開口一番にこれを言わせてください・・また「クリント・イーストウッドにやられた」この一言ですね。
まずは良い映画でした。
どうなってしまうのだろうという緊張感(事故の場面ではなく・・・)と心地良い結末でした。
さすがイーストウッドが惚れ込んでいるらしいトム・ハンクスはやっぱりいいですね、それと副操縦士役のアーロン・エッカードという俳優も渋くて見事でした。
事故機を厳寒のニューヨークのハドソン川に着水させ乗客乗員全員の命を救った英雄から一転、そのような無謀な危険を犯す必要があったのかという当局の追求により犯罪者扱いされてしまう機長達が公聴会で事故調査委員会のメンバーと遣り取りする場面の緊張感は紛れもなくこの映画の見せ場でした。
コンピューターによるシュミレーションでは近辺の二つの空港に着陸可能だったという結果がでます。更には実際の操縦士達を使ったシュミレーション飛行においても同じ結果となり、追い詰められる彼らですが、その時の実際の状況のことをサリー機長は逆に追求します。精神的な状態とか決断をするまでの時間のこととかを・・・そしてその判断までの時間、実際はすべては208秒の間に判断したことを35秒だけプラスしたことにして更なるシュミレーションを行います。
その判断までの時間35秒だけを加味したことにより、どちらの空港に向かっていても墜落、という結果が出ます。
凄いですね・・・。
そして最後に実際の操縦席での会話が参加者全員にヘッドホンによって流されます。それは当事者の二人にもです。
その後休憩を求めた機長は廊下で副操縦士のジェフにこう言います「君が誇らしかった。あの状況で冷静さを失わない君が」と・・・・。
更に調査委員の女性が個人的にと云うことで機長に「我々はこの事故調査においてXを加味していなかった、そのXは機長のあなたでした・・」それに対して機長は「乗務員も乗客もフェリーの対応も警察の救助隊もすべてが成し遂げたことだ」と答えます。
そしてこの調査官は副操縦士に「もし、またこのような状況に見舞われたらあなたはどうされますか」と聞きます。
彼は「勿論同じ対応をとる」と断言するのですが「できれば7月が良い・・」と言って会場を笑わせます。
いい場面でした。
観た後心地良い感動がこみ上げてきてサウンドトラックが終わるまで最後まで席を立たずにいました。
その時漠然とこんな思いがよぎりました。
「やっぱり男は心も身体もタフでなけりゃだめだなぁ・・ほんと」