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映画【マルコムX】

2007-11-07 23:45:13 | 映画


マルコムX
1992
Spike Lee (スパイク・リー)


本当にスミマセン。初見です。
しかし、観て良かった。
素晴らしい作品です。

201分の長編であるものの、一気にイケル。
なかなか出来ることじゃありません。
体調が整った週末の夕方からであったならまだしも、ド平日の23時から見始めて、どうしても止められませんでした。捨てシーン、捨てカット一切無し。

不謹慎ながらマルコムの主義主張はひとまず置いておいておきましょう。
映画として、エンターテイメントとして、もの凄い完成度を持った作品です。
この完成度は異常。
黒人解放運動のいきさつがこの映画の全てですが、そこに万が一興味が無くても全く観られます。保証します。
というか、私、観るの遅すぎですか。
何故本作を誰もゴリ押ししないのか。観てて当然だからなんでしょうか。

何がリー監督をここまで駆り立てたのでしょう。
ここまでの長尺作品でここまでの密度で描ききるのは相当な精神力。体力以上のもの。
やはり、これはマルコムの主義があった上でリー監督を動かしたと考えざるを得ません。

ただ、映画として面白すぎるおかげでフィクションのような仕上がり。
これはもったいない。
もっとドキュメンタリータッチにしたかったのかもしれませんが、マルコムの生き様自身が常人とかけ離れていたからなのでしょうか。
その辺、詳しく知りません。けれども密度がハンパじゃありません。
一人でも多くの人にこの問題を知って貰いたいが為のアウトプットなんだと考えます。
その目論見、大成功では。


ここまでの映画が第65回アカデミー賞(1993年)で無冠。
ちょっとリンクを見てもらえれば分かると思いますが、審査サイドの必死さが恥ずかしくって笑えます。