notation

映画【眉山】

2007-12-07 23:46:25 | 映画
 
 
眉山
2007
犬童一心


ビックリするほどのまっすぐな映画です。
変化球一切無し。
覚悟していたとはいえ、驚きです。

犬童監督、元CMディレクターとは思えぬ全編への力配分。往々にしてCM出身の監督は、ある1シーン・1カットに愛情を込めすぎるものです。
逆に言えば、映像ならではの演出が少なかったのかもしれません。けれども、作品のテーマはこの方法で伝わります。

ただ、脚本がフラットすぎ。細かい描写は生きているのですが、その演出部分と作品のテーマに距離があると感じました。
演出と脚本が乖離してしまっています。
お話の部分はほぼ原作の力では。
本作の脚本家の山室有紀子と言う方は以前ボロクソに書いた「タッチ」の脚本家でもあります。まぁ、あれは誰がどう書いてもあぁなるのはやむを得ずのハズレくじ。
日常を描く様な低予算モノには向いているのかもしれませんが、ある意味ベタな作品には向いていない気がします。

ついでに言えば、松嶋菜々子の手がゴツすぎ。
松たか子でやってほしかった作品です。


さだまさし原作の前作「解夏」(磯村一路監督)よりも、更にソリッドに磨き上げられた国産映画の正しい方向。
こういう作品はたまに観ると良いものです。
地方都市モノに弱いです。