項羽がケインズを知っていたらよかったのに②
ピラミッドと同じようなことは、イースター島のモアイ像やナスカの地上絵なども同じような趣旨ではないかと考えられます。当時は貨幣経済ではありませんから食料または布と考えられます、これを余っているからとタダで配っては税を支払ってる方がアホらしいから働くのをやめるので絶対してはいけません。(ベイシックインカムはこの観点から危険と考えられます。)しかしだからと言って新田開発とかに労働力を振り向けると、さらなる余剰生産が発生して将来さらに余剰労働力が発生して収集がつかなくなる可能性があります。将来の生産に結びつかないでかつ王様の権威を高めるものを作る必要を満たすものをおのおのの国で考えると似たものが生まれます。
同じようなことは、ギリシアのオリンピックに見られます。(これは今でもその役割を果たしていると考えられます。)しかしローマ帝国は水道橋という将来さらなる余剰生産に結びつくものを作ったのはちょっと智慧が足りなくて失敗と考えられます。もっともローマは帝国ですから外へ外へと拡大しますので拡大している間はこれでも良かったかもしれません。同じようにローマはパンとサーカスという都市生活に必需のものをタダで配るという してはいけないことをしてしまいました。サーカスの方はあまり意味のない巨大建築物をつくるという目的を満たしていますが、パンをタダで配ってはいけません。
日本では、奈良の大仏がこれに相当するのではないか。律令制は長く守れるはずがなくあちこちに私度僧が発生して山賊も出たかもしれません。これに働き口を授けるために良弁があっちこっちから寄付を募ったと考えられます。もちろん一番大口のパトロンは聖武さんであったろうと思われます。時代が下って参勤交代行列がこれである可能性があります。その初期には大名の富力を奪い取る目的があったようですが、のちには都市流入民に仕事をあたえる、権力者の権威づけに役立つ以外の役に立たない、雇われた人足は仕事をやって心の満足につながるといった目的を果たしています。さらには、人足を集める口入れ屋は中抜きができて満足したと考えられます。やってるお大名は大変だったようです。しからばピラミッド造りも王様はやめたくてやめたくて仕方なかったのではないか。参勤交代の原案は天海和尚に違いないと思います。良弁と天海ともにすごい行政能力を持っていたのではないか。こういう人は現代にはいないのかな。もちろん古代の日本の古墳はこの目的の巨大な公共工事でしょう。戦争捕虜や流民を食べさせる目的があったと考えられます。
中国では、歴代皇帝の陵墓建設が巨大公共工事の代表でしょう。さすが豊かな国だけあって建設が始まると盗掘をしようと盗掘団は建設地点に向かう穴を掘るのだそうです。盗掘はもし自分の代でできたのなら宝くじに当って大金持ちなんてものではありませんすごい生活ができると考えられます。しかしさらに次の生産を呼び込むという意味での生産的事業ではありませんから盗掘そのものがピラミッド建設と同じような巨大公共事業となります。ただしこれでは神聖な仕事に従事しているという満足感は得られないのではないか。ですから盗掘はいまここで議論している公共工事の範疇から除外しないといけないかもです。