notation

JBL(その2)

2006-10-31 01:11:48 | 
先日アンプを買い、JBLについてのエントリでぐたぐだ書き散らしたあげく、買ってしまいましたよ。
JBL 4305H WX
思いの外早く納品されました。
これでやっとピュアオーディオのスタートラインに立つことができました。富士山で言えば、やっと富士宮駅に到着。

JBL伝統のブルーバッフル(青い前面パネル)に白いウーファー。天然木のエンクロージャー(上下左右のガワ)最高です。カッコイイ。

土曜・日曜と各々マイCD持参の友人と共に普段は買わないちょっと高いウィスキーを買い込んでの試聴大会。
「JBLでジャズを聴きながらシングルモルトのスコッチを飲む」と言うのは村上春樹直系としては外せません。ミーハーで悪いか。
ただやってみたかったことなので、ここはスルーでお願いします。

ということで、一通りCDやらレコードやらMP3を試聴してみました。
電気音楽('90以降)~ポップス('80~'06)~ソウル(主に'70)~クラシック('50~'06)~ジャズ('60~'70)を各レコード・CD・MP3で。

やはり、音が早い。ツイーター(高音域が出る小さい穴)のアッテネータ(音量調節)を絞り気味で使っています。もうちょっとウーファー(低音が出る大きな丸)が馴染んでくればもっと丸い音になると思われます。それまでは聴き疲れがありそうです。
もともとあまり低音好きではないので、これでも良いっちゃ良い。

やはり得意なのはジャズ。というか、アナログソースの60~70年代の音源。この辺はJBLクオリティ。
CDよりもレコード。超低音と超高音を重要視していない設計っぽいスピーカーなので、音域の狭いアナログレコードがはまります。暖かい。
一番キたのはジミー・スミスのオルガンとかマイルスのミュートしたトランペット。ちょっとくぐもった音が最高。

ともあれ、CDでもちゃんとした再現力です。「このCDにはこんな音が入っていたのか・・・」と再認識。今まで聞こえなかったスネア(ドラム)のブラシを掃く音とか、ベースをはじく指の音までも。スガシカオの「午後のパレード」のAメロのボーカルがダブルだったのに初めて気付きました。
そして低音の空間。奥行きがあります。今までのスピーカーだとスピーカーより前面~耳までの空間しかなかったのが、スピーカーの後ろにまで空間が広がっている。けど、ちょっとごちゃっとしてる。これはうちの柔らかい床のせいでしょう。

音の伸びが良い。部屋の一番端っこ(スピーカーから6mくらい)まで行っても音が痩せない。これはやはりきっちり出る中低音のおかげですね。

小さな音で聴いてもちゃんと鳴る。ある程度のスピーカーであれば、小さめの音で聴いても空間を作ってくれます。下手なのだと、ちょっとボリュームを絞っただけでラジカセになってしまう。

今回もリファレンスで使用した小山田圭吾氏のMusicがこんなに深い音だったとは。ショボイスピーカーでもそれなりに聞こえてしまう。ちゃんとしたスピーカーで聴けばもっと広がりがある。変態的なミックス狂です。


上記でおわかりの通り、正直なスピーカーです。あまり脚色は無いようです。
そして、総じて言えるのはソースは選ぶものの、自分の好きな音楽にハマる。これ最高。

しかし、世の中にはもちろんもっと良いオーディオシステムがゴロゴロあります。このエントリを読んで「黙れコゾウ!」と思う先達も山ほどいらっしゃるでしょう。でも私は分相応に「好き」で生きて行ければ良し。
今の私がちょっと無理をして買って楽しめるベストなチョイスだと思っています。

買ったばかりなのでベタ褒めなんですが、ホントに買って良かった。
いい大人がよってたかって大まじめで作った音を聴くいい大人は、やっぱり自分の満足できる環境で聴いて初めて彼らの気持ちが分かった様な気分になれる。お互いの自己満足がシンクロするほど幸せなことはありません。

映画【チャーリーとチョコレート工場】

2006-10-30 04:00:49 | 映画
チャーリーとチョコレート工場
2005
ティム・バートン


今更観ていますが、ティム・バートンの描く毒まみれファンタジーは素晴らしいですね。
気味の悪い人物たち、人の嫌な部分をデフォルメして面白くしてしまう。人のイヤラシイ部分をデフォルメしすぎるとそんなにイヤじゃないのかもしれません。やっぱり気味悪いですけど。

