シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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番組製作者も辛い? 楽しんでる?

2024年01月24日 | 音楽界よもやま話

投稿映像※1からのスクリーンショットです。 

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44分ほどの音楽番組の YouTube 映像を見ました。 1999年頃の NHK の音楽もの番組の1つかと思います。

 

この番組の眼目は、『世界最高峰の楽団に日本人として初めて入団し、40年も在籍した』という快挙に尽きると思います。 40年もの長期間 技量が衰えなかった、人間性も良かったのでしょう。 長期間 同じ組織に所属していると、困難な事態もあるものです。

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『「土屋邦雄 ある日本人音楽家の回想 ~ ベルリン・フィルとの40年』(2023/08/28投稿 https://www.youtube.com/watch?v=StnR7hH-388 ※1)

『Haydn: Symphony No.100, Hob.I.100 Tsuchiya・Philharmonia Ensemble Tokyo』(2018/02/05 https://www.youtube.com/watch?v=-2XGN7ErB0g ※2)

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確かに 1960年頃 あのベルリン・フィルに合格する日本人がいたというのは、日本の音楽界にとって大事件でもあり、快挙で大いに称賛されるべき出来事だったでしょう。

 

これが先駆けとなり、以後 77年にベルリン・フィルに入団した安永徹が、83~2009年 第1コンサートマスターに選ばれるという 更に大きな出来事に繋がります。 現在 第1コンサートマスターの1人に樫本大進が2009年から在籍し、2001年から清水直子が首席ヴィオラ奏者を務め、ほかヴァイオリン奏者に2人の日本人が在籍しています。

 

ーーと大いに日本人として誇るべき内容なのですが、純粋に番組内容として見ると 私は “100% いい番組だった” とは必ずしも思えません。 なぜなら よくまとまっているとはいえないし、肝心の土屋氏本人のインタビューでの喋りもよく聞き取れないからです。

 

本人はもちろん アナウンサーではなく、ヴィオラ奏者ですから “喋り” は元々本職ではないので 難をいうべき箇所ではありませんが。

 

なぜ こういう番組が出来たかというと、恐らく 制作サイドから『あのベルリン・フィルに初めて入団し、40年も在籍した日本人がいるという番組を制作しろ』という指示が音楽ものプロデューサーに降りてきたからだろうと推理します。

 

悪い指示内容ではなかったのですが、制作クルーを率いてドイツに渡り、同僚団員にインタビューし、過去のベルリン・フィルの来日演奏録画から土屋氏が写っている部分や 当時の常任指揮者のカラヤンが土屋氏について好意的に語っている部分を抜き出し、彼の芸大時代の友人、知人のエピソードを加え、それなりの番組に仕上げるのはそこそこ大変だっただろうと思います。

 

この中での面白いエピソードは「カラヤンの音楽ビデオ制作中に、当時 私が持っていた高価なヴィオラ ガルネリの渦巻きを録画したいために、カラヤンから無理な姿勢で弾けと指示されたが、はっきりと断ったら、居並ぶ団員から拍手とブラボーが発せられた。 その当時は誰もカラヤンの指示に逆らえなかったのです」というものです。

 

他に 私が彼の発言記事で記憶にあるのは、「カラヤンはどんな小曲でも手を抜かなかった」です。 また ある演奏会チラシに『指揮者 土屋 邦雄 元ベルリン・フィル ヴィオラ奏者』とあったのを見て、元ベルリン・フィル団員というのは この業界では “箔” “ブランド” なんだなと思ったものです。 土屋氏は去年亡くなりました。 合掌。

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番組に話しを戻すと 上司の思いつきで指示が出て数百万の予算が与えられ、企画が動き出したはいいが、番組素材としてはまとめにくい内容で、仕上げるのにプロデューサーが苦労するという事例は意外にも多い (?) と思います。

 

私は素材集めに半年、仕上げに3ヶ月、制作費と制作クルーの人件費総額を積み上げたら 数千万は掛かったと推測します。 視聴率を気にせずに制作できる NHK だから出来た番組でしょう。

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土屋 邦雄 (つちや くにお 1933~2023) は、日本のヴィオラ奏者、指揮者。 東京藝術大学でヴィオラを学ぶ。 卒業と同時に東京芸術大学付属高校で教鞭をとる。 また NHK 交響楽団に首席候補として入団。 1956年 ドイツ・ヴィオラ界の第一人者ウルリヒ・コッホと、作曲家のパウル・ヒンデミットと知り合い ドイツ行きを勧められ渡独。 フライブルクの音楽学校でコッホに師事。 1959年 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の試験を受け合格、以後ベルリン・フィルのメンバーとなる。 2001年 ベルリン・フィルで最後の演奏会に出演し、退団。 本拠をベルリンに置きながら、日本で指揮を含めた音楽活動を展開した (ウィキペディアから)。 

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ウルリヒ・コッホは、R. シュトラウス「ドン・キホーテ」をカラヤン指揮ベルリン・フィルのソリストとしてロストロポーヴィチと共演・CD で1976年録音したヴィオラ奏者です。

 

放送界の次の素材の目玉は、スポーツ界最大の契約金を獲得した大谷翔平です。 NHK だけでなく、民放各局もすでに動き出しているのじゃないでしょうか。

 

今日はここまでです。


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