神が宿るところ

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清浄石(茨城県ひたちなか市)

2018-06-09 23:57:49 | 名石・奇岩・怪岩
清浄石(しょうじょういし)。
場所:茨城県ひたちなか市平磯町三ッ塚地先海岸。茨城県道6号線(水戸那珂湊線)で「磯崎港」付近から南に約2km。駐車スペースあり。
ひたちなか市の平磯町~磯崎町の海岸は、東へ30~40度傾斜した岩礁が連続しており、これらは「那珂層群」と総称される中生代白亜紀の地層とされている。この地層の岩石は砂岩や泥岩などからなり、泥岩は砂岩よりも波の侵食によって削られやすいため、泥岩の部分が砂岩の部分よりも凹み、鋸歯状になっている。アンモナイト、ウニ、サメ等の化石が発見され、特にアンモナイトは本来の平巻きではなく、「異常巻き」と呼ばれる縦型のものの群棲地として知られる。「異常巻き」アンモナイトは、アンモナイトが絶滅する直前の時期に多発したといわれており、この地層が約7,500万年前という中生代白亜紀に属することを明らかにしたということらしい。なお、翼竜の肩甲骨の化石も発見され、「ヒタチナカリュウ」と命名されたという。
さて、海上に露出している岩石のうち、とりわけ奇妙な形をした岩がある。二間余り(約3.6m)の方形の岩だが、上部平面の中央に円座の様な突起がある。これを、「箱磯」(箱型の岩のため)、「阿字石」(五輪塔の一番下の方形の石(「地」を表し、梵字の種字は「ア」という)に似ているため)、「護摩壇石」(方形の上に円の形が「護摩壇」に似ているため)などと様々に呼ばれていた。「阿字ヶ浦」という地名も、この石に因むという。古くから神聖なものとみられていたようで、付近の神仏、例えば、「酒列磯前神社」(2018年5月26日記事)、「村松大神宮」(茨城県東海村)、「村松虚空蔵堂」(同前)などの神仏は、この磯に影向したともいわれている。なお、「清浄石」というのは、「阿字石」・「護摩壇石」という仏教色が強い名を嫌った常陸水戸藩第2代藩主・徳川義公(徳川光圀)が命名したとのこと。


茨城県教育委員会のHPから(平磯白亜紀層)


写真1:「清浄石 徳川義公命名」石碑


写真2:傾いた地層が海に伸びている。


参考画像:上の写真の先端にある「清浄石」(ネット上の画像をお借りしました。)
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