多分ティム・バートンの作品を全てみているわけではないですが、愛すべき異形のキャラクター達が魅力的すぎます。
好きなのはやっぱりシザーハンズか、ナイトメアー・ビフォア・クリスマスのゼロ(犬)。
ところで、本作の主人公:チャーリーが普通の少年だったのは、ティム・バートン監督としては結構珍しいのではないでしょうか。
初期のフランケンウィニーという子供が死んだ犬を蘇らせてしまうお話の子供が普通の子だったかも知れませんが、やってることはキチガイ。

子供が善悪の半別なく、おもしろがって虫を殺すような感覚が所々にある映画です。ウォンカさんなんてそのまま子供だし。
退屈しませんね。ホントにディズニーランド。ぐるぐる回る映画でした。

映画【空の穴】

2006-10-27 01:40:04 | 映画
空の穴
2001
熊切和嘉


青春映画です。
その他、どんな注釈もいらない"青春映画"です。

多分、人間の一番みっともない瞬間をもの凄く旨く描く監督さんです。鬼畜大宴会にしてもアンテナにしても「そこは言わないでおいて!」という瞬間だけが満載。
結論はぼかしてくれていても、多分それまでのシーンに重ね合わせる部分が多すぎて、言わずもがなの結末。勘弁してください。

寺島進は「見栄っ張りで口下手な優しいシャイなあんちくしょう」をやらせたら右に出る者はいないですね。

「どうして自分はモテないんだ?」と思う男必見。(電車系除く)
しかし、俯瞰してみたところで、結局同意するだけなので帰ってタチが悪い。

この映画を観た後はスピッツでも聴いた方が良いかも知れません。この映画の甘酸っぱいところだけを抽出し、自分が思う自分のニュートラルな姿勢に帰るという意味で。それは多分間違いなんですがね。合っていようが、間違っていようが、そうなんだから仕方がない。ほぼスガシカオ路線の映画です。

映画【ターネーション】

2006-10-25 00:47:16 | 映画
ターネーション
2004
ジョナサン・カウエット


俳優志望のゲイの兄ちゃんが11歳から20年間撮りためたフィルムをiMovieというMacに標準で入っている映像編集ソフトで編集して母へのラブレータに仕上げた本作。
カンヌ映画祭やらサンダンス映画祭寄りのアートモノです。ガス・ヴァン・サントが絡んでいるあたりからご想像ください。

凄いですね。
正直、映像としては観ていて酔う程荒いのですが、その荒さがまたハマっています。
20年間も撮りためた中からシーンを抜き出すだけでも相当な労力だと思うのですが、多分そう言うことではなくて、これはこの人の記憶みたいなモンではないでしょうか。
人の記憶とか想いとかをものすごく如実に表した作品にマインド・ゲームがあります。こちらはアニメーションですが、恐ろしいほどのリアリティ。同じベクトル。

本作の編集は、多分、欲しいところは分かっていて、そりゃ苦労はもちろんしているでしょうが、人が撮った訳の分からん映像を編集しているわけではないですし。言いたいことは捜さなくても出てきているんじゃないでしょうか。
確かに、ドキュメンタリーでなくても映画としして成立してしまいそうな人生です。壮絶です。というか、ゲイというだけでもう未知。どうでも良い自己紹介ムービーだと思ったら大間違いです。編集センスが凄く良い。

先日観たばかりのファンタズムのシーンが中盤でコラージュされていました。このおかげで、この人の記憶と自分がちょっとシンクロしてしまったのではないかという錯覚を覚えます。友人・知人を6人またげば世界中の誰とでも繋がるらしいのですが、この映画(ファンタズム)が割とマイナーだということもあって、映画一本でなんとなく同化してしまう気分もあります。

