神が宿るところ

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返田神社

2014-03-01 23:02:41 | 神社
返田神社(かえだじんじゃ))。
場所:千葉県香取市返田729。県道16号線(佐原八日市場線)、香取市大根の「香西」バス停付近(「返田神社→」という案内板がある。)から道なりに、東~北東へ約1km。駐車スペースあり。地名の「返田」は「かやだ」と読むが、神社名は「かえだ」らしい(千葉県神社庁のHPによる。)。
社伝によれば、創建は神武天皇18年とするが、これは当神社が下総国一宮「香取神宮」の9摂社(境内3社、境外6社)のうちの1つで、「香取神宮」と同時に創建されたからという。これは伝説としても、鎌倉時代中期の古文書に「返田悪王子社」とあるのが当社のことだとされ、少なくともそれ以前に存在していたことがわかる。ただし、「悪王子社」といえば京都「八坂神社」に関連するかと思うが(「八坂神社」の摂社「悪王子社」は素戔嗚尊の荒魂を祀る。)、当神社の現在の祭神は軻遇突智神(カグツチ)と埴山姫神(ハニヤマヒメ)=火の神と土の神となっている。「香取神宮」との関係では、12年に一度の「香取神宮」式年神幸祭で供奉芸能として神楽(獅子舞)が行われる(長く中断していたが、平成14年に復活。)。また、当神社の本殿は江戸時代中期の建築とされ、香取市の指定有形文化財となっているが、古来から「香取神宮」の造営時期に合わせて当神社も建造されていたとされるところから、元禄13年(1700年)の「香取神宮」本殿造営と同時に建てられたものと推定されているようだ。
さて、当神社で面白いのは、参道両脇にずらりと並ぶ石祠で、これは諸国の一宮を祀ったもの。別格扱いの伊勢神宮の内宮(皇大神宮)・外宮(豊受大神宮)を先頭に全国68ヵ国の一宮を両側35基ずつ、合計70基の石祠が建てられている。これらの石祠のほかに「天神地祇」と刻された石標があり、文化3年(1806年)に返田村の黒田三右衛門豊昌が発願人となって建てられたという由来が記されているが、なぜ、建てようとしたのかは不明。なお、現在では、風化等により神社名が判読できないものも多くなっており、なんとか再建できないものだろうか。


写真1:「返田神社」鳥居と社号標


写真2:鳥居を潜ると、参道両脇に石祠がずらりと並ぶ。


写真3:下総国一宮「香取大神宮」の石祠


写真4:社殿(香取市指定有形文化財)
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