鎌倉市議会議員 納所てるつぐブログ

日々の議員活動でのできごとや思ったことをつづっています。

緊急経済対策

2008年12月25日 | Weblog

 今年の年の瀬は、「不安」が支配しているような雰囲気があります。

 派遣労働者や契約社員の契約打ち切りなどのニュースが繰り返し報道されると、本当にやるせない思いがします。

 各自治体も雇用支援や住居確保に乗り出しています。

 18日に閉会した鎌倉市議会でも補正予算が可決され、「鎌倉市緊急経済対策」が開始されます。茅ヶ崎市議会では会期を延長して緊急経済対策について取り組んでいます。

 鎌倉市の緊急経済対策は総額1億400万円の補正予算を計上して、「雇用促進支援対策」「中小企業等支援対策」「公共事業による経済活性化対策」が盛り込まれています。

 「雇用促進支援対策」では鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町の3市1町合同の就職面接会の開催や障害者雇用報奨金の拡大などが図られます。

 「中小企業等支援対策」では中小企業融資に係る信用保証料補助の拡充に700万円の事業費が充てられるほか、公共施設における備品等購入の前倒し発注や公用車購入の前倒し発注、前払い金対象工事の拡大など合計3100万円を計上しています。

 また「公共事業による経済活性化対策」では修繕・工事等の前倒し発注を公共施設や道路整備などに約7000万円ほど計上しています。

 これら20項目にわたる鎌倉市緊急経済対策が、なんとか効果が挙がるよう祈る思いです。

 日本の中小企業は全国に420万社あるそうです。企業数の99%、従業員数の7割が中小企業で働いています。

 その中小企業を支援することは経済対策の要です。

 政府においても、中小企業の資金繰りを支援するため、緊急保証やセーフティネット貸付による金融支援を過去最大の30兆円に拡大することとなりました。

 信用保証協会が100%保証する「緊急保証制度」が10月31日からスタートしています。

 対象業種は、公明党の強い主張で従来の185業種から、現在618業種にまで大幅に拡充し、電気メッキ業、料理品小売業、パッケージソフトウェア業、旅行業、広告代理業などが対象に追加されています。

 これにより全国の中小企業の3分の2をカバーすることになったそうです。

 公明党は、さらに対象業種拡大を働きかけています。

 こうした緊急保証制度に加えて、黒字倒産を防ぐため、11月21日から「予約保証制度」がスタートしています。これは、中小・小規模企業が将来起こり得る資金ニーズに備え、あらかじめ保証枠を確保するものです。

 またセーフティネット貸付も、業種を問わず利用可能で、中小企業の方は4億8000万円、小規模企業の方は4800万円まで利用できます。

 10月の1カ月の貸付実績は金額ベースで対前年比で2.5倍以上に増えているそうです。

 緊急保証制度は、「中小企業の目線から誠意ある対応」を急ぐことが重要であると考える公明党が、強く推進して実現させたものです。

 民主党は、2次補正予算の新経済対策が成立しないと中小企業は倒産だ、大変だと不安をあおっていますが、すでに成立した1次補正予算(緊急経済対策)で9兆円分の資金繰り支援の手当をしています。これは、年末年始の資金繰りに十分対応できる規模となるそうです。

 次の大きなヤマは日程を前倒しして明年1月5日から始まる通常国会での第2次補正予算と来年度本予算の審議です。

 報道によると民主党は参議院での多数を利用して、国会での攻防戦をあれこれ練っているようですが、政局よりも国民生活防衛の経済対策をしっかりと打ち立てることが重要なのは言うまでもありません。

 大企業が大幅な下方修正の経営方針を打ち立てる中、その影響を直接に受ける中小企業をしっかりと守るため、政府も与党も、年明けの国会においては経済対策実現のため毅然として取り組むべきであると思います。


雇用の問題について

2008年12月15日 | Weblog

 バブル崩壊後、非正規雇用の割合が一気に増え、従業員500人以上の大企業では、8割近くが派遣を利用していました。
そして若者の2人に1人が非正規雇用で、派遣は150万人規模とまでいわれていました。

その彼らが景気の急激な悪化で、「派遣切り」といわれる派遣労働者の契約打ち切りに遭っているというニュースが毎日報道されています。

 今日発表された12月の日銀の短観では、大企業の製造業の景気判断が前回9月の-3から一気に-24にまで急激に落ち込んでいますし、人員過剰だとする企業も半数を超えていました。

 こういう状況では、非正規雇用者という一番弱い立場の人間を直撃します。

 厳しい状況に追い込まれている彼らに対しては、支援を望む一方で、彼らへの批判めいた話も聞こえてきます。

 なぜ就職活動で正社員を目指さなかったのか。
 派遣やフリーター生活をいつまで続けられるのか考えなかったのか。
 などと・・・

 それは一面的な結果論で、さまざまな事情で正社員を目指して果たせなかった若者もいるだろうし、そのような批判は、今現在苦しんでいる若者への支援になりません。

 彼らにしてみれば、
 バイト、派遣で懸命に仕事していても、それは正社員の中途採用の場では一切評価してくれないため役に立たない、つまりキャリアとして認定してくれないので、常に白紙の状態で就職活動をするしかない、
 また急に派遣を打ち切られ、生活費に事欠く状況では、就職活動しようにも、交通費を計算しながら動くしかない、
 ハローワークや就職支援策、そして生活保護などの社会のセーフティーネットがあったとしてもどう利用していいかわからないし、第一それらの情報に接する機会がない、などの声が、この私自身にも届きます。

 これらセーフティネットについてはもっと有機的につなげた上で、必要としている人に必要な情報が届くようにすることが大事なのではないかと思います。
 悪化する雇用や経済に対する対策を打ち出したら、「知らせる」ことも政治の役目ですから。

 麻生首相は、先週発表した「解雇された人の住宅の確保」などの雇用対策を盛り込んだ総額23兆円の緊急対策について、「対策に盛り込まれたものは、いずれも緊急性が高く、外国為替資金特別会計や、財政投融資特別会計の準備金などの中から充てたい」と財源についても示しました。
 これらについて丁寧に、それもきちんと「知らせる」必要があると思います。

 ところが民主党、社民党、国民新党の野党3党は、「首相は雇用対策をやると言いながら、具体的な政策はいっこうに出してこない。」と、契約期間が1年未満の非正規雇用労働者も失業手当を受け取れるよう制度を改めることなどを盛り込んだ雇用対策の法案を、野党が多数を占める参議院に提出しました。

 政府が財源を示しての緊急経済対策については論及せずに、「具体的な政策はいっこうに出してこない。」とする姿勢はいかがなものか。

 そして与党側が反対しても明日16日に審議に入り、18日に参議院厚生労働委員会で、翌19日に参議院本会議で、採決したいとしています。

 審議日程を無視した雇用対策の法案を無理やり提出する野党の姿勢はどうなんだろうと思います。

 彼らの法案が審議ができなければ国民を無視した政治姿勢だというつもりなのでしょうか。
 これは雇用対策に名を借りた政府与党攻撃のパフォーマンスではないのか、
 なんとか政局に持ち込もうとする意図が見え見えでもやらずにはいられないのかと思わずにはいられません。

 今こそ話し合い、知恵を出し合い、対策を実行に移すときであると誰もが思うのに、わざと賛成できない法案を突きつけることは、本当に国民生活を考えることになるのでしょうか。
 「小沢流」の政治手法にはいつもいつも憤りを感じます。

作文コンクール

2008年12月08日 | Weblog
 土曜日に、第2回鎌倉世界遺産登録推進に向けての中学生作文コンクールの表彰式に出席しました。
 鎌倉市青少年指導員連絡協議会主催のこの作文コンクールは、今回で2回目で、市内の国公私立中学校に在籍する中学生323名もの応募があり、最優秀賞1名、優秀賞4名、佳作7名が選ばれました。

 席上、いくつかの作品が紹介されました。
 世界遺産登録についての私の提言がテーマでした。
 どの作品も、鎌倉の世界遺産登録への自分の考えがしっかり述べられていました。

 とくに最優秀作品は、世界遺産とは何か、登録されるとはどういうことか、その準備に必要なこと、自分はどう思うのかという内容がしっかりと述べられており、中学2年生にしてこうしたしっかりした文章が書けることに感服しました。

 自分が中学生の頃、こんな文章は書けませんでした。

 最近、部屋の掃除をしていたとき、中学校の卒業作文が出てきたのですが、自分の文章を読み返してみると、あまりに稚拙で独りよがりの文章のため、すぐに閉じてしまいました。

