの方が会場いっぱいに出席してくれまして、余裕をもって用意していた資料が足りなくなりそうでした。

 中には出張先の名古屋から、用事を早めに切り上げて駆けつけてくださった方もいらっしゃいました。

ありがたいことです。

 明日、最終日を迎える鎌倉市議会6月定例会の途中経過の報告などをお話したあと、質疑応答の時間を持ちました。

 質疑応答では、道路交通法や県の規則の一部改正により、自転車の車道走行が厳格になったことに、道の狭い鎌倉市でどう対応できるのかといったことや、JR大船工場の廃止により現在休止中の引込み線はどうなるのかといった質問などがありました。

 汗をかきながらですが、私なりにできるかぎり詳しくお答えしました。

 みなさん最後まで熱心に聞いてくださり、感謝しきりです。

 帰り際、早くも次の開催を望む方もおられました。
 次回はもう少し広めの会場を用意したいと思っています。


レインコート礼賛

2008年06月24日 | Weblog
 産経新聞や神奈川新聞によると、梅雨の今、百貨店などでレインコートなどの販売が好調だそうです。

 丈の長いレインブーツやエナメル調でひざ下の丈の長めのレインコートなど、機能的でファッショナブルなレイングッズが人気で20~40代女性が買い求めており、売り上げも前年比30%から40%も伸びているとか。

 その背景には「交通の方法に関する教則」の改正で、自転車の傘差し運転が禁止されたことにあるようです。

 傘を差しながら運転すると、バランスを崩しやすくなり、転倒する危険があるだけでなく、道路交通法違反となります。(道交法第71条第6号、神奈川県道路交通法施行細則第11条)

 でも通勤にはどうしても自転車を利用しなければならない事情もありますので、このレインコートの着用が広がることには大賛成です。

 もっともっとレインコートの効用を宣伝してほしいものです。

 子どものころ、雨の日の大人が必ずレインコートを着て、長靴を履いて出かけていたものなのに、最近はめったに見なくなりました。

 着物姿の女性でも雨の日には道行を羽織り、下駄にカバーをかけて歩く姿は、雨の日の作法を教えてくれているようで、とても美しく見えたものでした。

 いつの日からか雨でも晴れの日も同じ服装で、違うのは傘を差しているだけの人が多くなりました。

 これでは雨具は傘だけになってしまいますので、台風など風の強いときに、お猪口になった傘にしがみつくしかありません。

 台風の日のニュースでよくそんな姿をよく見ますが、私は傘にしがみついても「意味ないじゃん」って思っていました。

 そして台風のあと、決まって壊れたビニール傘の残骸が道端に転がっているのを見るとため息がでます。

 私は勤めていたころ、大雨の日など以前からキャンプに使う上下のレインスーツを使っていました。

 大雨や台風のとき、スーツの上にこのレインスーツを着て、長靴で傘をささずに出勤したものです。

 上下に分かれていると着脱が楽ですので満員電車の車内でも大丈夫です。

 ただ手荷物が増えてしまうという難点がありますし、いくら通気性のある素材でできていても、キャンプ用のレインスーツですから、街中で着るときの暑さに閉口することもありました。

