11日の日曜日に四日市で日本犬保存会の主催する展覧会、三重展がありました。
僕は京都から1時間少しかけて現地に出向き、朝からお昼過ぎまで見学させてもらいました。
家のコクは出展していませんが、他の紀州犬との特徴的な相違とか比較しながら客観的に見てみるということと、いつもメール等で連絡を取り合い貴重な意見を頂いている大阪のK氏にお会いし一度御礼をかねて挨拶をするという目的もあり、楽しみに出かけた訳です。
K氏は今回審査員で参加している為、立場上あまりゆっくりとお話もできず残念でしたが、会えてお互い顔を見知っただけで良かったと思っています。
彼の審査振りは大変好感の持てるもので、同時に確固たる自信と信頼感も感じました。その真摯で真面目な態度はなかなか気難しい紀州犬飼い達の中で、少なくとも僕のまわりの評判は良かったです。まだ若い審査員で古株の会員さん達には大変気も遣うでしょうが、今後も是非頑張ってもらいたいものです。
やはり、何でも情熱・・・・なんですね・・それにかける・・・。出す方も見る方も・・・です。
小型の部と中型の部に別れ、小型の部は柴犬です。中型は紀州犬、四国犬、それと今回は出展されていませんでしたが甲斐犬この三種になります。
小型の柴犬には興味がなく、もっぱら中型・・・紀州に注目しましたが、僕的に正直・・これは好みや!・・・と云う犬が見受けられませんでした・・あくまで善し悪しは別です。カッコ良い犬たくさんいましたよ・・・。
ただ、そんな中、現役の猟師さん(83歳・・・とのこと)が曳いていた四国犬の雄犬に大変惹かれるものがあり、後でゆっくりとお話もさせてもらい名刺まで頂き、更に僕の地元の隣町の紀州犬愛好家のO氏も紹介していただきました。
この方は凄いですね・・・現役猟師で年に何十日も山に入るそうです。歳なんかまったく関係なさげで、友人のNさん(この方は僕の剣道繋がりの方で優しげな紳士ですが、紀州犬界では相当のベテランでかなりの顔役のようです・・・最近判ってきた・・・)いわく、イノシシ狩りの名人でこの人の横に出る人は居ないだろうとのことでした。
犬の仕込みもプロですが、何よりそのくくり罠の仕組みで特許まで取得しているらしいです(もちろんライフル一丁担ぎ、犬二匹を連れて山行きの狩りもするそうです・・・・)
特に感心したのは、イノシシがどこに足を置くか・・・何時どのような時に油断するか・・・と云うようなことに精通しているらしく、自身がイノシシになったつもりで這って罠の位置などを決めほとんど百発百中らしいです・・・・すごいなぁ・・・・。
この罠の仕組みの内容にも感心させられました・・・イノシシが掛かった時、暴れても痛みが余り無いような仕組みになっていて、酷く暴れて仰向けになって死んでしまったり、暴れまわって廻り一面を荒らしてしまうことも少ないとのことでした。
素晴らしいですね・・・こういう隠れた仕事師がいるんですね。ほとほと感心してしまいます。
御年83歳・・・・「わしゃ十年くらい前に肺がんになってなぁ、手術して元々5500位あった肺活量が4000位になってしもうてなぁ・・・その年は山でもきつかったわぁ・・・でもな今はもうすっかり元通りやけどなぁ・・・」
こんなこと、こともなげに言ってました(苦笑・・・)
楽しい人に出会いました、今度自宅にお邪魔しようと思っています。
因みにブログまでやっています(参った・・・)※「オオボラマタギ」で検索可
で、すっかり犬の話からこの「ぶいち」(武一さんといいます)の話になってしまいましたが、どこにでも新しい出会いというものがあるものですね・・・そのことつくづく思いました。
さて、コクなんですが、やはり結構運動量がきつく多いせいか他の犬と比べ身体が締まっていて大きくは見えません・・・やはり、元々山で働く犬は山で走り廻るのが一番のようで、そのせいか見る犬見る犬皆何となく太って見えましたね。それは大きい犬もいましたが何となく・・・絞まり・・というか堅さというかそういうものをあまり感じさせてくれる犬が少なかったように見えました・・・何度も言いますが展覧会の基準における善し悪しとは別のものです。
展覧会では那智やコナのような斑の紀州は審査の対象外で参考程度の存在でしかありませんので、今後とも出展することはありませんが、友人のN氏が「天然記念物」の指定を受ける審査に出せば・・と言ってくれていますのでそれはそれで考えてみようと思っています。
コクをいずれ出展させてみようと考えています。
帰りがけ、意外な人に出会いました・・・・同じ吉田さんの家系の犬達で出展することもなく見学に来たらしいですが、偶然僕が気になる犬を見かけたので写真を撮らせてもらおうとお願いして少し話を聞いていたら、何と同じ吉田犬・・・で、メールで里親探しをしている時にお世話になった愛知県のFさんでした。Fさんの犬達は家のコク、コナより一ヶ月程早く生まれて互いに情報交換などしていましたが、実際にこうして出会えたのはとても幸運で嬉しかったですね。
コクやコナよりかなり小振りな犬達でしたが、さすがの古き良き・・・という感じのいい雰囲気の子達でしたね、性格も素晴らしく温厚で感心しました。
と、そんな一日でした。帰ってからコクと疎水沿いをのんびり散歩しながらつくづく「この子達と出会えて本当に良かったなぁ・・・」などと思い、愛おしくもある我が犬を眺め、犬が取り持つ縁・・・のようなことも脳裏に浮かび、ふと、何となく豊かな人生の断片のようなものを感じましたね・・・。
写真貼っときます。この日一番のお気に入り・・ぶいちさんの四国犬・・呼び名「長助」
長助 これはコクです・・。
どうです・・・カッコ良いでしょう?
白を曳いているのは熊野の同級生S・・・大変なベテランです、30年も前の話ですが、一緒に就職試験を受けに行ったこともあります・・・こいつ、面接で趣味を聞かれ「犬です・・・紀州犬です・・」と、しどろもどろに、そんなこと言っていました(笑・・二人とも不合格・・・)その頃から、いやもっと前からですからね・・・大したもんです・・ただ余りに顔が老けているのでカット・・・しました。