kaeruのつぶやき

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川柳、この瞬間芸。

2018-05-10 22:40:11 | 「てんがらもんラジオ」

   川柳を和歌短歌俳句と比べて、その面白さは自由さにあると思います。その自由さは日常の生活用語の口語であること、日常感情を五七五のリズムで表現できることの面白さ楽しさです。

   下の色紙の句は今日の「てんがらもんラジオ」の特選、ひげ爺さんの一句で、チーフの村永さんが書かれたものです。

これについては特選を知る前にひげさんが書いたコメントがあります。

ひげの投句の一句目は【マラソンで 俺に勝ったら 嫁にやる】 
ジョグノート(マラソンが趣味のブログサイト)の皆さんは気持ちがお解りでしょう(笑。
ひげも娘が結婚を切り出した時にそう言ったのです(対戦相手は娘ではなく彼氏ですよ(笑。
実際には結婚前に一緒に走る事は無かったのですが、結婚後に何回か同じ大会に出て10kmとハーフを走りました。 

いずれもひげが勝ちましたがね(楽しい思い出です・笑。 

 

この結婚する娘に対する男親の気持を、娘の相手を使って言い表す面白さは、ハマると抜けられない川柳の醍醐味です。それにこうして色紙に書かれるとやはり五七五は縦書きで読みたいと思います。

以前紹介した『新 現代川柳』(三省堂刊 田口麦彦編)に、川柳の楽しみは

「目で読むたのしみ、耳で聴くたのしみ、そして頭脳を使って創造する三つのたのしみがある」

と書かれていました。そして、

「人間や社会のありようを、わずか五・七・五の十七文字で活写する。

   短くて鋭い。一瞬のうちに人の心の動きや時代の空気をすくい取るーいわば瞬間芸である。」

この瞬間芸というところに俳句とか川柳の核心があるのではないでしょうか。読んだ人を瞬間に引きつけるだけでなく、詠んだ時も瞬間に頭に浮かぶ、指を折り五七五の調子を口にしながら整える時もあれば、思いもかけず浮かぶ瞬間句もあります。

最後に、田口麦彦さんが『新現代川柳』のシメに書かれています。

「    我が家では何にもしないボランティア        江畑哲男

       夫より一日長い命乞い                            田中ヨシ子

  こんなたのしいものが、この世にある。」