「みどりちゃんって、何時もすずと一緒にいるあの子だろ。」
青山大さんは答えました。「知っているよ。」そう言ってから、彼はさも気乗りしなさそうに「あの子は感心しないなぁ。」と付け足しました。
大さんの話では、彼が目にするみどりさんは、しょっちゅう横にいる男性が変わっているというのです。そんな、とっかえひっかえ付き合う相手が変わる様な女の子は願い下げだ。という返事でした。
「すずの方から適当に断っておいてくれ。」
大さんはそう言うと、この話はもうお仕舞だとポンと鈴舞さんの頭を軽く叩きました。
「痛いじゃないの。」
鈴舞さんが膨れっ面をすると、彼女のそんな不満そうな顔を見て大さんは言いました。
「そんなお多福みたいな顔をしていると、男が皆逃げて行くぞ。だからお前には彼氏が出来無いんだな。」
等と、さも小馬鹿にしたように言って笑うのでした。
鈴舞さんは透かさず「失礼ねぇ。」と大さんに言いましたが、内心そんな風に気安く気心の知れたやり取りが出来る、実のお兄さんの様な大さんに心底安らぎを覚えるのでした。小さな頃から知っている、幼馴染ってよいなぁと、ホンワカした気分になり鈴舞さんが大さんを見上げて微笑んでいると、
「それに、もう俺、彼女がいるんだ。」
と、唐突に大さんは、ぼそりと真実を告白するのでした。「この機会だから言っておくよ。」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます