鎌倉市議会議員 納所てるつぐブログ

日々の議員活動でのできごとや思ったことをつづっています。

耐震改修促進法改正案が成立しました。

2005年10月28日 | Weblog
今日、参院本会議で建築物の耐震改修を強力に進めるための耐震改修促進法改正案が可決され成立しました。
 同改正案では、国が建築物の耐震診断・改修に関する目標設定や技術上の指針などを盛り込んだ基本方針を策定します。
これをもとに、都道府県が耐震診断・改修の具体的な目標や、地域の実情に応じた施策内容などを示した耐震改修促進計画を作成するとしています。

 また、建築物に対する指導・助言を強化し、改修の指示に従わない特定建築物(多くの人が利用する建物)を公表するほか、地震で倒壊した場合に道路をふさぎ、住民の避難を妨げる可能性のある住宅などに対し、市町村などが指導・助言を行う。市町村などが行う指示の対象に、学校や老人ホームを追加倒壊の危険性が高い特定建築物は、建築基準法により改修を命令することなどを盛り込んでいます。

 この法案の審議で公明党は、学校など特定建築物の耐震化率の目標を国の基本方針に明記するよう強く求めるとともに、目標達成に向けた耐震化の進ちょく状況を定期的に見直す必要性を指摘しました。
 国土交通大臣からは、建築物の倒壊が「被害拡大の要因になる」との認識が示され、「建築物の耐震化を、政府を挙げて強力に推進する」との答弁がありました。

私は9月定例会で住宅の耐震化推進のあり方について質問しました。

阪神・淡路大震災では死者の8割強が「建物倒壊による圧死」だったという事実は、まだ記憶に新しいものです。とくに昭和56年以前に旧耐震基準により建築された住宅の64%が大きな被害を受けており、昭和56年以前の住宅の耐震化が非常に重要です。
国土交通省の推計によると、わが国の住宅については4軒に1軒の割合で住宅の耐震性が不十分であるとされています。

鎌倉市においては、現在、昭和56年以前に建築された家屋が地震に対して、安全かどうかを判断するため、「わが家の耐震診断」の無料相談窓口を毎月、1~2回、開設しています。
この「耐震診断窓口相談」を受けた人の中で、希望者は専門家による現地耐震診断を受けることができ、この診断を行う場合、耐震診断費用40,000円のうち、一棟につき35,000円ほど市が費用の一部を補助しています。自己負担額は5,000円ですみますので、市民のニーズにあったよい制度です。
現地耐震診断の実施データをみますと、平成7年度から始まったこの現地診断事業は、開始以来のべ1,000件以上の相談を受け、そのうち現地耐震診断を実施した総件数が約800件になってます。
 鎌倉市の実施している現地耐震診断費用の助成は、大変いい制度ですが、限られた予算の中でどこまで実施できるのか心配になります。
一方で民間の任意団体である日本木造住宅耐震補強事業者協同組合、いわゆる「木耐協」が無料で住宅耐震診断を行っており、市民にも大変好評です。

心配なのは、その診断結果です。
市の耐震相談件数は、平成10年度以降は年間31件から87件の間で推移しております。
市の現地耐震診断をうけた住宅の判定結果で平成13年度から現在までのデータを見てみますと、A判定、つまり安全と思われる住宅は全診断件数809件のうち3件だけでした。実は約半数の住宅がD判定の「倒壊の危険があります、ぜひ専門家と補強について相談してください」とされています。

ぜひ相談だけでも多くの家で受けてもらいたいものですが、耐震診断、耐震改修は鎌倉市だけで行うには大変な事業です。

昭和56年以前の住宅は改修するよりも建て替えたほうがいいという考え方もあります。
それはそのとおりで築25年を経過した住宅を改修した場合、当面は耐震性を20年間維持することが目標となりますから耐震改修というのはあくまで「緊急措置」であることも忘れてはならないと思います。

でも現実問題、家をそう簡単に建て替えられるものでもありません。
そこで、私は一般質問で国の耐震改修のための補助金等を利用して一般住宅の耐震診断、耐震改修を進めるように訴えました。

ですから今日成立した改正耐震改修促進法はとても重要なのです。
これにより、国、県が住宅の耐震改修に積極的に取り組んでくれれば、鎌倉市のいままでの苦労が報われると思います。

年明けの通常国会で審議される18年度一般会計予算での耐震改修に関する国の取り組みを見守りたいと思います。

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