 入賞者の作文は、テーマをしっかりととらえ、テーマに則して調べたこと、自分の目で見たことや体験したこと、それに対する自分の感想、そして自分の考えがきちんと述べられ、提言となっていました。

 文章を書くときの基本がしっかりしているということは、ものの考え方もしっかりしているということにつながると思います。

 いい歳の私も、彼らを見習ってしっかりしなくてはと思わずにはいられませんでした。

12月定例会

2008年12月03日 | Weblog

 今日から鎌倉市議会12月定例会が始まりました。

会期は12月18日までと決まり、まず一般質問が行われました。
今回は14名の議員がさまざまな分野について質問します。

私は2番手ですので、朝から緊張して臨みました。
10時から始まった1番手の議員の質問では、何度か中断がありましたので、私が質問に立ったのは午後4時近くになりました。

今回の私の質問は「青少年育成について」をテーマに、これからの青少年育成のあり方について質問しました。

市のレベルですと、どうしても小中学生の義務教育に力が入り、卒業後の年齢層の青少年については県レベルの施策の対象となります。

それでも青少年会館は市の施設に移管されていますから、市としても実施計画などの施策でも力を入れるべきであるとの考えから質問しました。

青少年問題というと、どうしても非行防止などの対策になるのが今までのあり方でしたが、これからは「健全育成」から「市民育成」へと視点を変えるべきであるとの主張も訴えました。

私自身、議員になる前に仕事とは別に、鎌倉市、逗子市、葉山町の高校生と触れ合ったりして一緒に活動したことがあり、ずいぶんと自治体によって高校生の気質が違うことがわかりました。
そしてその気質が地その域の風土を形成していることもわかりました。

ならばこそ、地元自治体である鎌倉市が明確な青少年育成の視点を持つべきであると思います。

今、鎌倉市では「青少年健全育成プラン」の策定を目指していますが、そこに「市民育成」の視点をしっかり持つべきであると考えています。

そんな内容で質問したのですが、思ったより時間がかかり70分の質問時間となりました。

市長、教育長をはじめ、各部長さんもとても丁寧な答弁がありましたので、思わず予定になかった話を織り交ぜたりしましたので、長くなってしまったようです。

教育や青少年の話になると思わず深みにはまる傾向があるようです。
そんな私の一般質問でした。

次の議員の質問では、思わぬ事務処理上の問題点が明らかにされ、またもや中断が続き、結局つづきは明日に持ち越しとなりました。

遺跡発掘調査現場の視察

2008年12月02日 | Weblog

 文化財課の案内で、文教常任委員会として鎌倉、大町の遺跡発掘現場に行ってまいりました。
 ここは鎌倉幕府初代執権の北条時政邸跡ともいわれる場所で、所有者が変わり開発の動きが出てきたため、地元自治会をはじめ、多くの市民から調査の要望が寄せられているところです。

 昭和16年頃には、この場所から、当地を整備中に土中より青磁の大皿2枚と深皿1枚が発掘され、現在東京国立博物館に保管されています。
 北条時政の「名越邸跡」はこの場所ではないかという期待から、文化庁の指摘もあり、現所有者の許可のもと、発掘が行われていたものです。

きょうはその現場の視察です。
山茶花がきれいに咲いていた紅葉の山の麓に行ってきました。

 平場の発掘現場を見ると、掘立柱の柱穴や柱の礎石などが規則正しく並んでいました。
 北を山懐、南に鎌倉の町を眺望する場所で、現在の発掘層は14世紀始めのころ、つまり鎌倉幕府末期から室町時代にかけての建物跡と考えられるそうです。

 7尺ごとに規則正しく並ぶ礎石があることから、それなりの格式をもった建物であったと推測されるそうです。
 中には玉石を敷き詰めた面もありました。
そこからは、愛知県の常滑焼のつぼも無傷のまま出土し、実際に見せてもらいました。
 建物の地鎮の印ではないかと考えられるそうです。

 さらに裏山を登ると、そこには鎌倉独特のやぐら(横穴式の墳墓)があり、今日はそこも案内してもらいました。

 登ると、名前だけは知っていた「唐糸やぐら」がありました。
 ちょうど釈迦堂切通し近くで、築造年代は鎌倉時代中期だそうです。
 やぐらの扉をつけた痕跡が顕著に見られるため木曾義仲の家臣の娘・唐糸が刺客の密命を受けていたことが頼朝に発覚し、幽閉された場所という室町時代のお伽草子「唐糸草子」の牢屋の伝説を生み出したそうです。

