櫻坂46・1stシングルC/W曲「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」MVのYouTubeにおけるフルサイズ公開が11月18日(水)正午から始まりました。
公開翌日の19日(木)正午における累計再生回数は82.9万回で、これは「Nobody's fault」MVの同時期75.9万回より7.0万回多く、C/W曲MVが表題曲MVを初日再生回数で上回るという、かなりレアな滑り出しとなっています。
表題曲はシングルのタイトルが発表されたときから宣伝が始まり、C/W曲に比べ宣伝量が圧倒的に多い。
しかも表題曲MVは一番最初にYouTubeで公開されるため、注目度が高く、その後順次お披露目されるC/W曲MVより、再生回数がずっと高く推移するのが普通です。
そのため、表題曲MVとC/W曲MVの累計再生回数を同じグラフに書き込み、両者の再生回数を比較するなんてこと、実は、今までほとんどやったことがありませんでした。
しかし、今年3月にリリースされた乃木坂46の25thシングルにおいて、C/W曲である「I see…」が、表題曲「しあわせの保護色」をMV累計再生回数で、公開18日目(d)に逆転したことから、なんと言うか、そういった「下克上」もあり得るよ〜(笑)、という雰囲気が坂道界隈に漂い始め、改名再出発した櫻坂46の1stシングルで、今度は初日からC/Wが表題を上回るケースが出てきました。
(表1a) |
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(表1b) |
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表1aが示すように、初日再生回数が上回ったといっても、グラフを描くと、C/W曲「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」と表題曲「Nobody's fault」のMV再生回数は、ほとんど同じ立ち上がりに見えます。
ただ表1bを見ると、後に累計逆転する「I see…」や、白石麻衣の「卒業」ソロ曲「じゃあね。」のMVですら、初日再生回数は表題曲「しあわせの保護色」MVより明確に低く、C/W曲MVが表題曲MVを初日で越えること自体、ごく稀というより、坂道では見たことがない。
櫻坂46・1stシングルCDに収録される「Nobody's fault」「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」「Buddies」のMV付き3曲は、森田ひかる、藤吉夏鈴、山崎天の2期メンバー3人がそれぞれセンターを務め、運営は表題とC/Wの区別をあまり付けず、3曲を「同格」として扱っている印象がある。
そのため、MV再生回数を評価するとき、「Nobody's fault」を表題曲として、「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」をC/W曲として分類し、他の表題曲MVや他のC/W曲MVと比較することが、良いのかどうか分からない面がある。
ただ、こういった従来通りの分類で比較するなら、例えば、表1aと表2aの公開8d累計において、「Nobody's fault」MVが200万回を切っているのに対し、乃木坂46「しあわせの保護色」MVは250万回を超えており、表題曲MVとしては、やや低めの再生回数推移となっています。
一方、「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」MVは、YouTubeでフル公開されたことのある坂道C/W曲全体の中で、3位となる初日再生回数を稼いでいて、C/W曲MVとしては非常に好調なスタートと言えます。
初日再生回数がほぼ互角となった結果、「Nobody's fault」MVは表題曲MVとして低めの立ち上がり、「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」MVはC/W曲として高速な滑り出しとなっているわけです。
(表2) 坂道C/W曲フルMVの初日再生回数TOP20
凡例
[順位] 1d累計 : 曲名_グループ名 Sg番号(*)
# 1d累計はMV公開初日終わりのYouTube累計再生回数で万回単位
# 「*」はそのシングルC/W曲MV中、最初にYouTube公開された作品
# 乃木坂15th以降、欅坂2nd以降、日向坂1st以降のC/W曲MVの中で、YouTubeでフル公開されたことのある乃木坂45作品、欅坂21作品、日向坂9作品、櫻坂1作品の計76作品を対象にしたランキングのTOP20
[[01] 92.1 : エキセントリック_欅04
[02] 91.8 : じゃあね。_乃25
[03] 82.9 : なぜ 恋をして来なかったんだろう?_櫻01*
[04] 80.2 : Against_乃20*
[05] 78.7 : もう森へ帰ろうか?_欅06
[06] 74.8 : I see…_乃25
[07] 74.2 : 心のモノローグ_乃21*
[08] 69.9 : 青春の馬_日04*
[09] 59.9 : バスルームトラベル_欅06*
[10] 59.8 : キツネ_日02*
[11] 58.5 : ナゼー_日04
[12] 55.5 : アナスターシャ_乃25*
[13] 55.0 : つづく_乃22*
[14] 52.7 : 時々 思い出してください_乃24*
[15] 52.5 : のような存在_乃23*
[16] 50.5 : W-KEYAKIZAKAの詩_欅04*
[17] 50.5 : まあいいか?_乃19*
[18] 50.4 : Student Dance_欅07
[19] 49.6 : 空扉_乃21