ところで、こういう割とチープに制作された良い映像を見て「自分でもできるんじゃないか?」、と思うのはとても良いことだと思います。私も大学生の頃に「できるんじゃないか?」だけで頭をひねってとんでもない駄作を作っていました。
しかし、それはアートとか自主制作のお話であって、それを仕事に持ち込んでくるアホウがいます。「ターネーションなんて200ドルくらいで制作したらしいよ?"弘法筆を選ばず"なんだからさぁ、頼むよ!」なんて感じで。
バカかと。そりゃ経費だけ200ドルであって、クリエイティブが入ってないんだよ。どこかのアホ達はクリエイティブではなく、必要経費にのみお金を払う感覚なんですね。
だったらカメラとMac買って自分でやれ。
できないから。

映画【ドアをノックするのは誰?】

2006-10-23 00:53:09 | 映画
ドアをノックするのは誰?
1968
マーティン・スコセッシ


すみません、初めて観ました。
カッコイイ。そして情けない。
ラストシーンの教会での台詞が全てです。
フラれた理由をバカみたいに崇高な自分の責任として捉え、それを神に償ったという格好さえつければそのうちなんとかなるんじゃないかという、あぁいう気持ちはありますね。正直。
そんな私の話はいいです。

多分、現代でも無茶苦茶通用するであろうカット割り。たぶん、今のカット割りの原型みたいなモノってこのあたりなんでしょうね。
ヌーベルヴァーグあたりももちろんなんですが、こちらは直接的に、即効性がある。自分が今まで見慣れていた感覚。CM感覚。
今では教科書的に言われている演出(撮影)手法なんかを無視しまくって、でも格好いいんだからこっちの方が良いでしょ?という映像で。
マーティン・スコセッシ監督のデビュー作ということで、どこまでが野心なのか、どこからが商業なのかは分かりませんが、多分9割方趣味じゃないでしょうか。当時では監督以外理解できないことが多すぎ。でも、「このカッコイイやつは何だ!」ということになっているはずです。
タクシー・ドライバーはここから来ていたんですね。

この映画を観ていて思ったことが、モダンだなぁと思ってしまったこと。「モダン」という言葉が適切かどうかは分かりません。
何をして私たちは見聞きするモノを「モダン」だと判断するのか。「2001年宇宙の旅」とか「ハーマンミラーの椅子」とか「バド・パウエルのピアノトリオ」とか「アップルのプロダクト」とか。辞書的には「現代的・近代的」という事らしいのですが、それはそれとして。近現代なんて言ってしまったら60年代以降全て当てはまってしまいます。
個人的大意として「個人的趣味としてではなくちょっととんがってて普遍的にカッコイイ舶来モノ」として使っています。

あぁ舶来主義。浅はかでスミマセン。
純大日本帝国産のモダンと言えば何でしょうか?

映画【ファンタズム(PHANTASM)】

2006-10-22 03:09:23 | 映画
ファンタズム(PHANTASM)
1979
ドン・コスカレリ


友人に一度は観ろと言われていた本作。
所謂カルトムービーです。
恵比寿ツタヤで取り寄せ待ち2ヶ月。やっと観ることができました。

恐るべき無説明、驚愕の無伏線。
しかし、カルトムービーと言ってしまうにはもったいない。何故か楽しく観られました。
先日のB級映画大会に是非とも持って行きたかった本作。

煩悩だけで塗り固められた死霊の盆踊りとはまた違ったストイックなベクトルでやりたかったことだけをやってしまったような作品。
サイコの様なたたずまいの屋敷。冒頭でいきなりアオカンしながら殺される主人公兄弟の友人。全く意味のないSFチックな殺人オブジェクト。ちょっとカッコイイ殺しても死なないオッサン。広々な家に住む兄弟リビングにイームズのラウンジチェア。60年代仕様のマスタング(車)。アニキの弾くギターはFenderのストラト+ツインリバーブ。そしてもちろんホラーの王道であるオチきらないオチ。
これは誰かが観た悪夢なのか、悪夢にもならないただの希望なのか。
多分、やりたいことやりきったんだろうなぁ。結構凝ってますし。小物にかける情熱が伝わってきます。

あまり期待していなかった割に、普通に楽しめたのが意外。
食わず嫌いはいけませんね。おもしろいものは山ほどあるようです。

映画【空中庭園】

2006-10-21 03:04:21 | 映画
空中庭園
2004
豊田利晃

現代のアホらしい上っ面ニコニコ家族のあり方を個人目線で殺伐と追う、みたいな本作です。
キリンジのFor Beautiful Human Life に収録されている「ハピネス」という曲の持つ、誰かがコマーシャル的に信じる幸せをバカにした後、しかしそれでもまぁいいか、という雰囲気に似ているなぁとちょっと思いました。

