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近頃の歴史小説家の傾向と対策・天野純希・伊東潤・火坂雅志・海道龍一朗・岡田秀文おすすめ歴史小説

2019年03月30日 | 歴史
天野純希

比較的ポップな作風だが、そういう作風の桃山ビート・トライブなどは、私には合いませんでした。

おすすめは「蝮の孫」(斎藤龍興)・「燕雀の夢」(織田信秀など)・「信長嫌い」(六角承禎など)・「有楽斎の戦」(織田有楽斎)

マイナーな武将に焦点を合わせて、面白く仕上げています。特に「蝮の孫」は良いと思います。あの齋藤龍興が「へたれ」から「たくましく」なって、最後は「己の生き方」を見つけます。歴史小説には珍しいハッピーエンドものです。すがすがしい。家康、秀吉も書いて欲しいのですが、たぶんメジャー過ぎて、興味がないのでしょう。

火坂雅志

わたしが読んだのは「王道もの」ばかりです。「天下家康伝」「真田三代」「天地人」などがおすすめ。「沢彦」はどうかな。

これら「王道もの作品」では「謀略とかトンデモ」をあまり書きません。「安心して読める」作品です。司馬さんの作品を「かみ砕いて易しくした」ような作風です。

伊東潤

短編も多い。「関東ものが大好き」な人です。つまり「北条」「武田」「上杉」です。「虚けの舞」「戦国鬼譚 惨」「北天蒼星――上杉三郎景虎血戦録」などがおすすめ。他、短編ものが多いので、気軽に読めます。多少「トンデモ」を採用する点が難ですが、さほどではありません。「虚けの舞」の主人公はなんと織田三介信雄です。

岡田秀文

「賤ケ岳」「関ケ原」など。特に「賤ケ岳」は本能寺から賤ケ岳までの流れを的確に追っています。初期の「本能寺六夜物語」を読んだら、全ての短編が「陰謀もの」なのに驚きました。「賤ケ岳」には無理な陰謀は出てきません。

海道龍一朗

実はまだ「北條龍虎伝」しか読んでいません。「戦国北条氏に弱い」私にとっては「うんちくが詰まった」作風となっています。主人公は北条氏康と北条氏綱で、早雲うんちくも沢山書いてあります。この作品だけをいうなら「王道もの」で「偉人伝」的な作風です。


私は「偉人伝的」な作風が好きですが、どうも世間は「謀略ブーム」のようです。以上挙げた作品は「王道的歴史小説」で無理な「謀略」は出てきません。ただし天野純希さんは偉い武将を描かないようで、齋藤龍興や織田有楽などの「へたれ武将」がやさしく救済されています。


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