
みなさんこんにちは、以前カンボジア事務所に勤務していました平野です。前回は児童労働や子ども時代のあり方についての定義や考え方について書かせていただきました。児童労働の定義については、各地域や国の実情によって様々な考え方があり、受け止め方があります。しかし一方で、国連子ども権利条約を批准する国が増える中、「最悪の形態の児童労働」については早急に撲滅すべき、という方向で世界的合意があります。
【最悪の形態の児童労働とは】
最悪の形態の児童労働は「危険な児童労働」と「断固として最悪な形態の児童労働」に分けられます。前者は炭鉱労働などの過酷な労働の場合、あるいは仕事の内容自体は過酷でないが、労働時間が非常に長い場合などを指します。国によって様々な産業があるので、どの仕事を有害とするかについては、各国である程度調整することが許されています。これに対して「断固として最悪な形態の児童労働」は、国際子ども権利センターがカンボジアで取り組んでいる人身売買や子ども買春、あるいは奴隷労働、子ども兵士などで、ある意味で「労働」ではなく「犯罪」という考え方もありますが、労働として分類したほうが対策を取っていきやすいとされています。
【形成されつつある合意】
一般的な意味での児童労働の定義には様々な考え方がある中、この最悪の形態の児童労働については、かなり多くの援助機関、NGO、市民団体、そして市民が「早急に撲滅すべき」という考え方で一致してきています。これには1989年の国連子ども権利条約をきっかけに子どもの権利を守ろうという動きが大きくなったことも関係していると思われます。1999年のILO(国際労働機関)による「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約」でもILOの条約としてははじめて「子どもの権利」が明記され、世界的な動きが加速しました。
【カンボジアにおける最悪の形態の児童労働】
上に述べたとおり、最悪の形態の児童労働には犯罪そのものや、限りなく犯罪に近いものが含まれており、カンボジアに限らず最悪の形態の児童労働に従事する(させられている)子どもの数を推計するのは困難なことです。しかしある国際機関の資料によると、カンボジアでは23万2000人の子どもたちがこの形態の児童労働で働いているということです。人口1300万人のカンボジアにおいて、これは大変な数と言っていいでしょう。中でも人身売買や子ども買春については、カンボジアは地域でももっとも深刻な問題を抱えた国とされています。最悪の形態の児童労働の体験は、子どもの将来に大きな影を落とすケースが多くあります。例えば現在のカンボジアは内戦が終わってから時間がたつため、子ども兵士はいませんが、そうした過去に苦しんでいる人は少なからずいると思われます。
改めてではありますが、国際子ども権利センターが取り組む人身売買や子ども買春の問題が世界的に大変問題とされていること、そしてカンボジアには支援を必要としている子どもたちがたくさんいることがお分かりいただければ幸いです。
カンボジアの児童労働をなくすために会員となってご支援ください。
→
http://jicrc.org/pc/member/index.html
写真はプノンペンの川辺で果物を売る少女です(撮影:甲斐田万智子)
【最悪の形態の児童労働とは】
最悪の形態の児童労働は「危険な児童労働」と「断固として最悪な形態の児童労働」に分けられます。前者は炭鉱労働などの過酷な労働の場合、あるいは仕事の内容自体は過酷でないが、労働時間が非常に長い場合などを指します。国によって様々な産業があるので、どの仕事を有害とするかについては、各国である程度調整することが許されています。これに対して「断固として最悪な形態の児童労働」は、国際子ども権利センターがカンボジアで取り組んでいる人身売買や子ども買春、あるいは奴隷労働、子ども兵士などで、ある意味で「労働」ではなく「犯罪」という考え方もありますが、労働として分類したほうが対策を取っていきやすいとされています。
【形成されつつある合意】
一般的な意味での児童労働の定義には様々な考え方がある中、この最悪の形態の児童労働については、かなり多くの援助機関、NGO、市民団体、そして市民が「早急に撲滅すべき」という考え方で一致してきています。これには1989年の国連子ども権利条約をきっかけに子どもの権利を守ろうという動きが大きくなったことも関係していると思われます。1999年のILO(国際労働機関)による「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約」でもILOの条約としてははじめて「子どもの権利」が明記され、世界的な動きが加速しました。
【カンボジアにおける最悪の形態の児童労働】
上に述べたとおり、最悪の形態の児童労働には犯罪そのものや、限りなく犯罪に近いものが含まれており、カンボジアに限らず最悪の形態の児童労働に従事する(させられている)子どもの数を推計するのは困難なことです。しかしある国際機関の資料によると、カンボジアでは23万2000人の子どもたちがこの形態の児童労働で働いているということです。人口1300万人のカンボジアにおいて、これは大変な数と言っていいでしょう。中でも人身売買や子ども買春については、カンボジアは地域でももっとも深刻な問題を抱えた国とされています。最悪の形態の児童労働の体験は、子どもの将来に大きな影を落とすケースが多くあります。例えば現在のカンボジアは内戦が終わってから時間がたつため、子ども兵士はいませんが、そうした過去に苦しんでいる人は少なからずいると思われます。
改めてではありますが、国際子ども権利センターが取り組む人身売買や子ども買春の問題が世界的に大変問題とされていること、そしてカンボジアには支援を必要としている子どもたちがたくさんいることがお分かりいただければ幸いです。
カンボジアの児童労働をなくすために会員となってご支援ください。
→
http://jicrc.org/pc/member/index.html
写真はプノンペンの川辺で果物を売る少女です(撮影:甲斐田万智子)
またそのような形態の労働に従事した人の「後遺症」についても触れられていますが、ココロのケアについても体制作りから早急にすべき課題でしょう。
さまざまな課題がほんの少しづつでも解決していって欲しいと切に思いますし、そうなるよう行動していきたいと思います。
バックナンバーも含めてこの「カンボジアだより」を読んだ学校の先生方、あるいは生徒たちへ。
インターネットという便利なコミュニケーションツールがここにあるのです。
どんどんコメントを投稿して議論を深めていって欲しいんです。自分が分からないことは他人も分からない。だからまず自分のできる範囲で調べて、それでも分からないことはコメントとして投稿する。
恥ずかしいことではないです。
そしてできれば会員になってこの団体を支援して欲しいんです。(ちなみに私は会員です)
世の中には「支援してやる」というような横柄な態度・行動をして「自己満足」で終わる支援しかしない団体が星の数ほどあります。あるいはこれを利用してお金儲けしよう、などと考えているバチ当たりな輩もたくさんいます。
でもここは違うと思います。
常に支援される側の立場に立ち、アタマとココロとアシ(知性と理性と行動力)で問題解決へ向けて詰めていく、そういう一生懸命の姿が見えるからです。
どんどん発言していく。大事なコトですョ。
(大体、私ばかりでは変じゃないですか。。)
本当に皆さん、お願いします!!
最後のコメントになりますが、宜しくお願いします。
確かにカンボジアの子どもの50人に1人が最悪の携帯の児童労働に従事しているというのは、深刻な数字ですよね。
1人でも多くの方が、Nakakojiさんのように豊かな想像力と感受性で、このブログを読んでいただけたらと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。