カンボジアだより シーライツ

国際子ども権利センターのカンボジアプロジェクト・スタッフによるカンボジアの子どもとプロジェクトについてのお便り

AFESIP保育サービス続報<保育サービスをきっかけに変わった女性>

2006年07月21日 07時15分20秒 | 人身売買・性的虐待 被害者支援

みなさんこんにちは、平野です。前々回前回に引き続き国際子ども権利センターが支援するAFESIPのトムディセンターの「保育サービス」の報告です。前々回は子どもたちが受けているケア、そして前回は子どもを持つ女性たちの職業訓練への前向きな取り組みを促す効果についてご紹介しましたが、今回はAFESIPの中間報告書より、ある親子のケーススタディを紹介します。人身売買の被害にあった27歳の女性が、どれほどこの保育サービスから力をもらっているかお分かりいただけると思います。

【友だちと思った女性に騙されてしまったAさん】

Aさんがコンポンチャムで妊娠した時、夫は仕事を求めて遠方に行ってしまった。夫からの連絡は途絶え、彼女はプノンペンの実家に帰った。母親の家は貧しかったが、彼女は元気な女の子を産み、スレイピッチと名づけた。出産後彼女はある女性と友だちになり、一緒にバンテイミエンチェイ州のカラオケバーで働こう、と説得された。彼女は母親に子どもの面倒を頼み、送金を約束してプノンペンを発った。

着くやいなや、彼女はオーナーに売春を強要された。警察が摘発するまでの18日間、彼女はそのカラオケバーに閉じ込められていた。警察は彼女をそこからAFESIPのセンターに送った。トムディセンターに到着すると、スタッフが彼女を最初の家族訪問に連れ出した。こうして彼女は母親そして娘と再会し、娘の将来のためにAFESIPで一生懸命学ぶことを決意した

【泣いてばかりいたAさん】

はじめのうちAさんは必死で学んだ。時間がたつにつれ、彼女は家族が心配になり、そしてまた罪の意識を感じるようになった。母親は非常に貧しいため、センターで食事を取るたび、娘は十分に食べているだろうかと想いを巡らせた。母親が孫に食べ物を与えるために借金をしていることを知ったとき、罪悪感はさらに増した。彼女の学びは、娘を懐かしがり、娘の幸せを心配するようになるにつれて上手くいかなくなり、彼女はいつも泣いていた。

【娘がいるからがんばれる】

保育サービスを知ったとき、Aさんはセンター長に娘を連れてきてくれるよう懇願した。娘と再び一緒になれたことで、彼女は永遠にこのサービスに感謝するだろう。Aさんの職業訓練への集中度は大きく増した。自由時間はいつも娘と遊んでいるし、娘がよいケアを受けているのを見て、子どもの適切なケアを学んでいる。スレイピッチは当初病気がちな体重の足りない子どもで、よく泣いた。食べ物やおもちゃを与えられると、他の子と分け合わなかった。母親に対して無関心だった。しかし少しの間に彼女の自分勝手な振る舞いは変わり、母親ともとても仲良くなった

これで3回に渡ったAFESIP保育サービスの続報は終わりです。前回「このサービスが質の面で受益者に与えているインパクトは実際素晴らしいものがある」と申し上げましたが、きっとご理解いただけたことと思います。

※写真はケアテイカーさんと保育サービスを受ける子どもですが、文中に登場する子どもとは無関係です。

母親たちのがんばりと子どもたちの成長を支えるこのサービスは、みなさんの支援によって成り立っています↓

http://jicrc.org/pc/member/index.html


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1 コメント

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Unknown (がこ)
2006-07-31 06:38:51
国際子ども権利センターの支援が役に立っていることがわかって、嬉しいです☆



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