 でも備えあれば憂いなし。

 会社に到着しましたら、ほかの社員はみなびしょびしょになった服を乾かすのにてんてこ舞いなのを尻目に、私は乾いた格好で仕事ができました。

雨の交通安全

2008年06月22日 | Weblog
 鎌倉でも、昨日から断続的に大雨に関する気象情報が出されています。

 昼間、バスで外出しましたが、舗装された道路でも轍(わだち)に沿って雨水がたまっています。

 帰りにバス停でバスの到着をまっていましたら、車が通過するたびに大きな水しぶきがあがります。

 ドライバーによっては、徐行して深い水溜りを避けてくれる人もいますが、スピードを下げずに突っ込んで道路の左右に大きく水を跳ね上げる車もあります。

 雨の降るときは交通事故が起こりやすいといわれています。

 路面が滑りやすくなっていることから、同じ速度でブレーキを踏んでも路面が乾いている時に比べて止るまでの距離が長くなってしまうようです。

 ドライバーは早めのブレーキとスピードを落として運転する事を心がけたいものです。

 また雨のときは車を利用する人が増え、またタクシーを利用するなど通行車両の数が増えることから、事故につながりやすくなるようです。

 歩行者の方も傘を差したりすることで、視界が遮られたりして、見ていて危ないときがあります。

 梅雨時にかぎらず、雨が降る時は車も人も普段以上に気をつけたいものです。

時局講演会

2008年06月22日 | Weblog
 今日は鎌倉市内で公明党時局講演会を行いました。

 鎌倉総支部としては今年3回目の開催です。

 今回は、公明党青年局長、労働局長の谷口和史(たにぐちかずふみ)衆議院議員が講演を行いました。

 雨模様にも関わらず会場いっぱいにたくさんの方々が来場してくれました。

 来賓の心のこもったご挨拶の後、講演に入りました。

 谷口議員はロイター通信の記者として活躍していた人です。

 席上、谷口議員は今日会期を終えた第169回通常国会について、ねじれ国会において議論が深まることを期待し、与野党歩み寄りの成果を期待しましたが、民主党をはじめとする野党の政局優先の姿勢で暫定税率、日銀総裁の承認など重要案件の審議が遅れ、国民生活に大きな影響が出てしまったことを強く批判していました。

 とくに終盤、民主党など野党が首相の問責決議を参議院で可決したことを理由に、会期を延長しても審議に応じなかったために、衆議院で全会一致で可決した児童福祉法の改正案が参議院で審議されなかったことに強く憤っていました。

 援助を必要とする子どもたちへの政策がないがしろにされてしまったのです。

 議院運営委員でもある谷口議員は、国会運営における与野党の攻防の只中にいたために、野党の政局優先、対案なしの姿を目の当たりにしてきたといいます。

 一方で、マスコミの報道により世論が大きく左右されること、なるべくセンセーショナルに伝えたいために、批判のための批判に終始する一部マスコミの報道ぶりに、野党が便乗して意図的な世論が形成されることの多い今の情報社会において、われわれ公明党がもっと真実を正確に伝えなければならないことを決意として述べていました。

 講演の後、質疑応答の時間がありました。

 司会役の私は、はたして会場の参加者から質問が出るだろうかと心配しましたが、あにはからんや、多くの質問が出されました。

 2011年から始まるテレビ放送のデジタル化の問題や個人情報保護法の全面施行による過剰反応の問題、雇用問題、長寿医療制度など次々に投げかけられる質問に、谷口議員は丁寧に答えていました。

 個人情報保護の過剰反応の問題については、私も一般質問で取り上げたばかりでしたので、思わず蛇足ながら、やりとりに加わってしまいました。

 まだ数人ほど質問の手が挙がっていましたが、時間超過のため残念ながら打ち切らせていただきましたが、谷口議員は終了後、その方たちを控え室に迎えて、最後まで質問に答えてくれました。

 講演会を終えて、皆さんが会場をでるころには雨も小止みになっていました。
 多くの皆さんが来てくださったことに感謝です。

死生学

2008年06月20日 | Weblog
※今日も長いです。こめんなさい。※

 昨日のニュースで、警察庁のまとめによると、昨年1年間の全国の自殺者は3万3093人で10年連続で3万人を上回り、統計開始以来、過去最悪だった2003年に次ぎ、2番目に多かったことを知りました。

 お年寄りの「孤独」による自殺が多く、働き盛りの「仕事疲れ」の自殺も増えていましたし、また小中学生の自殺者も少なからずおり、高校生は215人もいました。
 男女別では男が2万3478人、女が9615人。男性が多いのもなにかわけがありそうです。

 年間の自殺者数が3万人を超える日本の状況に対処するためちょうど2年前の2006年6月21日に、議員提案による自殺対策基本法が公布され、同年10月28日に施行されました。

 主として内閣府が所管し、自殺総合対策会議が「自殺対策の大綱」を定めるもので、施策の遂行は国と地方公共団体が行うことになっています。

 7つの柱で構成される自殺対策の内容の1点目に自殺防止の調査研究、情報収集があります。

 この自殺防止の調査研究、情報収集で注目されているのが「死生学」だそうです。

 東京大学大学院人文社会系研究科・東京大学文学部宗教学科教授の島薗進氏によると「死生学」が対象とするのは、人間の消滅、死ということで、現代社会が死をタブー視し、死を非日常的なものとしてこれを遠ざけ、そのために死を必要以上に悲惨なものと考え、恐れてきたことに対して、死に対する心構えという観点から改めて生の価値を問い直そうという試みだそうです。

