鎌倉市議会12月定例会は16日、最終日を迎え、平成22年度鎌倉市一般会計補正予算ほか市長提出の22議案を可決、議会提出の意見書2議案と請願・陳情8件を可決するなどして閉会しました。
初日の1日から行われた一般質問では18人、関連質問が2人あり、3日には竜巻被害発生で延会するなど、全員が質問を終えるまでに時間がかかり、その後の予定が大きくずれ込みましたが、委員会の開催日程をずらすなどして対応し、なんとか最終日を迎えました。
最終日の冒頭、松尾市長が回答することになっていたごみ問題の一般質問の関連質問2件について市長の報告があり、質問者からの質疑が行われましたが、その中で市長の報告内容についてさらなる回答が求められ、後日報告することになりました。
議案の採決では、市長提出議案の平成22年度鎌倉市一般会計補正予算、市民活動センター、勤労福祉会館、腰越漁港、老人福祉センター・老人いこいの家、知的障害者援護施設鎌倉はまなみの指定管理者の指定に加え、来年度から新たに市営住宅の指定管理者を指定する議案など22議案が可決されました。
しかし鎌倉文学館の指定管理者の指定についての議案は、文教常任委員会で審査資料の要求があったため、これに関連する陳情3件とともに継続審査とし、閉会中に審査されることとなりました。
議会提出の議案4件のうち、少人数学級の早期実現を求めることに関する意見書と子ども手当の財源の地方負担廃止を求めることに関する意見書の提出の2件が可決されました。
今定例会は請願・陳情が23件と非常に多く出されました。
そのうち最終日には「高齢者割引乗車証等購入助成事業」存続についての請願書や梶原子ども会館の建物の有効活用についての陳情、名越クリーンセンターの延命化についての陳情など10件が採択されました。
一方、後期高齢者医療制度の廃止に関する意見書の提出を求める陳情や沖縄県において辺野古米軍新基地建設の断念を求める意見書提出についての陳情の2件は不採択、鎌倉文学館指定管理者の選定をやり直すことを求めることについての陳情など11件が継続審査となり、また医業税制の存続と診療報酬への消費税のゼロ税率適用とする意見書提出を求めることについての陳情など2件は、市の事務に属さない陳情であるため議員全員への配布にとどまりました。
今回の定例会では、ごみ問題をどう議論するかが注目されました。
一般質問でもごみ問題については6人が質問しましたが、うち3人から定例会前に松尾市長から示された生ごみのバイオガス化施設見直しの代替案についての質問が行われ、さらに2人が関連質問を行いました。
松尾市長はバイオガス化施設の整備を行わず、事業者から排出される生ごみを分別させて処理させたり、家庭用の生ごみ処理機の普及を促進させたり、ごみ収集の有料化を実施するなどして平成27年度までに1万1500tのごみを削減するとしています。
市内2か所あるごみ焼却施設のうち、年間1万tを処理している今泉クリーンセンターはバイオガス化施設建設に合わせ2年間延長していた使用期限の平成27年度までには停止しなければならず、一方の名越クリーンセンターではバイオガス化施設建設に合わせ、延命化工事を行った上で、現在の年間3万tを下回る焼却量での処理を行うという計画がありますが、これらはいずれもバイオガス化施設建設が前提となっていました。
市長の代替案は実施するとしても、長期的取り組みの中で達成するべき内容で、平成27年度までにバイオガス化施設を建設しないで1万t以上のごみ焼却量の減量を達成するという時間の制約をクリアするだけの確実性が見られません。
その時間の制約を市民・事業者のみに課し、行政は掛け声だけですますことになりはしないか。
その掛け声も、家庭用生ごみ処理機の助成金を増やす、事業者から集めた生ごみの中継施設を造らなければならないなど、やりようによってはバイオガス化施設建設に係る費用に近い金額を費やして行うという可能性があります。
「今泉の停止、名越の一本化は山崎のバイオガス化施設整備に密接に関連している。その三位一体のうち一つを見直すことで、残りの2つが成り立たなくなるのではないか」
これに対する市長の答弁に確実性が見られないようでは議会としてGoサインが出せません。
まだまだ議論は続けなければなりません。
次は来年度予算案を審議する2月定例会で議論することになります。