渡邊光太郎氏の遺著『昭和の相撲史
戦前篇』より昭和十八年五月場所の項
を抜萃してみたい。
十日目(二十一日) …山本五十六海軍
大将(元帥)の戦死が伝えられ、…竹下
協會長以下役員の力士が整列して黙禱〔中
略〕竜王山─青葉山は〔中略〕引き分けと
なった。〔中略〕両力士に敢闘精神がないと
いう理由で、翌日からの出場を停止〔中略〕
十一日目(二十二日) …力士会でこの問題
を取り上げ、「あれで本人同士は精いっぱい
…」と協會に出場許可を懇願したが……
こちらの勝手な推察だが、協会に推戴された
竹下勇は相撲体験があったかも知れないが、
所詮は“素人”だ。真剣勝負か・否かの判断
する能力を欠いていた。
「理事13人のうち力士出身者が10人を占める
理事会の構成は、組織運営が社会通念とかけ離
れ、機動力を欠く最たる要因…」と「主張」するS紙
の論説者は、相撲史に疎いと云わざるを得ない。
戦前、外部の軍人に会長を推戴していたのに、
上記の如く、誤った判断を下しているじゃぁ
ないか。
相撲の観客の深層心理なんか元力士の玄人に
わかりっこないが、嘗て堺屋太一元経企庁長官
が語ったように、「将棋」に次いでプロ・アマ
の実力差のあるのが角界なのだ。だから、その
真髄は矢張り素人よりもプロの「相撲人」の
方がノウハウを熟知できる立場━そう云う側面
を無視できまい。
戦前篇』より昭和十八年五月場所の項
を抜萃してみたい。
十日目(二十一日) …山本五十六海軍
大将(元帥)の戦死が伝えられ、…竹下
協會長以下役員の力士が整列して黙禱〔中
略〕竜王山─青葉山は〔中略〕引き分けと
なった。〔中略〕両力士に敢闘精神がないと
いう理由で、翌日からの出場を停止〔中略〕
十一日目(二十二日) …力士会でこの問題
を取り上げ、「あれで本人同士は精いっぱい
…」と協會に出場許可を懇願したが……
こちらの勝手な推察だが、協会に推戴された
竹下勇は相撲体験があったかも知れないが、
所詮は“素人”だ。真剣勝負か・否かの判断
する能力を欠いていた。
「理事13人のうち力士出身者が10人を占める
理事会の構成は、組織運営が社会通念とかけ離
れ、機動力を欠く最たる要因…」と「主張」するS紙
の論説者は、相撲史に疎いと云わざるを得ない。
戦前、外部の軍人に会長を推戴していたのに、
上記の如く、誤った判断を下しているじゃぁ
ないか。
相撲の観客の深層心理なんか元力士の玄人に
わかりっこないが、嘗て堺屋太一元経企庁長官
が語ったように、「将棋」に次いでプロ・アマ
の実力差のあるのが角界なのだ。だから、その
真髄は矢張り素人よりもプロの「相撲人」の
方がノウハウを熟知できる立場━そう云う側面
を無視できまい。