若い大相撲担当記者が「手数入」(でずいり)な
る用語を知らないからなのか、或いは相撲協会
とかNHKなどが使用しないからなのか…。
明治神宮のどの辺に「土俵」〔土俵場の略〕が
存在するのだろうか。そんなものありはしない。
「手数」という言葉は、相撲に関する古典
『相撲傳書』のなかにも、『相撲家傳抄』(『行
司家傳抄』)のなかにも、ちゃんとはっきり出て
いる。この場合、「手数」とは相撲の“技”のこと
に他ならない。〔中略〕これを「でずいり」と読む
のは吉田司家の伝承であって、例えば、正月の
“射礼”を“しゃれい”と読むことなく“じゃらい”
と読むのと揆を一つにしているに決っている。
昭和九年夏、熊本に二三世吉田司家を訪ねたとき、
〔中略〕手数入には
神前手数入・地固め手数入・婚姻手数入・田植え手数入・
お産手数入・出陣・帰陣の手数入・方屋(土俵)手数入
などがあり、それぞれ「祓い」・「祈り」・「願い」・
「祝い」・「誓い」の意味が含まれている旨、詳細に
説示してくれた〔後略〕
『大相撲』誌の彦山論文より抜萃いたしました。
る用語を知らないからなのか、或いは相撲協会
とかNHKなどが使用しないからなのか…。
明治神宮のどの辺に「土俵」〔土俵場の略〕が
存在するのだろうか。そんなものありはしない。
「手数」という言葉は、相撲に関する古典
『相撲傳書』のなかにも、『相撲家傳抄』(『行
司家傳抄』)のなかにも、ちゃんとはっきり出て
いる。この場合、「手数」とは相撲の“技”のこと
に他ならない。〔中略〕これを「でずいり」と読む
のは吉田司家の伝承であって、例えば、正月の
“射礼”を“しゃれい”と読むことなく“じゃらい”
と読むのと揆を一つにしているに決っている。
昭和九年夏、熊本に二三世吉田司家を訪ねたとき、
〔中略〕手数入には
神前手数入・地固め手数入・婚姻手数入・田植え手数入・
お産手数入・出陣・帰陣の手数入・方屋(土俵)手数入
などがあり、それぞれ「祓い」・「祈り」・「願い」・
「祝い」・「誓い」の意味が含まれている旨、詳細に
説示してくれた〔後略〕
『大相撲』誌の彦山論文より抜萃いたしました。