ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

ちょっと野球の話 ~ 阪神・今成捕手が確認しておきたかったこと

2012-07-09 02:11:17 | 野球
阪神が連敗につぐ連敗で、苦しんでいる。

とくに守りがおかしい。リズムが狂って、エラーの連鎖から抜けられない。

昨日、日曜日の東京ドーム巨人戦でも象徴的な場面があった。

同点で迎えた4回裏の巨人の攻撃。ノーアウト1塁3塁で古城が打席に入ったところで、捕手の今成がベンチを見ながらホームベースを指差したり二塁ベースを指したり、何か盛んに確認を取っている。

是が非でもホームでのアウトを狙うのか、1点はやむを得ないとしてダブルプレーを狙うのか、恐らくそういった方針の確認だと思うが、敵チームの目前で、大きなジェスチャー入りでやるのはどんなもんだろう(笑)。

その間、投手の安藤は固まってしまってピクリとも身動きしない。

そりゃあ当たり前で、「よっしゃ今成君、ゲッツー狙いってことだね、うんうん」などど、古城の見てる前で頷くわけにはいかない。

結局、すったもんだあった挙げ句、古城には二球目をセンター前に弾き返されて、あっさり逆転されてしまった。

つまらない確認作業で時間を取って、安藤の集中力を削いだ結果生まれたタイムリーと見ることもできるわけで、決して褒められたプレーではない。

ただ、捕手の今成がベンチの意向確認に拘ったのには、伏線がある。

前日、土曜日の試合、阪神2点リードで迎えた5回裏巨人の攻撃、ノーアウト2塁3塁で、村田のセカンドゴロを平野が本塁に悪送球、ボールがコロコロ転がってる間に、ランナーが二人もホームインして同点にされてしまった。

あるスポーツ紙には、阪神の久慈内野守備コーチは「1点やむなし」で前進守備を敷かないという指示を出したのに、二塁手の平野がそれを「無視」して本塁に投げたことが失点の原因と書かれていた。

しかし、選手側からすればこれは理不尽な話である。

「1点やむなし」は「ホームに投げるな」とは違う。本塁が間に合うのであれば、内野手はホームに投げるだろうし、間に合うかどうかの判断はボールを取った選手がその時点で行うしかない。

もし阪神ベンチがどうしても3塁ランナーを無視させたいのであれば、「間に合っても本塁には絶対投げるな」という指示を出さなければならない。そうであれば、平野はベンチの指示を「無視」したと言われても仕方ない。しかし「1点やむなし」ということなのだから、平野は捕球した時点で「本塁が間に合う」と判断を下してホームに投げたが、残念ながら悪送球してしまったということである。

従って悪送球というエラーを責められるのはやむを得ないが、ベンチの指示を「無視」したという批判が当たっているとは思えない。

そもそもノーアウト2塁3塁で「1点やむなし」の指示を出した場合、それが具体的に何を意味しているのかもよく分からない。

もしノーアウト1塁3塁であれば、「1点を失ってもダブルプレーを成立させてツーアウト走者なしにせよ」という指示として選手は理解するだろう。しかし、ノーアウト2塁3塁だと、二塁手が内野ゴロを捕った場合、ホームでのアウトを狙わなければ、そのまま打者の村田だけを1塁でアウトにするしかないが、それでは1点差に追い上げられたうえに、ワンアウト3塁という大ピンチが続くことになってしまう。捕球した二塁手が「1点やむなし」の上で「出来る限り」ホームでのアウトを狙うのは当たり前である。

今成捕手は、恐らく記事に書かれているような平野選手への批判を、試合前の時点で知っていたのだと思う。

曖昧な指示をベンチから出されて、失点したら「指示を無視したからだ」とすべての責任を負わされるのはまっぴらごめんだ。

だから同じような場面では、出来るだけベンチの指示を事前にはっきりさせておきたい。

そういう気持ちが昨日の4回裏のドタバタシーンを生んだ気がする。

チームの負けが続くから、選手とベンチの信頼関係がゴタゴタするのか、ゴタゴタするから負けが込むのか。

何れにしても、阪神タイガースの梅雨明けは、まだ少し先になりそうな気配である。

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