付け焼き刃の覚え書き

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「隻眼・隻腕・隻脚の魔術師 1」 すずすけ

2023-09-13 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「き、気持ち悪いって……。僕は単純に君の魔術に興味があって見たいだけなんだよ、見聞のためにもさ」
 エインズにとって、悪い魔法使いもただのサンプル。

 エインズ=シルベタスは幼い頃、帝国軍の襲撃で村を焼かれ、自らも四肢を失った代わりに魔術に没頭することとなった。仲間や家族を失ったことよりも、自らの手足を吹き飛ばした魔術の存在の方に心を惹かれてしまったのだ。
 エインズは近くのタス村のエバンとシリカ父娘らの助けを借りながら、森の奥の小屋でひとり魔術の研鑽を積んでいったのだが、気がつけば2000年が経過していたらしい。既にシリカたちはおろかタス村もなく、そこには大きな都市だけがあった。伝説の魔術師アインズがもたらしたという、魔導書や魔法知識により高度に発展した魔法によって栄えるサンティア王国アインズ領自治都市である。
 その魔神とも称される魔術師アインズ=シルバータという人物が、実はエインズ自身のことであるというのに気づくのは、もう少し先のことであった……。

 森の小屋で魔術の探求に専念していたら外の世界では時間が流れていて、書き殴ったメモ書きは聖書とされる魔導書『原典』扱いされ、自身も魔神として崇められるようになっていた青年が、見知らぬ世界にまだ見ぬ魔術を求め、好奇心の赴くままに彷徨い歩く流浪譚。
 魔術・魔法という自分の関心事に関係ないなら困っている人もあっさり見捨てるし、逆に興味深ければ悪人だって助力して力を与えるサイコパス主人公。そりゃ封印されるわな……。

【隻眼・隻腕・隻脚の魔術師1~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~】【すずすけ 】【すみ兵】【TOブックス】【界の理に触れ、国々の均衡を打ち壊す天然魔神、降臨!】【禁則事項】
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