がやがやとノイズが聞こえてくる
不思議なもので耳を澄ませば澄ますほどがやがやと聞こえてくる
もはやそれ自体が一つの塊となっているので1つ1つの言葉を聞き解くのは不可能だ
お父さんの右には一人人が座っている
年齢は60ぐらいだろうか
俺の一つ左には誰も座っていない
そのもう1つ向こうに同じく60歳程度の夫婦らしき人達が居る
俺はどこに集中するもなしにきょろきょろしてみたり
俯いて自分の足を見たり、テーブルクロスを眺めたり時間を持て余していた
こういうことは正直慣れっこである
小さい頃からお母さんやお父さんと一緒に
いろいろな場所に連れまわされてその都度自分より何十歳も離れた人と出会う
お父さんとお母さんは俺より40以上年上なので40以上年上の人が大多数だった
暫くすると某局のアナウンサーが司会を始めた
その瞬間に空気が静まる
開会の儀のようなものが始まり色々な人たちが紹介され始める
市長、議員、知事、それはそれは偉いさんばかりである
しかし!
眠くなる気持ちを我慢して壇上を見つめているとおかしい事に気がついた
なんだか気分が悪い
一番近い言葉で言うなれば「きもちわるい」
その原因が何かは直ぐには分からなかったが、暫くして気付いた
俺はどうやら想像以上に目が悪くなっているようで
10mぐらい先が既に結構ぼやけて見える
原因はそれだった
なるべく一点に集中せずに違う場所を見ていれば何もなら無いのだが
ぼやけた画面で同じ場所をずっと見続けるとどうやら気持ち悪くなるらしい
しかし9割以上の人間が壇上を見つめているので今俺があさっての方向を向くのも気が引けた
なのでそのままキモチ悪さを我慢しつつ
はっきりと顔がわからない人達の演説を聞いていた
そろそろ限界が近づいてきた時、ついにこのぱーちーの代表者が出てきた
中川正春氏、その人である
このぱーちーは恐らくこの人が主催しているのだろう
ぱーちーの名前にも本人の名前がついていたぐらいだ
その人の演説は過去の全ての人を全部プラスしたぐらい長かったが
話し上手なのかあまり退屈せずに済んだ
そして話も終わり遂に乾杯
乾杯が始まらなければ飯にありつけないというのもまどろっこしい
ビールとウーロン茶の便が次々と運び込まれてくる
周りの人たちは隣の人たちに晩酌をするように
「どうぞどうぞ」
「どうもどうも」
と言い合っている
1つ飛んで左にいるおじさんが
「ボクはどう?」
と聞いてきたので
「あ、運転手なのでチョット無理です」
と答えると、「そうか」と言ってビールの入っているビンをテーブルに置いた
ボクって呼ばれたの何年ぶり!?
とか一人で突っ込んでいた
そりゃ、60歳ぐらいの人たちから見ればそうなのかもしれんけどボクって・・・w
ウーロン茶のビンがようやく回ってき始める
目の前に逆さまに置かれたビンをひっくり返しながら持ち
8割程度注ぐ
「それでは皆さま、そろそろ全ての人に行き渡りましたでしょうか」
とアナウンサーが告げる
どうやら全ての人の準備が整ったようで各自グラスを持ち一斉に立ち上がる
「それでは―――――乾杯!!」
「乾杯!!」
腕を振り上げた後そのまま口にビンを運ぶ
それが戦争の始まりの合図だと知っていたのは
普段からこういうぱーちーに行っている人達なのだろうなと後で悟った
不思議なもので耳を澄ませば澄ますほどがやがやと聞こえてくる
もはやそれ自体が一つの塊となっているので1つ1つの言葉を聞き解くのは不可能だ
お父さんの右には一人人が座っている
年齢は60ぐらいだろうか
俺の一つ左には誰も座っていない
そのもう1つ向こうに同じく60歳程度の夫婦らしき人達が居る
俺はどこに集中するもなしにきょろきょろしてみたり
俯いて自分の足を見たり、テーブルクロスを眺めたり時間を持て余していた
こういうことは正直慣れっこである
小さい頃からお母さんやお父さんと一緒に
いろいろな場所に連れまわされてその都度自分より何十歳も離れた人と出会う
お父さんとお母さんは俺より40以上年上なので40以上年上の人が大多数だった
暫くすると某局のアナウンサーが司会を始めた
その瞬間に空気が静まる
開会の儀のようなものが始まり色々な人たちが紹介され始める
市長、議員、知事、それはそれは偉いさんばかりである
しかし!
眠くなる気持ちを我慢して壇上を見つめているとおかしい事に気がついた
なんだか気分が悪い
一番近い言葉で言うなれば「きもちわるい」
その原因が何かは直ぐには分からなかったが、暫くして気付いた
俺はどうやら想像以上に目が悪くなっているようで
10mぐらい先が既に結構ぼやけて見える
原因はそれだった
なるべく一点に集中せずに違う場所を見ていれば何もなら無いのだが
ぼやけた画面で同じ場所をずっと見続けるとどうやら気持ち悪くなるらしい
しかし9割以上の人間が壇上を見つめているので今俺があさっての方向を向くのも気が引けた
なのでそのままキモチ悪さを我慢しつつ
はっきりと顔がわからない人達の演説を聞いていた
そろそろ限界が近づいてきた時、ついにこのぱーちーの代表者が出てきた
中川正春氏、その人である
このぱーちーは恐らくこの人が主催しているのだろう
ぱーちーの名前にも本人の名前がついていたぐらいだ
その人の演説は過去の全ての人を全部プラスしたぐらい長かったが
話し上手なのかあまり退屈せずに済んだ
そして話も終わり遂に乾杯
乾杯が始まらなければ飯にありつけないというのもまどろっこしい
ビールとウーロン茶の便が次々と運び込まれてくる
周りの人たちは隣の人たちに晩酌をするように
「どうぞどうぞ」
「どうもどうも」
と言い合っている
1つ飛んで左にいるおじさんが
「ボクはどう?」
と聞いてきたので
「あ、運転手なのでチョット無理です」
と答えると、「そうか」と言ってビールの入っているビンをテーブルに置いた
ボクって呼ばれたの何年ぶり!?
とか一人で突っ込んでいた
そりゃ、60歳ぐらいの人たちから見ればそうなのかもしれんけどボクって・・・w
ウーロン茶のビンがようやく回ってき始める
目の前に逆さまに置かれたビンをひっくり返しながら持ち
8割程度注ぐ
「それでは皆さま、そろそろ全ての人に行き渡りましたでしょうか」
とアナウンサーが告げる
どうやら全ての人の準備が整ったようで各自グラスを持ち一斉に立ち上がる
「それでは―――――乾杯!!」
「乾杯!!」
腕を振り上げた後そのまま口にビンを運ぶ
それが戦争の始まりの合図だと知っていたのは
普段からこういうぱーちーに行っている人達なのだろうなと後で悟った