 つまり死を自分の将来にかならず訪れるものとして見据えることにより、現在の自分に何が大切であるのかということを考える営みを提唱するものです。

 「人間は死者を埋葬する唯一の動物」であり、この埋葬儀礼はネアンデルタール人にまでさかのぼるといいます。

 それ以来長い歴史の流れの中で、人類は「死に対する態度=死生観」を養ってきた。

 死生学はこのような死生観を哲学・医学・心理学・民俗学・文化人類学・宗教・芸術などの研究を通して、人間知性に関するあらゆる側面から解き明かし、「死への準備教育」を目的とする極めて学際的な学問で、尊厳死問題や医療告知、緩和医療などを背景に、1970年代に確立された新しい学問分野ということです。

 そういえば映画監督でタレントの北野武氏が、今の社会は生きることしか考えていない、自分は死ぬことを考えて映画を作りたいといってました。

 また漫才の爆笑問題は、NHKの番組で、宗教学者で京都大学教授のカール・ベッカーさんを訪ね『人生を振りかえる夜』というテーマで対談していました。

 ベッカー教授いわく、死に直面すると、多くの日本人が自分の人生を振り返ってみて「この生き方でよかったのか」とか、「いったい自分の人生はなんだったんだろう」と考えるというのです。

 つまり死ぬ瞬間が、同時に自分の人生を考える瞬間であり、自分の人生を意味づけるきっかけともなるというのです。

 ですから「死生学」ではまず「何を思いつつ死にたいのか?」というところから考え始めるというのです。

 ちょうど今日のNHKニュースで、関西学院大学での死生学の講義の取材を報じていました。

 学生に自分の大切なものを何枚もメモに書かせ、自分の死が近づくにつれて、その大切なメモを破かせるという授業でした。

 友人や音楽、兄弟や、母親というメモを破っていくときに、学生の表情は曇り、悩んでいきます。

 最後に破ったメモが「母」でした。

 講義を終えて、学生は今まで当たり前のように思っていた存在や生活に感謝するようになったといいます。

 これはとても大切な授業ですが、一方で大変危険な授業であると思いました。

 宗教的バックボーンのある大学での講義だったからよいのですが、死生学が大切だからといって、宗教や哲学などの下地の確立されていない学生や思春期の子どもたちにむやみに行うと、かえってマイナスの反応が起こりはしないか心配になりました。

 まずは、自分の周りに感謝することを身につけたいものです。

 自分の幸福のみを求め、現実とのギャップに気づいたとき、その原因を周囲に転嫁し、無差別殺人を起こすような事件が連続している今だからこそ、感謝の気持ちを身につけたいと思います。

 死生観はその上で考えるべきものではないかと思うのです。

 よく死生観というと葉隠の「武士道と云ふは死ぬことと見つけたり」を取り上げる人がいますが、これを玉砕精神と曲解した人が多い気がします。

 葉隠で後述している「我人、生くる事が好きなり(私も人である。生きる事が好きである)」を無視した理解はいただけません。

 あれこれ勝手なことを述べてきましたが、かく言う私も「死ぬこととは生きることなり」と達観できる境地にはまだ程遠いといわざるを得ません。

消防の広域化

2008年06月19日 | Weblog
 今日の鎌倉市議会総務常任委員会で、消防の広域化について報告がありました。

 本年1月に「神奈川県市町村の消防の広域化に関する懇話会」から、平成24年度末までに各市町村の消防本部を再編し、県内を8つのブロックに分けて、消防活動をおこなうものとするべきであるとの答申があったとのことです。

 ところがわが鎌倉市は、三浦半島地区(横須賀市、三浦市、逗子市、葉山町)と湘南地区(平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町、大磯町、二宮町)の両方に入っています。

 両方に入っているということは、どちらにも入っていないともいえます。地理的にも鎌倉は三浦半島の西の付け根ともいえますし、また鎌倉は湘南に入るといえば誰も異論はないと思いますから。

 産業・経済・生活面では、鎌倉は三浦半島や湘南よりも、むしろ横浜・東京方面への交流が多いような気もします。

 いったい鎌倉はどちらの地区にはいるのでしょうか。答申でも判断できないことをこの先どう判断していくのか、心配になります。

 だいたい、なぜ今、「消防の広域再編」なのでしょうか?

