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「がん」ー39ー がん産業というもの

2019-03-30 16:26:47 | 「がん」を読む

先ほど「つぶやき」ました「がん産業」について関連したニュース、日経新聞の電子版からです、

第一三共の株価、

 

 製薬会社の株価の高騰というグラフを見るとこの本のこの部分を紹介せずにはいられません。

のp86、

原因株価急騰だった?

当時、ベンズアルデヒドの治療薬は、ようやく大規模な臨床試験までこぎつけ、その結果によっては厚生省の認可を受け、数年後には正式な治療薬として認められる可能性さえありました。むしろ臨床に関わった医師や研究者たちは、そのようになると確信し、また期待もしていたといいます。

それが、理由を明らかにされないまま記者会見を中止させられたばかりか、薬の製造そのものまで打ち切られる事態となりました。「せめて理由だけでも聞かせてほしい」という東風博士の要望に対して、厚生省からは何の返答もなかったといいます。

(kaeru注=記者会見が中止させられたのは、1984年でその翌年には科研製薬が一方的に医薬品化を打ち切りました)

それから32年の月日が流れ、2017 (平成29)年3月に、ある政党の公設秘書が、当時の国会議事録を調べてくださり、ようやく事の真相が明らかとなりました。

それによると、ある証券会社が「抗がん剤の特効薬が開発された。それには奇跡的な効果があり、世界的な発見である。間もなく国際癌学会でも発表される」というような内容を報じたというものでした。

それにマスコミが飛びつき、新聞や雑誌だけではなく、NHKでも放映されたため、科研製薬の株価が高騰したといいます。つまり、証券会社が株価をつり上げる操作に走ったいうことです。

その鎮静化を図るために記者会見を中止させたうえ、科研製薬に手を引かせたということが判明したのです。しかも、政府主導、つまり薬のことを何も知らない政治家たちで事が決められ、厚生省はそれにただ従ったにすぎなかったというオチまでついていました。

しかし、この株価の高騰はそのときに初めて起こったわけではなく、それ以前から起きていたのです。

当時、東風博士の研究に興味を持った毎日新聞の記者、小泉貞彦氏が、何度も取材に訪れ、ベンズアルデヒドに関する詳細をまとめた本まで出版しています。その本によると、1978 (昭和53)年にもベンズアルデヒドが買い材料になって株価の急騰が起きたということでした。

その年の初めには300円だった科研製薬の株価が、10月には14倍の4020円という史上初の高値をつけたそうです。

このときマスコミは「がん新薬に兜町踊る」「兜町が騒ぐ薬はマユツバの抗がん剤」などと騒ぐばかりで、肝心のベンズアルデヒドについては東風博士を取材した記者が1人も存在せず、単なる憶測で「学問的根拠は何もない」と糾弾していました。

このマスコミ騒動によって一瞬にして「まやかしの薬」というイメージがついたことで、その後の科研製薬の株価は下がり続け、1980(昭和55)年の暮れには810円とい安値になっていました。

しかし、この年に東風博士が国際癌学会で成果を発表し、翌年には12の大学病院で臨床試験が開始されたことを受け、再び科研製薬の株価が急騰することとなり、最終的には4530円という前回の4020円を上回る高値がついたといいます。

そこで、政府が介入したというわけです。もともと科研製薬は国策としてつくられた財団法人・理化学研究所から改組された製薬会社ですから、薬の研究開発には専門家として真剣に取り組んでいたものの、利益を出すことにはそれほど熱心とは言い難いところがあったようです。それが、ベンズアルデヒドで思いのほか株価が上がったのは喜ばしい反面、政府の意向も受け入れやすい体質があったと考えられました。

さらに、従来の抗がん剤とは比べものにならない効果の高さで「奇跡の治療薬」とまでいわれたとあっては、他の製薬会社が黙っているはずがありません。

一つの薬を誕生させるまでには、何年にもわたる研究と膨大な費用を要します。当時も新たな抗がん剤の開発には、各製薬会社がしのぎを削って研究していました。ですからベンズアルデヒドの治療薬が誕生すれば、それまで続けてきた新薬の開発が露と消える恐れがありました。何より、何年にわたって注ぎ込んできた莫大な研究開発費が回収できなくなります。

製薬会社は、大学病院と共同研究することで臨床試験もスムーズに行えるというメリットがあります。当然、そこには多くの医師や研究者も絡んできますので、副作用がないというベンズアルデヒドは目の上のタンコブとなっていました。早く潰しておくに越したことはないという心理が働いたとしても何ら不思議ではありません。

なぜなら、薬が世に出れば全国の医療機関で使用されるようになるからです。その薬の効果が高ければ、それだけ治療に用いる医師も増えるわけで、数年後には開発に投入した費用が回収でき、特許に守られて何年も莫大な利益を生む可能性があります。

薬は患者さんを救うためにあり、より効果のある薬を使って治すのが医師の役目です。それにもかかわらず、より効果のある薬が誕生しようとしているのを潰そうとするのは本末転倒というものです。

さらに癌学会の中でも批判的な意見を持つ専門家がいたこともマイナスに働いたようです。当時の抗癌剤の効果判定基準は2週間後の縮小効果で判断されており、短時間で効果を判定するにはベンズアルデヒドにとって不利な条件でした。さらに副作用がなく、癌細胞だけを攻撃するメカニズムが、当時の学問ではなかなか受け入れられなかったと考えられます。

こうして株価が操作され、これを機に叩き潰そうとする思惑に利権などが絡み合い、翻弄されたベンズアルデヒドの治療薬は、その研究と開発を阻まれてしまいました。


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2 コメント

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人間の弱み (屋根裏人のワイコマです)
2019-03-31 12:04:51
人というものは、病気には弱く、こと病気や
治療、医薬品につい頼ってしまいます
その心理を突いて、多くの人たちが
あの手この手の詐欺のような戦略を
駆使して、自分や業界の儲けに励みます
これは、その内容がひどいというのは
仕方ありません。でも問題は人間個々の
体はいろいろと違っていて、その治癒の
半分以上は当人が持つ生命力・・医療の
技術や頼る薬の割合はホンノ数割・・それが
莫大な世界のお金に踊らされている
そして国も業界も皆して本当のことに
口を閉ざして、いつも有耶無耶です
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薬九層倍 (kaeru )
2019-03-31 13:32:36
この言葉は江戸時代に端を発しているそうです。坊主
丸儲けの方が利幅が大きのですから、人の命は昔から
儲けのもとになってきたわけです、

とは言え、薬屋や医者よりも病人の方が人数は多い
し、ましてや坊主の数より死んでいく人の方が多い、
死んでいく人の親族を入れれば坊主数をはるかにこ
えるでしょう。

要するに少数派が多数者を金力権力を使っての諸手
段により抑える、だまかす、懐柔するなどなど。と
なれば多数者の利益が優先する正当な社会・世論づ
くりができれば問題は解決するのです。

数学よりも算数の水準の問題ですが、さてこの問題
に取り組んで人類は1万年を要してきたようです。
そろそろ解答を出す時期がきていると思います。
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