今日づけS紙の「正論」━東大教授の
玉稿から抜萃させていただく。
人口増に対する日本の第一の解決策は
徳川時代以来、間引きだった。柳田國男は
明治21年、茨城へ行き、どの家にも子供が
二人しかいないのは、生れた赤子を口べらし
のために殺すからだと知ってショックを
受けた。〔中略〕20世紀になっても日本の
田舎ではそんな形で口べらしをしていた…
この辺を読んですぐ閃いた━明治初・中期
に無敵を誇った横綱梅ヶ谷藤太郎〔初代〕の
怪伝説だ。彼は出生直後「間引き」の対象に
されたが、運よく生命を絶たれることはなく
丈夫に育った云々。
ところが、7年前に刊行された『…梅ヶ谷
…詳伝』は、間引きなんてあり得ないと云う。
…特に儒教の思想の浸透していた当時、当
地方〔註=福岡県南部〕としては、現代よりも
清廉で、一般的には法の遵守がなされていた
……
果して、そう単純なものだろうか。都会に
非ず田舎であり、明治後期に非ず幕末期の話
である━。
玉稿から抜萃させていただく。
人口増に対する日本の第一の解決策は
徳川時代以来、間引きだった。柳田國男は
明治21年、茨城へ行き、どの家にも子供が
二人しかいないのは、生れた赤子を口べらし
のために殺すからだと知ってショックを
受けた。〔中略〕20世紀になっても日本の
田舎ではそんな形で口べらしをしていた…
この辺を読んですぐ閃いた━明治初・中期
に無敵を誇った横綱梅ヶ谷藤太郎〔初代〕の
怪伝説だ。彼は出生直後「間引き」の対象に
されたが、運よく生命を絶たれることはなく
丈夫に育った云々。
ところが、7年前に刊行された『…梅ヶ谷
…詳伝』は、間引きなんてあり得ないと云う。
…特に儒教の思想の浸透していた当時、当
地方〔註=福岡県南部〕としては、現代よりも
清廉で、一般的には法の遵守がなされていた
……
果して、そう単純なものだろうか。都会に
非ず田舎であり、明治後期に非ず幕末期の話
である━。