「勉強するのは、あくまでも手段だ。いい大学に入るのも、あくまでも手段。いい大学を出たら、いい人生が保障されるなんて、思うなよ」
無理に今、将来の夢を決める必要はないけれど、頭のイイやつには社会のためにそれを役立てる義務があるんだと、マッテルバーガーの篠原店長。
店長、ただのバカじゃなかったんですね。
悠木和(まどか)は小学5年生の美少女。しかも秀才ぞろいのアインシュタイン進学会でもとびっきりの。
けれど彼女の名前がテスト結果のランキングに載ることはない。なぜなら、彼女はいつでも国語と算数のテストが終わると帰ってしまうからだ。
小田切たちアインシュタイン進学会の三バカトリオは、彼女がどうして理科と社会のテストを受けないのか調べようとするのだが……。
新潮文庫のTwitterアカウントで「タイトル会議に参加していた者全員が、『まどマギ』を知らなかったんです」とコメントしていて、編集者のアンテナがそんなに低くて大丈夫か!?と物議をかもしたけれど、そんなことを知る前に表紙イラストとあらすじと立ち読みで購入済み。
でも、ストーリーは『魔法少女まどか☆マギカ』のストーリーを換骨奪胎したものではなかったし、帯にあるようなバカミスともちょっと違う。原稿は持ち込みだったそうだけれど、どちらかといえばジュニア新書向けの、青すぎて痛すぎる小学生の青春小説というのがいちばん近いかな。
勉強が苦にならず、むしろ勉強が得意な自分が自慢で、男子は互いに「××キョージュ」と呼び合って、ジャーゴン混じりに頭の良い自分をさりげなくアピールしようという姿が、そろそろ微笑ましく見守れるようになりました。20歳頃に読んでいたら、痛すぎるか腹が立って読んでいられなかったかも(そんなことはありませんでしたか?)。
今はただ、「そういうのって理屈じゃないでしょ」のセリフに胸キュンするだけです。
はちまき姿の店長さんやナポレオン軍曹の根本さんも、読み終わればステキです。
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