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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

WBC連覇への課題

2009-02-27 17:15:44 | Weblog
2月24日、25日に行われた対オーストラリア戦は、二試合とも、日本の大勝に終わった。しかし、この強化試合を通して、いくつかの課題が見えてきたと思う。

1) ダルビッシュの復調

復調と言っても、技術面のことではない。彼の実力が、現時点で、世界トップクラスであるのは間違いないと思う。ただ、北京五輪以来、国際試合に対する自信を、若干失っている気がする。

責任感が強い分、気持ちが入りすぎて、空回りしているのかもしれない。WBCの対中国戦で、つまり本番の中で、国際試合への手応えを掴むしかない。

2) 先発型投手のセットアップ・抑えへの適応

第1ラウンドと第2ラウンドは、「Double Elimination 方式」で行うそうで、勝ち進んだ場合の試合数は、5日間で、最低3試合、最高4試合となる。さらに、球数制限と連投制限が課されるので、一種類のセットアップ・抑えのパターンだけでは乗り切れない。

従って、セットアップ・抑えの投手が通常より多く必要となるが、今回の日本代表では、山口、馬原、藤川の三人しか専門家がいない。そこで、先発型投手が中継ぎは勿論、場合によっては、セットアップや抑えにまわることもあるかもしれない。

強化試合では、先発型投手が中継ぎを上手くこなしていたが、アメリカの球場で、大観衆の前、メジャーリーグの強打者を相手に僅差のゲームとなると、話が違ってくる。

大舞台で、どこまで上手く、その役に適応できるか、そこが勝負の鍵になる可能性がある。

3) 藤川の平常心を保ったピッチング

前回のWBCでは、大塚というメジャー在籍の抑え投手がいた。彼の存在は、日本の優勝に、大きな寄与をしたと思う。しかし、今回は、セットアップ・抑えに、岡島や斉藤隆といったメジャーリーガーがいない。 これは、技術面はともかく、精神面では一つの不安材料かもしれない。

決勝トーナメント進出決定戦、準決勝、決勝などの、しびれる最後の場面で、藤川が投げることになると思うが、球場の雰囲気に呑まれず、普段通りのピッチングが出来るかどうか、そこが、文字通り、勝負を決すると思う。

藤川のストレートは、日本のバッターが手も足も出ないのだから、世界でもトップクラスのはずである。気持ちさえ平常に保てば、抑えられる。自信を持って投げて欲しい。

4) 村田のクレバーなバッティング

今回の打線を眺めると、つなぎの上位と重量の下位という構図が見える。1番の青木から4番の稲葉までは、足を絡めてチャンスを作り、次につなぐバッティングをするが、5番の村田以降は、パワーヒッターが並んでいる。

そのため、5番の村田が打席に入るときに、塁にランナーが溜まっている場面が多くなるだろう。実際、オーストラリアとの第一戦では、村田の三打席、すべて塁上に走者がいた。

従って、村田が、ランナーを帰すバッティングをするかどうか、そこに日本の得点力が掛かってくる。

北京五輪のときのように、外角へ逃げる変化球を、力任せにフルスイングして、三振の山を築いていたのでは、世界一流の上位打線が作り出すチャンスを、点に結びつけられない。

彼が、北京五輪での苦い経験を生かして、状況に応じた、クレバーなチームバッティングに徹すれば、日本の得点力は、他チームの脅威になるだろう。

5) 原監督の冷静な采配

対オーストラリア戦で、大きなミスがあったとすれば、第二戦の二回裏一死一、二塁の場面での、外野の極端な前進守備である。

その結果、松坂の球が甘かったとはいえ、通常ならライトフライに出来る打球を、世界一の守備範囲と強肩を誇るイチローの頭上を越えて、二点タイムリーにしてしまった。

イニングを考えても、点差を考えても、イチロー、青木、稲葉という外野陣の能力を考えても、あそこまでの前進守備は不要だ。

おそらく、絶対に先制されたくないという強い想いが、あの守備体形の指示につながったと思うが、結果論ではなく、どう考えても逆効果である。

原監督は、かつて中日との試合、一死満塁のピンチで、内野に絶対本塁送球を指示して、確実に併殺を取れた場面で、結局一点を失ったことがある。

また別の試合では、ランナー三塁の場面で、「ストライク・スクイズ」という離れ業を指示して、走者は動けず、バッターは、ただバントしただけで、一塁アウトになったこともある。

一点を取りたい、一点を失いたくない。その想いが余りにも強すぎると、冷静な判断力を失って、自分の首を絞めることになる。途中、何が起ころうが、要は、試合が終わったときに、勝っていればいいのである。

WBCのような大舞台では、かっかするなと言う方が無理かも知れないが、冷静な気持ちを保って、基本に忠実な采配をして欲しいものである。


ところで、残りの強化試合は、2月28日対西武戦、3月1日対巨人戦。いずれも東京ドーム。西武戦は、テレ朝が放映するようだけど、今回のような野球「中継」はやめて欲しいぞ(笑)。

TBSさん、リアルタイムで試合が進んでいるのだから、取り敢えず「LIVE」映像を流してくれないと。

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