清国は1887年、台湾に政使司衙門(せいししがもん)を建築し、台湾における行政の中心地とした。台湾地方行政制度における内政の最高官であり、台湾省設置以前の台湾知府に相当する業務を担当した。
明治28年(1895)5月、下関条約により台湾が日本に割譲されるが、これに反対する勢力が台湾民主国を建国した際、この府政使司衙門が総統府として使用された。しかしながら僅か2週間で政権は崩壊し、同年6月に日本軍が進駐し布政使司衙門を接収した。その後大正8年(1919)に現在の総統府が完成するまでの間、布使司衙門は台湾総督府の庁舎として使用された。
昭和6年(1931)、昭和天皇の即位(御大典)を記念し、布政使司衙門を取り壊し、この場所に台北公会堂が建設されることになった。解体された布政使司衙門の一部は当時の円山動物園と植物園に移され保存された。現在、完全な形で保存されているのは台北植物園内の籌防局、布政使司大堂と廂房の一部のみで、これらは台湾全土にわずかに現存する清代の衙門の一である。
まさか植物園に移築されていたんですね。自宅から近いにも拘わらずだれもその重大さを教えてくださいませんでした。
大変勉強になりました、時期改めて、実際に訪問してみようと思います。