シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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CD のマイナーブランドは失敗?成功?

2018年04月19日 | 音楽界よもやま話
写真はネットから拝借した BELART のサンプル画像。
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CD を整理していたら、昔 こんなレーベルの CD も買ったことがあったが、最近はもうこのレーベルは発売してないんじゃないかと想像しました。 クラシック CD の話しです。

デジタル技術が進み 音楽 CD が簡単に製造でき、印刷も簡単にできるようになったので、いわゆる 大レーベルの DG・PHILIPS・EMI・DECCA・SONY・RCA 以外のマイナーレーベルが乱立していますが、私が言及するのは上記大手からライセンスを受けて 自主録音せずに 編集し直して発売するケースです。

多くの録音源から選曲編集して小品曲集を構成、それを CD に落とすのは簡単です。 素人でも PC を使えば日常的に可能です。 CD のラベル印刷は少し面倒です。 もっと手間が掛かるのが、添付するジャケットなどの印刷物です。

冒頭の BELART は DG・PHILIPS・DECCA 系で そのサンプルジャケットを見ると、苦労して CD ジャケットを作ってるなぁと思いますが、その仕上がりはどうかと考えると、”イマイチで素人っぽくて洗練されていないなぁ” ですね。

冒頭左のベートーヴェン第九は、よく目にするベートーヴェンの肖像を左右ひっくり返して、星々の輪を付け、背後に空と何かの床を配置していますが、多くの人が買う気が起きる商品ではないと思います。 演奏はヨッフム指揮コンセルトヘボウ管ですから、悪いはずがありません。

右のカラヤン指揮の J. シュトラウス集は、カラヤンの1970年代のベートーヴェン全集で使われた写真を使っていますが、一見して オリジナルの DG の CD ではないとわかります。 字の配置はまずまずですが、レーベルマークのデザインが垢抜けていません。

大レーベルと、マイナーレーベルの CD ジャケット印刷物と何が違うのでしょうか。 私はそれがデザイナーの能力差、美的視点の違いだと想像します。 能力差=報酬の差でしょう。
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英 EMI は D-Classics、CLASSICS FOR PLEASURE、TESTAMENT というセカンド (?) レーベルを出しました (もっとあるのかも)。 どれも購入したことがありますが、D-Classics には添付解説はなく 箱と同じジャケットだけでした (バルビローリ指揮 VPO のブラームス全集)。

CLASSICS FOR PLEASURE は、ヴァイオリン曲を購入しました。 解説印刷物は付いていましたが、ソコソコの内容でした。 有名演奏家による録音は少ないようです。

TESTAMENT はというと、このジャケットデザインは、背景に風景などを使わず、背景が真っ黒の演奏者のモノクロ写真を使うことが多く、それはほぼ一貫しています。 解説文も丁寧に書いてあります。 ただ 録音源がステレオでなく、モノーラルが殆どというのが特徴です。

EMI は戦前から活発に録音して多くのレコードを発売していましたから、その録音量も膨大と想像します。 EMI も処理しきれなかったのでしょう。 TESTAMENT を1992年に立ち上げたのは、EMI からスピンアウトした人ではなく、元クラリネット奏者で 往年の名演奏家たちの CD 化に情熱を持った人物がライセンスを受けたようです (TESTAMENT のパンフレットから)。

そうした姿勢が、この TESTAMENT のジャケデザイン、添付解説、音質などに現れているのでしょう。 満足度の高い CD が多いです。 発売点数は増え、今に至るまで継続していますね。 私も こんな録音があったのか、と驚いて何枚か買ったほどです。
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“クラシック CD の購入者の満足” というのは何でしょうか。 買う前に有名作品か有名演奏家かどうかが頭にあり、無名作品・無名演奏家の CD を買う人は稀 (まれ) でしょう。 また 雑誌などで、話題になった演奏会や有名作品・有名演奏家を念頭に CD を選ぶのが普通ですよね。

さらに ジャケットが洗練されてると、内容も素晴らしいだろうと想像して買い、満足する内容の CD だと また同じレーベルの CD を買う、この繰り返しです。 がっかり CD を買うと、次にそれと同じレーベルものは買わなくなります __ この辺りはワイン選びにも似ていますね。

そうした意味で、 BELART はジャケデザインも含めて満足度が高くはない CD が多く、 TESTAMENT は満足度が高い CD が多かったですね。 TESTAMENT は成功したマイナーレーベルであり、 BELART は成功しなかったマイナーレーベルですね。
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別件で 消えてしまったか、最近見なくなったマイナーレーベルに米 TELARC があります。 1980年前後のデジタル録音黎明期の LP には評価が高かったですが、その後 CD 時代に入ると 他社との違いがあまり出せなくなり、埋れてしまったのかもしれません。 でも カンゼル指揮シンシナティ・ポップスのシリーズでは、大いに売れたらしいですね。

以上

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