
1年手芸部、春日友佳の言葉。
「男は女をしあわせにしなきゃいけないの。それをできない男はクズなの」
1年、松宮楓の言葉。
エルキュール・ポワロは容疑者のカードプレイから犯人を推理しましたが、文芸部の幽霊部員・仙波明希は容疑者の水泳スタイルから犯人を推理します。
そして、名探偵の中には顎十郎のように推理に満足したら実際に犯人が捕まろうが逃げようが興味ない人もいますし、森博嗣の推理小説のようにトリックは見抜いても動機には興味ないというものもありますが、このシリーズは分業制。
仙波明希は謎を解くけれど、それだけで事件は解決しません。真相を告げたり、時には間違った答えを依頼人を告げることで事件を解決するのは成田真一郎の仕事。でも、それがいつも巧くいくわけではないし、時には彼自身が傷ついたりします。
傷つけ、傷つけられ、再生していくのが青春小説。そう言う意味で、由緒正しい青春小説でもあります(これで再生せずに、自壊していったら純文学なのかね?)。
【子ひつじは迷わない】【泳ぐひつじが3びき】【玩具堂】【籠目】【貴島煉瓦】【夏風邪】【プール】【日常系ミステリ】