 唐糸やぐらは、奥壁に石仏がある大きなやぐらと、その右に『唐糸草子』に登場するという土牢やぐらの二つからなっていました。
 やぐらの前には梵字が刻まれた2基の五輪塔が建ち、やぐら奥壁には光背を持つ石仏像がありました。地蔵菩薩と思われるそうです。
 その地蔵菩薩は岩壁を浮き彫りにして作られた石仏、磨崖仏でした。

 釈迦堂切通し直上には日月(じつげつ)やぐらがありました。
 鎌倉時代末期のものだそうで、日と月をかたどったように見える納骨穴を内部の壁に持つやぐらでした。

 貴重なやぐら群と発掘現場を見学できました。とてもすばらしい遺跡で、保存と開発のあり方について考えさせられました。

 明日からは鎌倉市議会12月定例会が始まります。私は2番目に一般質問を行う予定です。

「地域猫」

2008年12月01日 | Weblog
 日曜日に猫の保護や里親探し、不妊去勢手術を行っているNPO法人の催す会に参加しました。

 今年1年の活動報告やバザー、そして捨猫防止会の代表の方や横浜市職員で「地域猫」を発案した黒澤泰氏の講演を聞きました。

 NPO法人として今年の特筆すべき活動は大船駅の線路際に住み着いていた20頭もの猫を保護し、不妊去勢手術を施し、里親を探したり、また「地域猫」として駅前商店の協力を得たりしたというものでした。
 写真展示とともに詳しい経緯と会計報告まで説明があり、よくわかりました。

 また神奈川捨猫防止会の代表の方のお話は、いわゆる猫好きを押し付けるものでなく、また猫を人間とは違う「動物」として扱うこと、猫嫌いの人と共存できる活動のあり方など、大変に示唆に富んだお話でした。

 また黒澤氏の話では「地域猫」のきちんとした定義を教わりました。

 10年ほど前に、黒澤氏の活躍により横浜市磯子区で定義づけられた「地域猫」ですが、私自身その意味するところの把握が不十分でした。

 いわゆる餌付けをした野良猫ではなく、餌やりを行い、トイレのしつけをし、さらに不妊去勢手術を施した猫で地域の人々にも理解を得られた猫を「地域猫」というのだそうです。

 マスコミなどで取り上げられたのはよいのですが、「地域猫」という名前が、自分勝手な餌やりを正当化するために使われたりすることもあり、かえって誤解や迷惑を蒙っているとのことでした。

 「地域猫」は不妊去勢手術を施すことで、猫の数が増えず、行動範囲が狭まり、フンやエサの管理ができれば3年後には必ず成果が表れるとのことでした。

 もう一つ大きな効果に、猫対策を話し合うことで地域のコミュニケーションが生まれることにあるそうです。

 これは立派なまちづくりに通じると思います。

 神奈川捨猫防止会の代表のお話でびっくりしたのは、ある家で、1匹のメス猫を保護して、そのまま買っていたら実は妊娠しており3匹の子猫を生み、さらにそのまま買っていたら親子それぞれの猫が次々お産をし3年目には60匹以上、数え切れないほどに増えたという川崎市内での実例を紹介されたことです。
 マンションの室内は猫だらけ、指摘されて、結局オスメスあわせて47匹に不妊去勢手術を施したそうです。

 飼い主は、一度お産をしたのでもう産まないと思っていたそうです。
でもその方は処分や捨猫にすることなく、余裕をもって飼っていたというのですから、たいしたものですが・・・
 偶発的な妊娠は悲しい結果を招きます。

 猫を我が子のように猫かわいがりするのではなく、動物として扱うことの大切さを教わりました。
 エサも1日1回にすべきだそうです。人間と同じように1日3回食べて、まるまると太ったメタボ猫は異常な姿だそうです。
 動物なんだからアバラ骨が浮き出ているくらいのほうが自然だとか。だから「地域猫」の餌やりは1日1回でいいのだそうです。

 先月は、独自に捨猫の保護や里親探しをしている人、またペットショップの経営者で、正しいペットの飼い方の普及に取り組んでいる人の話も伺いました。
 今回は、NPO法人として活動している方々の話を聞くことができ、大変勉強になりました。