 その背景には、国と自治体の財政負担の軽減が考えられます。

 これまではいわゆる「自治体(市町村)消防の原則」があり、消防組織法で市町村の消防は市町村長が管理し、その費用は当該市町村が負担することが規定されていました。

 1970年代に入って、財政力が弱く単独では消防本部や常備消防を持てない町村が隣接の市町村に消防事務を委託したり、複数の市町村が共同して消防事務を処理する「一部事務組合」方式での消防の常備化が進められました。

 しかし平成に入って国の財政悪化により地方交付税の減額や、消防のおもな財源である国庫支出金を削減しなければならない事態になっています。

 さらに消防無線のデジタル化への移行も迫られていますので、地方でも財政事情の悪化によりこのままでは全国900消防本部の消防事務が立ち行かなくなる恐れがあります。

 そこで消防組織を人口30万人規模に再編して、国の補助対象を全国300程度に絞る必要が出てきたのです。(市町村の平成の大合併と同じ流れですね)

 神奈川県ではそれを8ブロックにしようというのが今回の答申です。

 ただし三浦半島地区は鎌倉市を含めて74万人、湘南地区は鎌倉市を含めて118万人という大きな規模になっています。

 30万人規模にするというのだったら、神奈川県は無理に大きなブロックにしなくてもいいのにと思ってしまいますが・・・

 たとえば鎌倉市(17万3000人)・逗子市(5万8000人)・葉山町(3万2000人)に横浜市栄区(12万4000人)を加えた38万人規模でもいいじゃないかと思ってしまいます。(まるで小選挙区ですが・・・)

 全国の消防本部を800から300にすることで、国の財政的効率はよくなるかもしれませんが、鎌倉市にとって湘南地区も三浦半島地区も、いくら隣接しているとはいえ地理・人口・産業等がちがうなかでのメリットはなかなか見出せません。

 また国の目指すこの消防の広域化は、「消防力の中央統制」を目指しているようにも思えます。

 つい先日も「宮城・岩手内陸地震」が発生し広域の各消防組織により編成された「緊急消防援助隊」が今このときも現地で援助活動を行っています。(ありがたいことです。)

 この「緊急消防援助隊」は全国各地で発生する豪雨災害や地震災害に対処するため、市町村消防の原則を守りながら、それぞれが保有する消防力を有機的に連携・活用することを目的に、消防組織法を改正して誕生したものですが、その背景には消防力の中央統制がしやすくしようとする試みもあるのではないかと思うのです。

 各市町村が保有する消防力を、大規模災害時等に際して有機的に連携すること、それぞれが保有する消防力の向上を図ることは大切ですので、消防力の中央統制はある意味必要であると思います。

 ましてや広域化されなければ立ち行かない市町村は、積極的に広域化を図ることで消防力の増強を図るべきであると思いますので、私は消防の広域化に頭から反対ではありません。

 しかし消防組織の規模を拡大することのみがその方策ではないのではないか、とも考えてしまいます。

 市町村消防の原則は、基本的に維持したうえで、広域応援体制を確立したり、市町村消防を補完する制度の整備はできないのでしょうか。

 その上で国・都道府県の役割分担の明確化を図ればより現実的であると思います。

 なにより消防の広域化を行うのならば、住民サービスが現状より低下しないこと、そして何よりも命をかけて働く消防職員の削減や労働条件の悪化を伴わないことが求められます。

