絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2024年6月12日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2024-06-19 17:08:37 | 絵本わくわく塾

本日は、高科正信先生の今期最後の授業です。

はじめにNHKの「日曜美術館」でイラストレーターの宇野亜喜良さんの特集が放送されていたので、その話になりました。

そのことは、6月8日の文章たっぷりクラスでもお話しされていましたので、そちらのブログをご覧ください。

 

前回の授業で、「えっ?そんなのって、あり?」 という話を書いてくる課題が出ていました。

難しかったのか、提出された方が少なかったです。

そこで『そんなことって、ある?』 作 奥田継夫  絵 西村繁男 (サンリード)1981年

を紹介してくださいました。

お話が面白くて「そんなことって、あり?」って、突っ込みたくなる絵本でした。

細かい描写と主人公以外のシーンに面白い発見がたくさんあります。

 

では、本日のテーマ「ナンセンスの手法」のお話です。

今までの授業で「ファンタジーの手法」「リアリズムの手法」のテーマでお話をしました。

絵本の中には「ナンセンス絵本」とうい分野があります。

ナンセンス絵本の作家の中では、長新太さんが有名ですね。

 

「ナンセンス」は、センスがないのではなく、常識の殻をやぶることです。

 

・『ぞうのボタン』うえののりこ  冨山房  1973年

 文字のない絵本。当時の日本では、このユーモアが理解出来なくて、出版されなかったそうです。

 『ぞうのボタン』はアメリカで出版され、日本に逆輸入された絵本だったそうです。

上野紀子さんは、この後『ねずみくんのチョッキ』が講談社から出版され、大ヒットとなります。

 

その他にもナンセンス絵本を紹介していただきました。

 

・『さんぽにいったバナナ』    すずきけんじ  福音館書店 こどものとも年少版  2023年1月

・『海は広いね、おじいちゃん』  五味太郎    絵本館    1979年

・『ムニャムニャゆきのバス』   長新太     ほるぷ出版  1991年

 

長新太さんの絵本評論のなかで、オススメの本です。

・『長新太の絵本の不思議な世界』  村瀬学   晃洋書房  2010年

 

・『絵本の子どもたち 14人の絵本作家の世界』 寺村摩耶子  水声社  2010年 の長新太さんの評論もオススメですので読んでみてください。

 

ナンセンスの絵本を書くには、こことここではないところを行ったり来たりすること。

やわらかい頭を持たないと、考えるのは難しいです、

やわらかい頭をつくるのには、いろんな人の話を聞きに行く、薦められた本を読む。

自分にないものを取り入れるセンスを身につける。そのためには、感受性のアンテナを張っていると良い。

いろんなものに興味を持ち、インプットする柔軟さを、普段から持っていたいですね。

高科先生は絵本わくわくコース以外に、文章たっぷりクラスの講師でもあります。

文章を丁寧に基本から学ぶクラスです。

絵本や児童文学以外に、小説やエッセイなどを書きたい方にもオススメのクラスです。

11月16日から始まる、6期生募集中です。

ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

よろしくお願いいたします。

 

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絵本とイラストが学べる教室「絵話塾」の6月のガイダンス(説明会)を行います!

 

6月 22日(土) 11:00〜

   23日(日) 11:00〜

   29日(土) 11:00〜 14:00〜

   30日(日) 11:00〜 17:00〜

 

入塾を考えている方は絵話塾までご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

興味のある方・受講を考えている方でしたら誰でも参加できます。

ガイダンスの参加者は、各回5名まで。

受講に関して不安なことや迷っていることなど、どんな些細なこともお気軽にご相談ください。

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〒650-0022
神戸市中央区元町通3-2-15セントラルビル元町5F
ギャラリーVie 絵話塾 担当・村上政行
mail:kaiwajuku@galleryvie.jp
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2024年6月9日(日)絵本ゆっくりコース・ゲスト講師 油田さや香さんの授業内容

2024-06-19 12:58:41 | 絵本ゆっくり塾

本日は、ゲスト講師の油田さや香さんのワークショップをします。

油田さんの描く絵は、異国の空気感とノスタルジック。絵本の中に入り込んだ雰囲気で、とても素敵なんです。

ぜひ、どのように描かれているのか見てみたい、そして皆さんの刺激になればと思いゲスト講師に来ていただきました。

 

今回のテーマは「セピアの上から描く」です。

 

油田さんは、紙にセピア色の下地を塗られています。

セピア色は、どんな色を塗ってもアタリが出ないことと、色あせて朽ちた紙を使うドイツの画家ホルスト・ヤンセンが好きで、その影響もあるそうです。

 

今回は、油田さんがされている下地の塗り方を教わり、下地済みの紙に絵を描いていきます。

 

本日は皆さんに、好きな本(小説やエッセイなど)を用意していただきました。

その本に好きな場面を1枚の絵に仕上げていきます。

文章からイメージして、構図も考えて描くことは、絵本の絵を描くのと同じで勉強になりますね。

 

絵を描く前に、油田さんに下地の塗り方を教わりました。

表側にはセピア色を三層塗り、裏側に一層塗ります。裏側にも下地を塗ることで、紙が反ることを防ぐことができます。

表面の二層目三層目で、濃淡を出し明るくしたい部分にティッシュペーパーで軽く拭き取ります。

 

 

皆さんも下地を塗っていきましょう。

セピアにこだわらず、それぞれ好きな色で塗られていますね。

下地が塗れたら、絵を描いていきます。

今回は、下地を乾かすのに時間がかかるので、油田さんに下地済みの紙を用意していただいていました。

真っ白い紙だと、早く描かなきゃ。全体を埋めないと。と思ってしまうけど、下地をされている紙だと、焦りがなくなっていい。という感想もありました。

頭の中で考えてから描く人もいますが、思い浮かんだら手を動かして描いてみるといいですよと、油田さんからアドバイスがありました。

油田さんは、何も描けない時期には、何も考えず身のまわりのものをスケッチして、手を動かすことをされているそうです。

最近は空の雲を描いているそうで、見せていただきました。

途中休憩をはさんで、油田さんが実際にどんな風に描いているのかを、見せていただきました。

一色を全体に入れるので、少し離して全体を眺めながら仕上げていくと、まとまりやすいです。

 

絵に重みを持たせるために、調子を付けます。

スポンジでされていますが、歯ブラシや不織布なども使うそうです。

 

全体を見て、軽いなと思う部分に調子を付けます。

 

調子を入れるとは、描いたモチーフに立体感や質感、陰影を表現することです。

 

油田さんの絵は、『読むので思う』荒川洋治著の中の「行きつけの石」からのイメージで描かれています。

大きな石が印象的です。

 

生徒さんの作品

  

 

新しい手法を知って、絵を描く楽しさが増えると良いですね。

油田さや香さん、ありがとうございました。

 

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絵本とイラストが学べる教室「絵話塾」の6月のガイダンス(説明会)を行います!

 

6月 22日(土) 11:00〜

   23日(日) 11:00〜

   29日(土) 11:00〜 14:00〜

   30日(日) 11:00〜 17:00〜

 

入塾を考えている方は絵話塾までご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

興味のある方・受講を考えている方でしたら誰でも参加できます。

ガイダンスの参加者は、各回5名まで。

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