[20] 47.5 : トキトキメキメキ_乃20*
ちょっと細かい話ですが、表2のランキングを作る際に対象とした坂道C/W曲MVの範囲を、以下に補足しておきます。
どんな作品を対象にしたかは、ランキングにおいてとくに重要な点なので載せますが、読み飛ばしてい頂いて何ら問題ありません。
===== (表2補足) ランキングの対象としている各グループのMV =====
# 乃木坂46の45作品は、15thから25thまでのシングルCDに収録されたC/W曲MV44作品に、CDに収録されていないがフル公開されている16thC/W曲「ないものねだり」のMVを加えた45作品
# 欅坂46の21作品は、1stから8thまでのシングルCDに収録された表題曲MV以外のMV29作品から、1stC/W曲「山手線」「渋谷川」「手を繋いで帰ろうか」と2ndC/W曲「また会ってください」のMV4作品は記録がなく除外、8thC/W曲のMV4作品はYouTube公開がショートのみで対象外、5th収録の「月曜日の朝、スカートを切られた」MVはアルバムリード曲として対象外とし、残りのMV20作品にCDに収録されていないがフル公開されている「エキセントリック」MVを加えた21作品
# 日向坂46の9作品は、2ndから4thまでのシングルCDに収録されたC/W曲MV9作品。1stC/W曲「JOYFUL LOVE」「Footsteps」「ときめき草」のMV3作品はYouTube公開がショートのみで対象外
# 櫻坂46の1作品は「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」MV
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「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」MVは今日20日(金)正午に公開2日目(d)が終了しますが、午前10時現在の累計再生回数は110.6万回で、「Nobody's fault」MVの2d終わり累計106.9万回を既に上回っており、C/W曲MVが表題曲MVをリードする状態は2日目も続くことが確定です。
ただ両者の差が広がるのか、狭まるのかは、まだ分かりません。
ところで、C/W曲MVに再生回数で抜かされたと聞くと、表題曲MVにとって、良からぬ出来事のように感じますが、むしろプラスの影響が出ることが多い。
「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」MVの公開初日は、「Nobody's fault」MVの公開8日目(d)にちょうど重なりますが、実は、再生回数の増加速度が大幅に上昇しています。
(表3) 坂道フルMVの8日目(d)累計再生回数ランキング
凡例
8d累計 : 6→7→8d積上(初日比8d/1d)曲名_グループ名 Sg(Ab)番号
# 累計、積上は万回単位
# 乃木坂15th以降、欅坂日向坂1st以降の無期限公開フルMV39作品を累計の多い順に上から掲載
#「青春の馬」フルMVは68dで公開終了だが対象作品に入れている
[01] 501.5 : 27.9→27.7→25.3(0.13) ガラスを割れ!_欅6
[02] 484.9 : 37.7→30.7→25.3(0.16) アンビバレント_欅7
[03] 425.4 : 34.8→31.5→27.8(0.22) 不協和音_欅4
[04] 375.7 : 31.1→29.8→25.9(0.21) 風に吹かれても_欅5
[05] 366.4 : 24.9→22.3→25.2(0.20) シンクロニシティ_乃20
[06] 356.4 : 25.4→23.4→20.8(0.17) アザトカワイイ_日1stAb
[07] 330.6 : 18.4→19.6→18.2(0.15) 帰り道は遠回りしたくなる_乃22
[08] 307.8 : 20.1→17.4→15.1(0.14) Sing Out!_乃23
[09] 300.2 : 23.7→25.5→20.8(0.22) インフルエンサー_乃17
[10] 298.4 : 20.1→26.8→25.5(0.22) ジコチューで行こう!_乃21
[11] 272.2 : 12.5→11.7→14.0(0.12) しあわせの保護色_乃25
[12] 267.2 : 16.8→15.1→14.3(0.16) エキセントリック_欅4C
[13] 266.2 : 14.7→15.7→11.8(0.10) 世界中の隣人よ_乃26
[14] 251.9 : 19.9→17.4→14.9(0.15) ソンナコトナイヨ_日4
[15] 237.6 : 19.5→23.0→19.7(0.41) 二人セゾン_欅3
[16] 236.9 : 21.8→20.1→20.1(0.36) 黒い羊_欅8
[17] 231.2 : 15.1→19.1→17.0(0.23) I see…_乃25C
[18] 224.7 : 14.0→14.8→11.9(0.14) いつかできるから今日できる_乃19
[19] 214.2 : 13.7→11.3→13.4(0.16) 夜明けまで強がらなくてもいい_乃24
[20] 213.9 : 15.9→13.0→12.0(0.17) ドレミソラシド_日2
[21] 209.9 : 15.6→11.1→17.1(0.31) サヨナラの意味_乃16
[22] 189.6 : 11.7→13.3→13.8(0.20) 青春の馬_日4C
[23] 187.9 : 10.6→10.6→18.0(0.24) Nobody's fault_櫻1
[24] 184.3 : 12.3→10.4→08.4(0.11) 逃げ水_乃18
[25] 182.3 : 11.0→08.5→06.7(0.09) 角を曲がる_平手ソロ
