絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2018年1月28日(日)絵本ゆっくりコース・飯野和好先生の授業内容

2018-02-02 13:33:46 | 絵本ゆっくり塾
飯野和好先生に、久しぶりにお越しいただきました。
和服姿にカンカラ三味線を手に登場されました!
べべン ベン ベン さぁ、これより授業の始まり、始まり〜

飯野さんが手にされているカンカラ三味線は、沖縄のものです。
第二次世界大戦後の沖縄で少ない物資の中、米軍の配給の缶詰めを使って作られたのが最初。
今ではお土産物屋さんでも手に入るそうです。
どんなものにも物語があります、と飯野さん。



飯野さん、スズキコージさんは同じ世代で、
今は亡き堀内誠一さん編集の「an・an」でデビューされました。

堀内さんの言葉で印象的だったのが、
ファンタジーはリアルで恐ろしいもの、という言葉です。
また、『指輪物語』や『ナルニア国物語』は異界に行く時帰って来る時の、
その行き方戻り方が自然で参考になるとのこと。
プロになるとグリム童話やイソップ、日本昔話に絵を描く仕事がよくあるので読んでおくと良いそうです。

そして、古典でも、自分で描いてみるとおかしいな?と思うことがある、と言います。
自分で描いて入り込んでみてこそわかること。古典だからとそのまま描くのは勿体ない。
飯野さんの『赤ずきん』は今までになかった描き方をされたそうです。
ぜひ書店で見てみてくださいね。

さぁ、飯野さん自ら自作絵本の読み聞かせをしてくださいます。
カンカラ三味線の音楽にのせて、調子を合わせて聞かせてくださいます。
目の前に絵本の舞台が立ち上がり、広がっていきます。



『おでんもおんせん』文・川北亮司/絵・飯野和好 くもん出版 2017年10月22日

『灰屋灰次郎 灰はございー』作・飯野和好 アリス館 2017年12月12日

『ねぎぼうずのあさたろう その10 ゆきはこんこんわたりどり』作・飯野和好 福音館書店 2017年1月20日

豪華3冊の読み聞かせをしてくださいました。

後半は、ダミーの講評時間です。
飯野さんは、鋭く面白く、本当にこれで良いの?と突っ込みを入れてくださいます。
それは読者の側が気になるところでもあります。
他にも、絵本だからとうまくきれいにまとめようとせず、ブラックなところも入れると面白い。
エンディングはいくつか用意しておくこと。悲劇で終わってもこれで良いんだ、で終わる場合もあって良い、と。

最後の質問コーナーでは、
・絵本の舞台の場所を取材されるのですか?
…想像でやると平凡になるので、東海道など昔の,道も実際に歩いてみられるそう。実際行くことでアイデアも湧くとのこと。

・画材は何を?
…B2〜B4の鉛筆、透明水彩絵の具、ワトソン紙を使用。
 水彩は、塗る、というよりも色を置いていく感覚。紙を染めていくような感じだそう。
などでした。

最後も、カンカラ三味線を弾きながら、これにて終わり!
あっ…という間の三時間授業。
飯野さん、ありがとうございました!


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