今月の初旬、少し暑さも和らいだ夕刻に久し振りに那智(我が家の珍しい班毛の紀州犬)を散歩に連れ出しました。
少し走った後に珍しい知人に出会い立ち話をしていたら(那智は僕が誰かと話していたら必ずと言ってよい程ずっと自転車の横で座って待っています)そこにいつも仲の良い柿沼家の三匹(甲斐犬のゴンとハヤテそれと那智の子の小梅)が、もちろん飼い主に連れられてというか軽トラに乗せられてやって来て、いつものようにお互い嗅ぎまわったりして仲良くワイワイと賑やかにしていたのですが、まぁウンチも済ませたことだしそろそろ帰ろうと云うことで、僕たちはみんなに挨拶をすませ、そのまま家に帰りました。その後なんですよね。
どうも那智の様子がおかしい。
しばらく様子を見ていたのですが、かなり疲れた様子でなんだか水すらも自分では飲めなくて、もちろん食欲もありません。ぐったりして時々つらそうな短い悲鳴を上げたりしてね、これには僕も家内もとても心配しまして、まず症状からして熱中症としか考えられないので、とにかく水は手で飲ませ、氷袋や冷凍パックやらで腹から脇、それに喉元を徹底的に冷やしながらほとんどずっと付きっきりで様子を見守りました。
しばらくすると少し元気が出てきたようで胸をなでおろしましたが、まだいけません。
翌日も余り食べないし、相変わらず水を飲むにも容器に頭を下げられないのです。
イヤー、一瞬このまま死んでしまうのではないかともう気が気ではありません、あたふたしました。
もしものことを想像していくら心の準備をしようとしても、胸が締め付けられるようでいけません。
那智は来年2月で14歳になるかなりの老齢です。
いくら普段は類まれな元気さでいつも感心していたといえどもやはり限界というものがあるもので、それが今じゃなあろうかとほんと心底心配しました。
娘(彼女は犬の専門家で、多くの犬と関り、訓練したり預かったりして今も毎日多忙にしている)に相談して色々アドバイスももらったりしながら慎重に過ぎゆく時間を見守っていました。
で、2日過ぎた頃からようやく自力で水が飲めるようになって、同時にいつもの二階の僕の部屋によたよたしながらも上って行こうとするようになりました。
ただいつものようなわけにはいきません、もちろん調子よく上がって行くことはできず、僕が後から支えてやらなければならないような状況で、ほんとヘロヘロで足元もおぼつきません、それでも自分の寝床に行こうという意識があるので好きにさせていました。
日頃からあの子の凄さは、我が家の急な階段をあっという間に登るのは勿論のこと、その階段を躊躇することなくリズムよく駆け下りてくるところにあります。それも平然とね。
とにかく大した運動能力ですから・・・。
それが随分昔のことのように思えるほど弱り切ってしまいました。
勿論下りは僕が抱かえて降ります。そういう日が何日か続きました。
ということでその後のことです。
その抱いて階段を降りるというその習慣も何だかんだと数日で終わりました。
やはりあの子は只者じゃありませんでした。
すぐに自力で降りようとしだしました。それからまた数日過ぎた頃には、僕がフォローしながら躊躇しつつも慎重にようやく自力で降りてくるほどになりまして、それでもまだ介護状態でしたけどね。
そうこうしながらある時、突然、僕が目を離した隙に自分で勝手に降りてきて、まるで何事も無かったかのようにいつものフロアで寝転んでいました。えっ!みたいな感じでしたよ。
で、結論的に現在はどうなったかということなんですが、以前とまったく同じに戻りました (>_<)
今やそれが当然のことのように、いつの通り好きな時間に好きなように勝手に駆け降りてくるようになりまして、その後に自分のソファーに飛び上がる時のジャンプ力もスピードもリズムも前と変わらぬどころかそれ以上かと思わせるほどです。
今は、何食わぬ顔しています。
長々と「那智」の熱中症のその後を書いて来ましたが、一時は「別れと死」も覚悟したものの、要するに今や完全に回復と云うか復活したということです。
僕も家内もそのいつもながらの動きを見ながら顔を見合わせては呆れています。
そして今はその強靭な体力と回復力に唯々驚いています。そして嬉しいのです。
外の段々畑跡を駆け上がる姿も、涼しくなって再開した僕の自転車散歩に付いて走る姿も前と何も変わりません。
鉄人だわこりゃ!鉄犬かぁ・・・なんて思っていますよ。
ということで、犬バカ日誌じゃないですがそんな近況です。
ありがとうございます。