[26] 177.8 : 08.4→07.7→07.3(0.10) ひなリハ_日1stAb関連
[27] 170.7 : 12.3→10.1→11.4(0.18) こんなに好きになっちゃっていいの?_日3
[28] 161.8 : 05.9→07.6→06.5(0.07) じゃあね。_乃25C
[29] 155.7 : 08.5→10.6→09.3(0.11) 月曜日の朝、スカートを切られた_欅1stAb
[30] 142.5 : 13.9→10.4→11.3(0.33) 世界には愛しかない_欅2
[31] 136.4 : 14.5→14.5→14.5(0.62) サイレントマジョリティー_欅1
[32] 132.9 : 14.0→15.0→16.6(0.69) キュン_日1
[33] 132.3 : 12.3→13.0→10.9(0.46) 裸足でSummer_乃15
[34] 130.1 : 07.7→06.1→05.3(0.10) W-KEYAKIZAKAの詩_欅4C
[35] 117.1 : 07.0→05.9→06.5(0.26) 期待していない自分_け1stAb
[36] 109.7 : 06.1→05.4→04.2(0.08) アナスターシャ_乃25C
[37] 107.2 : 07.9→07.3→06.2(0.23) 語るなら未来を…_欅2C
[38] 082.3 : 05.3→04.7→04.0(0.10) 毎日がBrand new day_乃25C
[39] 066.0 : 05.3→04.7→04.7(0.23) きっかけ_乃2ndAb
「Nobody's fault」MVの公開8d積み上げ再生回数は18.0万回で、前日7dの10.6万回から7.4万回もの大幅アップで、無期限公開されている坂道MV39作品の累計ランキングも、7dの26位から8dは23位へ上昇しています。
これは前日7dにおいて25位だった日向坂46「ひなリハ」、24位の平手友梨奈ソロ「角を曲がる」、22位の乃木坂46「逃げ水」のMV3作品を一気に抜いた為で、増加速度の大幅上昇が効いているわけです。
さらに8d積み上げのランキングは、前日7dの26位から8dは12位、初日比のランキングでは28位から9位へ、もの凄いジャンプを見せている。
(表4) 櫻坂46「Nobody's fault」MV再生回数の公開8日間(d)の坂道全MV中での順位推移
凡例
項目 : 2→3→4→5→6→7→8d順位
# 累計、積み上げ、初日比の3項目について、乃木坂15th以降、欅坂日向坂1st以降の無期限公開フルMV39作品における対象日ごとの順位を記載
#「初比」は初日比で、対象日の初日に対する積み上げ再生回数の比
# 初日比は四捨五入で小数点以下2桁目まで求め、その数字を比較し、同率複数の場合はすべて同じ順位にしている
# 1dの初日比は無意味なので「00」を記入
累計 : 21→24→25→26→26→26→23位
積上 : 23→32→28→31→30→26→12位
初比 : 27→34→33→32→32→28→09位
また、2019年以降に無期限公開されている坂道フルMV14作品中でも、累計と速度のグラフにおいて、「Nobody's fault」MVは目立った動きを見せています。
(表5a) |
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(表5b) |
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さらに、欅坂46表題曲MV8作品との比較でも、累計の順位は変わらないものの、増加速度のジャンプが分かります。
(表6a) |
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(表6b) |
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表題曲MVにとって、C/W曲MVの公開は、再び注目を集め、視聴数を伸ばすチャンスなんだけど、「I see…」MVと「しあわせの保護色」MVのように、C/W曲MVが再生回数で表題曲MVを累計逆転するなんて刺激的なイベントが起こると、さらに関心が高まり、両方の数字が伸びていく。
「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」MVと「Nobody's fault」MVも、最初の24時間で、両者の累計推移が僅差で競り合う展開となり、ファンの注目が通常より多く集まった可能性があります。
次のグラフは、欅坂46&櫻坂46表題曲MVの11月における日単位(D)の再生回数増加速度推移ですが、「Nobody's fault」MV以外の多くのMVが、「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」MVの公開初日に加速しているのが分かります。
(表7a) |
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(表7b) |
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また、乃木坂46と日向坂46にも、新作MV公開の影響が見られる。
(表8a) |
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(表8b) |
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乃木坂より日向坂の方が櫻坂46「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」MV公開に反応しているように見えますが、もともと同じグループだったからでしょうか。