そして、随所でエグイ。勝手に純正邦画の東京物語あたりの淡々とした感じかと思っていたのですが。
終盤の血の雨のシーンは下手なサスペンス映画よりも気味が悪い。というか小泉今日子が怖いですね。もういい歳です。それは多分監督の仕業。そして、この映画がどうもハッピーエンドとは思えないのですが。

なんだか豪華な作りですし、やたら凝っていて半分くらいいらないんじゃないか?と思うほどの演出っぷりです。飽きさせません。
お話自体も面白いですし。この原作も読んでないですが、書評を見るにこちらも良いらしいですよ。
あと、エンディング曲のUAの「この坂道の途中で」が良いですね。好きです。

良い映画ですよ。多分、深すぎるのかこの通りなのか分かりません。
最終的には家族なんて家族なんだからしょうがないじゃないか、というところで自然に振る舞うものの諦観込みで家族を描いています。そこが良い。
100%幸せな家族なんているんでしょうか。無理に取り繕う事なんて無いのかもしれません。そこはなかなか吹っ切れないところですが。

ところで、親であってもおかしくない歳だということにさっき気付いて恐ろしくなりました。

アンプ買いました。

2006-10-17 01:04:57 | 
どうでも良いですか?
であれば、最後の余談だけ読んでみてください。


うちのヘタレのオーディオシステムをどうにかしようと引っ越し以来もくろんでいるモノの、どうにもならない問題が。
貧弱なスピーカーとアンプ。
ということで、音の心臓部である増幅回路のアンプをどうにかしようと友人のオーディオ大臣S氏と共に横浜ヨドバシカメラへ。

もともと当たりを付けていたDENONのプリメインアンプを一通り試聴。リファレンスのスピーカーが結構良いモノだっただけにやはりおしなべて満足。
次にmarantzを試聴。10万以下だとどうしてもシャリシャリしている。
次は国産のC.E.C.という割と新参を試聴。価格の割にはとてもちゃんとした音を出すのですが、なんか正直すぎて面白くない。B&Wのスピーカーを試聴したときと同じような気持ち。

3万円~20万円のアンプを一通り試聴してみたものの結局DENONのPMA-390AEに決定。結局一番安いもの。
決め手になったのは、
・価格(コストパフォーマンス)
PMA-390AEPMA-1500AEは倍くらい価格が違う割にPMA-1500AEにそれほどのコストメリットが感じられませんでした。この価格差をスピーカーやら電源やらにかけるべきであろうと友人S氏と合意。もちろん高いのもいい音してるなという気はするのですが、ブラインドされたら殆ど分からない。私、左耳がやや難聴気味です。
・ブラックモデルがあったこと。
昭和生まれはやっぱり黒。埃が積もってもすぐ分かる。
・近いという感。
30の私が「良いな」と思う女性はやっぱり趣味性も含め30前後だったりするのと同じ事です。
銀座のイイ女より、表参道の銀行に並ぶ気張ってない女性の方が好き。「高い=好き」という訳ではない。


今まで使っていたVestaxのごちゃごちゃいろんな機能がついたミキサー兼アンプとは全く違う。
PMA-390AEのキャラクターとしては、完全に私見ですが、音が柔らかい。悪く言うとごちゃっとしてる。
でも、上位機種のPMA-1500AEと比べても高音域の解像度以外は満足できる。ボーカルの音域はちゃんと前に出てくる。逆にPMA-1500AEは解像度に加えてアンプ自体のキャラクター濃くなっている気がしました。ビッグバンドが横一列に並んでいる感じ。個々の音域が前に出すぎて分離が良すぎる。これは好きずきですね。
JBLの導入を考えると、スピーカーのキャラクターが強い分、アンプにそこまでのキャラクターを与えるべきではないかもしれません。スタジオ一発撮りとかライブ盤をこよなく愛す身としては前後関係が出てくれた方が楽しいです。
音がより前に出てきた。顔の目の前で音が集まる。これはコンパクトスピーカーを使ってるからかも知れませんが、自分が一番良く聞く姿勢で音がはっきりと聞こえる。
リファレンスCDはHi Fi魔神の小山田圭吾氏のMusic。元々音がやらたと良いだけにどうでも良いシステムでも良く聞こえてしまうのですが、やはりよく分かる。空間が分かります。ドラムのタムとスネアの分離がはっきりする。
けれどもやっぱりスピーカーがヘボなので、低音域が出ていない。