 なんか、総務省消防庁の批判めいてきました。
 近々総務大臣政務官を務めていた公明党の衆議院議員に会いますので、そのとき聞いてみようと思います。

 もしかしたら、私はとんでもないことをこのブログに書いているかもしれませんから。


拠点整備

2008年06月18日 | Weblog
 鎌倉市議会の各常任委員会、3日目の今日は建設常任委員会でした。
 私は拠点整備部の審査を傍聴しました。

 拠点整備部は、鎌倉の拠点となる鎌倉駅周辺、大船駅周辺と深沢地域の3地域の整備を一体的に行う組織です。

 委員会日程の冒頭、「大船駅西口整備事業」について映像を使いながらの説明がありました。

 映し出されたのは朝の大船駅西口の混雑状況を俯瞰する位置からの映像で、その混雑振りを再認識しました。

 私も朝の大船駅西口駅頭でビラの配布をするとき、いつも人の流れがとぎれないすさまじい雑踏に圧倒されていますが、今日の映像を見て、途切れない理由がよくわかりました。
 川と線路に挟まれている限られた空間に3方向からの通勤通学客やバスが集中しているのです。

 大船駅西口整備事業については、その必要性を痛感している利用者は多いと思いますので、この事業をもっと広く周知し、さらに理解を求めていくべきであると思いました。

 また今日の委員会では「深沢地域国鉄跡地周辺総合整備事業」の報告もありました。

 「深沢地域国鉄跡地周辺総合整備事業」とは鎌倉市西部の「深沢」を鎌倉の第3の拠点としてのまちづくりを先導的に行う事業で、旧国鉄大船工場跡の市有地、JR大船車両センター跡地、JR社宅、そして西側地区にある民有地のあわせておよそ32haを整備ゾーンとするものです。

 狭くで山の多い鎌倉では、まとまった土地でこれだけの規模をもつ地域の再開発はないだけに、その整備のあり方が注目されています。

 この深沢地区に隣接する藤沢市の村岡地区では東海道線の新駅構想が再浮上しています。

 これは大船駅と藤沢駅の中間に新しい駅を誘致しようという構想で、もし新駅ができるとこの深沢からも最寄りの駅となり、整備のあり方に大きく影響します。

 実は私の家もこの整備区域内の西側地区にありますので、同じ町内の皆さんとともにそのゆくえを注意深く見守っています。

 ちょうど1年前に西側地区権利者に対して事業範囲の確認を行うアンケート調査が行われました。

 権利者のうち、計画づくりの範囲を自分たちの住む西側地区も含めてよいとした人は、条件付きの回答も含めて85.7%いました。

 ほかに7.8%の人は整備計画には異議はないものの、自己負担が心配だったり、西側地区を含めてほしくない、または判断を留保された方などがおられました。
 そして未回答の方は6.5%でした。

 状況からすると西側地区の人々は概ね了承の方向であることがわかりましたが、諸手をあげて賛成というよりは、深沢のまちづくりのためになるならばやむをえないという考えであるようです。

 また賛成できないという人もいないわけではないということも忘れてはなりません。

 区域外の人々はこの整備構想にさまざまな夢を描いています。

 ここに大規模なスポーツ施設を整備するべきであるとか、大学を誘致すべきであるとか、市役所をここに移転させようとか、なかには史跡の多い鎌倉地区と違うのだからここには高層ビルをどんどん建てればよいなどと言う人もいます。

 裏を返せば、鎌倉市は狭くて大規模な施設整備がしにくい土地柄であるだけに、なかなか実現できなかった「こんな施設があればいいのに」という市民の願いが、この整備事業をきっかけに一挙に沸き起こったということでしょう。

 またこの場所は公的病院のない鎌倉市の懸案である保健医療福祉センター建設にふさわしいという話もあります。(これは私も賛成ですが・・・)

 ただ私も含め、ここに住んでいる人にとって、夢を描くことより区画整理によって今自分の住む家はどうなるのか、都市計画決定がまだなされていない中では、不安が先行していることは確かです。

 住んでいる自分が直接かかわれない中で、計画が進められ、その計画により自分の去就が決められてしまうような、なんともいえない不安があります。

 ましてや高齢の住民が多いのですから、整備事業に賛成ではあっても、決めるなら早く決めてほしいというのが本音であると思います。(高齢の私の母は、決まるころにはもう自分はいないかもしれないなどと言っています。)

 私が心配しているのは、ある再開発が決まると、どこからともなくデベロッパーがやってきて土地を買い占めたり、地上げを行うという話を耳にすることです。
 この事業は、心無い投資家などの食いものにされてはなりません。

 「深沢地域国鉄跡地周辺総合整備事業」は住民と行政とが協働して作り上げるまちづくりの模範の事業でなければならないと思います。