新しくなった横浜のヨドバシカメラで小一時間スピーカーの試聴大会。
先日、スピーカースタンドを買い、ケーブルを変えたばかりで、今使っているTechnicsのスピーカーの性能をフルに発揮できたという筆も乾かぬうちからそんなことやっています。
ほとんど欲しいモノは決まっていて、ダメ押しの為に言ったのですが、押されたのはこちら。
JBL 4312Mというコンパクトなスピーカーを買う気満々で向かい、念のため試聴させていただこうと。
しかし、何故か横浜ヨドバシカメラはJBLの品揃えがやたら良く、ざっと観ただけでもラインナップの殆どがあるのではと思うほど。他多数のスピーカーとは隔離され、JBLだけが独立したユニットで試聴システムを組まれていました。
で、4312M、4312D、4318、4305H、4304Hあたりを入念に試聴させていただきました。
概ねの感想として一番好感が持てたのは4312D。やはりベストセラーだけあって、JBLのスピーカーを持っていない私にも「これがJBLサウンドか・・・」と思わせる音色。もの凄いクセのあるスピーカーなんですね。いわゆるモニタースピーカーらしいのですが、これがフラットだとは思えません。田舎丸出しという音ですね。バーボン作ってる国の音という感じがします。先日、私のバーボン観を覆すようなバーボンをある席で飲ませていただいたのですが、その味がこの音。クセがあるだけじゃなくて、旨い。
多分、JBL全般がこうなんでしょう。空気を包み込むような音です。音が出ているというのではなく、その空間にいるという感じ。
4318は良いに決まってると思って聞いたらやっぱり良かった。JBLサウンドに加え、解像度が高いというか、楽器一つ一つの位置がくっきり分かるくらいの立体感。コレに比べてしまうと4312Dは部屋の中が霧がかった感覚です。でも、その感覚が嫌いじゃない。
4305Hは音が早いというかレスポンスが良いというか、現代的なハウスとかテクノとか聞く分には良いのでしょうが、しっとりとしたジャズやボーカルモノなんかは不得手の様な感じがします。あまりにもくっきりした音で長時間聴くと疲れてしまいそう。若い人にはこちらがオススメなのではないでしょうか。なんて書くと自分が随分歳をとった気がしますが、実際に家で聞くモノはロックでもしっとりとしたモノばかり。昨日からずっとジョン・レノンとジミー・スミスです。
ルックスで食わず嫌いをしていたものの、意外と嫌いじゃなかったのが4304H。ウーファーが一つのスピーカーに2つ付いているちょっとお得な感じのスピーカーです。音の広がりがより広い。包まれるような感じ。でも、その分ステレオ感がちょっと犠牲になっています。無茶苦茶広い部屋に住んでいたら5.1chでこのスピーカーでもアリかなと。
そして、一番驚いたのが4312M。コンパクトスピーカーとは思えない馬力。低音がやや弱いのはサイズの制約なのでどうしようもないとしても、中高音域はコンパクトとは思えない。このスピーカーならちゃんとスタンドに乗せて耳の位置で聞けば間違いないと思い、ちょっと高い位置に置かれていた4312Mを耳の高さで聞くためにその辺にあった椅子の上に乗ってしばし試聴。好き。
ちょっと浮気してB&Wのスピーカーを聴いてみたんですが、おとなしすぎ。オクテ。というかつまらん。ちょっと無茶な音を鳴らすJBLが好きなようです。途中から交代したオーディオ専門の店員さんにも「あんたはJBLの音が好きなんだろ?」という態度を取られてしまった。プロにはかなわん。
村上春樹のコラムでJBLについて書いている言葉でとても良く覚えているのが「神経症的な音を出すモニタースピーカーを出す前の時代のJBLが愛おしい」というのを曖昧に覚えているのですが、それってどんな音なんでしょう。やっぱりオールドの音なのかしら。ジャズをモノラルで聴くほどのコアなファンではないのでやっぱりちょっとは現代的な音に吸い寄せられてしまいます。
なぜそこまでJBLに固執するのか。デザインが好きだから。そして、やっぱり音が好きだったから。
まだ買っていませんが、また嬉しい悩みが増えてしまった。こないだ買ったスピーカースタンドが無駄になってしまうかも知れない。それならそれで構わない。
JBL
| Trackback ( 0 )
|
|