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エンデのモモを読む①

2022-10-05 09:36:29 | 日記

エンデのモモを読む①

 何を言いたいのかよくわからないファンタジーで、何度も読んだし映画も見に行った。それでも何を言いたいのかこちらの勝手読みみたいになってしまう。イソップみたいに読み間違えしようのないような物語にしてもらいたいものです。思うにエンデの言いたいことは、時間泥棒の件だけであって他の場面も何かの暗喩になっているのかもしれなくて読める人は何事かを読み取るのかもしれない。

 時間泥棒業の人は明らか銀行業または資本を扱う仕事の人であろう。私の理解では、お金は交換の手段や価値の保全程度なら便利なものだけど、利息をつけることにしてしまったために大変面倒くさいものになってしまった。資本として使用して利益を出さないと利息を払えないのでお金に働いてもらわないといけない。お金だけが働いてくれるんならいいんだが、どうしても人も人も一緒に働かないといけなくなる。人が資本に使役される状態になってしまう。しかもそこで得た給料をまた利息欲しさに資本の中に組み入れてしまうから、資本が巨大化してその分人がますます忙しくなる。これはけしからんという主張であろう。

 確かにここ数十年を見ても、便利な世の中になったのだから暇が発生するはずなのに、却って忙しくなっている。資本の膨張をやめさせれば元の生き生きした生活が戻るに違いないとおっしゃる。生き生きした生活にするべきだとおっしゃる。

 しかしできてしまったものをできなかった昔に戻すことは不可能ではないか。可能かどうかわからないが資本の暴走を止めるようにするのが関の山ではないかと思うがどうだろうか。聞くところによると腸内細菌には善悪いろいろあるようだが、ヒトと共存共栄の関係にあるらしい。しかも、ヒトの考えまで操っているという。そう言えば「腹で考える」と昔の人は言った。それと同じで、ヒトはみんな資本という腸内細菌を持っていて、共存共栄の関係にある。せめて善玉を増やして悪玉をなくすのができるぎりぎりのところではなかろうか。

 エンデさんの主張は、疲れ切った私どもには心地よく聞こえるけど、またそうなったらどんなにいいだろうと思わせるものがあるけど一服の清涼剤にしかならない気がする。