前編を書いてから幾日か経過しましたが、その間も散歩スナップはガンガン撮ってます・・・なんたって私的には「春来たりなば花遠からじ」ってところですから(笑)。
たださんざんきれいな花を撮らせてもらったサザンカや梅そして河津桜などは殆ど終わってしまいます...モクレン・コブシなどもそうですね、ソメイヨシノが出てくるまでメジャーな花のブランクが少しできてしまいます。
そして今回「光」で取り上げるミツマタもすでにあのきれいな黄色が褪せてきています、そうなるとどうするか・・・この時期は道端にもきれいな花がたくさん咲いてます・・・どこにでも見られるナズナ・ホトケノザ、そしてヒメオドリコソウなどはまさに秋口からしばらくお世話になった「ニラの花」同様トレーニングにはうってつけなんですね(笑)。
さて本題の後編です...
前編において自然光(太陽や月など)には直射光と散光がありその散光の比率が思いのほか高いこと云々を意識するということで光を読むトレーニング(及び理解)に磨きをかけてみようというのが主旨だったんですね。今回の主役である『ミツマタ』の玉ボケ写真を撮りに出かけた日がたまたま太陽が見え隠れする状況で、まさにその比率が大きく変わるシーンを同時に撮影することができたので、ほぼ同じアングルで比較することができました。
今回使用した機材はα7IIIに大好きなAi Micro-Nikkor 105mm F2.8Sをつけての撮影になりました。ホントは多少絞っても玉ボケの形が崩れない9枚絞りのSP AF90mm F2.8 Di MACRO 1:1という形もあったんですが、105mmの臨場感を期待してこのレンズに決めました。
まずは太陽がしっかり出た直射光が期待できて玉ボケもしっかり出る状況のものから見ていきます。
散光が強いといっても背景の葉に反射する玉ボケを入れるために逆光気味で撮影していますのでどうしてもミツマタの花本体が少し暗くなります。白が強いツボミの時はそれほど気になりませんが、やはりこうして黄色い花の状態ですと明暗がしっかり出てしまいます、現像時花全体を明るくすることもできますがとても不自然になってしまうためあえて光の方向がしっかり分かる状態で止めておくことにして、その後背景の玉ボケ部分にマスクを掛けて明るさを花とバランスを取りながら決めていきました。
まあ主役がミツマタか玉ボケかはたまた両方かという写真ですが...これは両方というつもりで作りました(笑)。先述したようにこの日は刻々と陽の当たり方が変わっていきましたので(風も強く苦労しましたが)玉ボケの光量も一定せず諦めかけたのですが、逆に花を主役にするにはうってつけの状況も生まれました。
明るい時は二段ほど絞って7角形のボケになってしまいますがこれが面白く、とても明るい背景の写真も撮れました。
こちらは玉ボケはあるものの背景としては適度な明るさの状態です(背景には手を入れてません)。
バランスを考えて最終的にはこの一枚が残りました。
こうして見ると逆光ゆえ主光源は直射光ではなく散光(スカイライト)になる、この状態では主なる散光が相対的に弱くなるので手前にレフ板が欲しくなりますね...実際手間を惜しまぬプロは使うはずである(笑)。
さてこうなると太陽が雲に隠れてほぼ散光になる状態はどうなるかということだが...まさしく光が全体にまわり、花を撮るならうってつけということかもしれません。
花がしっかりと浮き立ちだしました(EVFで見てますからはっきりわかります)、ここぞとばかりに光の弱くなった状況でバンバン撮りだしていきましたが、そんな中でベストチョイスがこちらです。
うまく主役の花を光がきれいに包み込む形でできあがります。
玉ボケ写真のチャレンジだったのですが、花本来の姿を美しく見せるという意味ではどちらに軍配が上がるかは正直言ってわかりませんが・・・どちらも正解のような気がします(笑)。
要はその時の光の状態でベストなポジションを探せるかどうかが『光を読む』ということではないでしょうか。
そしてこの一枚はそんな光のことを考えながら撮った「まさにこの木はミツマタだよ、この花がミツマタだよ」というような名前の由来まで表すような写真です。
花としてはベストポジションだったのですが、背景がいまひとつだったのできれいな花の色を残して背景を花の色が引き立つパープル系にと少し触っています。
最後はこれがミツマタの撮り納め、色が褪せてきてもなんとか美しさが残るぎりぎりのタイミングでしたので...まさに本日撮ったばかりの一枚です。
(これのみD700+SP AF90mm F2.8 Di MACRO 1:1)
構図という意味合いでホームポジション~グッドポジションがあり、光が加わった画面構成という意味合いでベストポジションということができそうです・・・私見です。
新たな訓練が始まり螺旋階段を昇っていけるかどうか...いつまでも不安と楽しさが共存する写真の世界ですね。
どんどん嵌っていく不思議な世界です(笑)...
※ カメラ : α7III
レンズ : Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8S