スピーカーは多分来月発売になるJBL 4305H WX(以前試聴した 4305HのフェイスがJBL伝統の紺色になったモデル)が第一候補。現行モデルの4305Hと仕様は同じのようで、以前試聴したところ音が早い(固い)から自宅でリスニングするにはちょっと疲れるかも、という感想だったのですが、このアンプと組み合わせればもうちょっと角の取れた音になると言う予想です。とは言っても、9割方青いフェイスのJBLが欲しいというブランド志向ですが。

JBL導入は急務です。問い合わせてみたところ「入荷が遅れている」とのこと。お願いだから11月半ばには 4305H WXが日本で発売してくれないと困ります。カッコイイなぁ。



余談ですが、何故か身内でピュアオーディオブームの兆し。
友人が先日PMA-1500AEを購入し、またS氏も新しいアンプの導入を考えていて、ヨドバシカメラでアンプを物色中にも友人から「新しいオーディオ買おうかと思っているんだけどなんかない?」という電話。
ここ1年ほどを思い返してもオーディオ関連をはじめ、Macの購入から選曲まで趣味的な部分で相談を受けるタイミングがかぶる。
それを無駄銭だと言う方もいるかもしれませんけれども、是か非かでは測れないこともあります。皆その生活を豊かにするため。
まぁ「好きでやってるんだからほっといてくれよ」と言うことなんですが。
しかし、豊饒。良いことです。

DVD【Say Hello! あのこによろしく】

2006-10-16 01:35:18 | 映画
Say Hello! あのこによろしく

2006
今村直樹 イワサキユキオ,


ちょっと映画からは外れてしまう本作ですが、あまりにも良かったのでご紹介します。
すみません、また犬モノです。
犬好きにはたまりません。

この作品を見るに当たった経緯として。
ある案件のために切ったコンテが趣味丸出しで犬だらけ。しかし打合せに同席していたプロデューサーの方が「考えてたこと同じ!」と隠し球的に持参していたDVDを無理矢理貸していただきました。
何かしらのモノを売るために私たちは常に頭をひねっているのですが、結局こういう根本的にわき出てくる本質みたいなモノでしか人の心は動かせません。
同じゴールを見ている人と出発点がシンクロしているというのは強いです。

で、本作は映画ではなく東京糸井重里事務所が運営する人気サイト「ほぼ日」から生まれた作品です。所謂企画モノですね。
何というのでしょうか、スチールを紙芝居のように構成し、そこにナレーションが乗るという体裁です。
ともすと無茶苦茶つまらないのですが、これは素晴らしい。
時折見え隠れするそのスチールを撮っているであろう本人のファインダーを覗く表情。DVDを観ているだけなのに、たぶんそれを観ている私たちと同じ顔なんだと思います。

犬を飼うと言うことはとても素敵なことだと思います。
これだけは掛け値無しに言えることです。
子供の頃に動物と接するというのは何にも代え難い経験です。

映画【奇談】

2006-10-14 03:29:00 | 映画
奇談
2005
小松隆志


諸星大二郎の名作を映画化したという本作。漫画は読んでいません。
なんとなく、雰囲気は分かりましたが、多分漫画ならではでしょう。絵のタッチだけでストーリを作っているのかも知れません。永井豪バージョンの「ダンテ:神曲」あたりも同じ類に入ると思います。あの絵ありきなんでしょうね。

怪奇モノなんでしょうけど、そこまでオチてない。
これを映画にした意味ってあるんでしょうか。どうしてもキリスト教が身につかないのでお話の重さが分かりません。作った本人も分かってやってるのか分からないクライマックス。
でも、ちゃんとした演出しているので飽きさせずに観られます。暇つぶし用認定。

数少ない本格ホラー女優日本代表みたいな風体の藤澤恵麻が注目です。NHKの連ドラにも主演してますし。チワワ系。サラ金のCMに出てきそうですが、老婆心ながらできれば映画とVシネで頑張って欲しいところです。