本の感想

本の感想など

項羽がケインズを知っていたらよかったのに④

2022-10-04 20:24:43 | 日記

項羽がケインズを知っていたらよかったのに④

 せっかく天下を取ったのに、都市流入民や戦争捕虜のために仕事を作ってあげるなんてあほらしと思うようでは王様は勤まりません。お祭りのようにして自分の墓を建設しないといけなかったと考えられます。豊臣秀吉は、にぎやかに大阪城を建設したと言います。そこで必要ならもう少し大きな公共工事をやればいいのにああ面倒くさいこいつら戦争で滅ぼしてやろうと朝鮮討ち入りなんてことをやったもんで、自らの政権の命も縮めたし、のちの世の評判もダダ下がりになってしまった。

 ここで、古代の農民は税金払って皇帝はそれを都市流入民に流したんですから農民が損してるように見えるけど、皇帝の威徳によって耕す土地が保証されかつ天に祈ってくれるので作物の出来がいいとされているのでまあ丸損というわけでもない。都市流入民はタダでもらってるわけでもないので丸儲けではもちろんない。皇帝はいい思いもしたかもしれないが孤独で時には危ない目に合う、なにより不作になるとお前のせいだとひどいお叱りを受ける。

 一番得なのは、盗掘した奴と後代それを博物館や美術館で鑑賞する人か。

 


項羽がケインズを知っていたらよかったのに③

2022-10-04 11:43:22 | 日記

項羽がケインズを知っていたらよかったのに③

 そこで項羽のことです。20万の戦争捕虜を生き埋めにしたとあります。それでは、人心を失いせっかくいいところまで来ていたのに最後は劉邦に負けてしまって気の毒なことです。巻き添えを食らった虞美人はもっと気の毒です。ケインズを読んでおれば項羽が天下を取ったのではないかと推察します。

 戦争捕虜をずーと長く何も仕事をさせないで保護し続けると、人間感謝の気持ちを忘れやすいもんですから碌でもないことが起こるでしょう。だからと言って生き埋めにすると今度は項羽自身の部下が反抗して四面楚歌になってしまいます。ケインズの言う穴を掘ってそれを埋め戻すような仕事を項羽自身が始めることです。自分の墳墓を作ることが当時思いつく一番の公共事業であったと考えられます。

 これでは、折角天下を取ってもまた別の大きな義務をしょい込むことになりますのであんまりうれしくありません。しかし、天下を取るととったで苦労が絶えないのは、今の大統領や総理大臣も同じことでしょう。

 ヒトの生産性が爆増した時、その富をさらに生産性を上げる方向に使うと富の格差が大きくなりますから社会が不安定になります。生産性をあげない方向でほどほどのところで納めるためには相当の知恵が要ります。さらに効率よく働こうなんていう新自由主義はとんでもないことです。その知恵を国民国家の時代にはケインズはこうすればいいと表現した。これからはちょっと社会の構造も変わりそうですので、少し表現を変えたものにする必要があるんじゃないかと思うのですが皆さんはどうお考えでしょう。古代の巨大墳墓、ちょっと前の公共工事に代わるものを思いつかねばいけません。