恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2022/10/19 国立演芸場昼席(主任:柳家小ゑん)

2022年10月19日 | 噺とか
最近の定席はもっぱら国立が多いです。
というのも、そこまで長丁場でもなく、
お値段もお手頃というのが主たる理由。
小ゑん師匠は先日も鈴本で昼席のトリをとっており、
そちらに行くのも検討していたのですが、
時間がうまく合わずに断念。
久しくトリネタの小ゑん師匠もご無沙汰だったこともあり、
足を運んできました。

「つる」        まんと
「親不孝者」      やま彦
「漫才」        ニックス
「お父さんのキャンプ」 志ん五
「両国橋の出会い」   琴調
 -仲入り-
「権助魚」       緑也
「大仏餅」       龍玉
「音楽パフォーマンス」 のだゆき
「鉄千早」       小ゑん

前座はまんとさん。
安定の語り口調はいいですね。
二つ目まではまだ時間はありそうですが、
実力あるんじゃないかなーと。

続くきよ彦さんはおそらく二つ目になってからは初めてかも。
彦いち師匠に弟子入りするエピソードの話がありましたが、
鈴本にくまモンが来た日に弟子入り志願したというので、
あぁ、その日その場にいたなぁと。
他にも師匠とのエピソードをあれこれ、
その後に新作をかけられました。
真面目すぎる息子に対して、
もっと遊ばせようとする元名誉教授夫妻のお話。
設定は「明烏」みたいな感じですがね。
なかなか楽しく聴かせていただきました。

志ん五師匠も久しぶりでした。
バーベキュー場での仕事の話に続き、
アウトドア繋がりでソロキャンプを題材にした噺。
こういう落語ならではの想像力に頼る新作、いいですね。
ただ、これもなんとなく小ゑん師匠の「ほっとけない娘」と話がつくような印象があり、
トリネタにも影響与えたのかなぁと。

講談の琴調先生も久しぶり。
秋風が吹くともう忠臣蔵の季節ですね。
大高源吾と宗匠・宝井其角のエピソード。
やはり忠臣蔵はいいですねぇ。

仲入り後に緑也師匠。
真打昇進してからははじめて。
高島屋で行われていた華道の会場から、
歩いて会場入りするマクラから権助魚へ。
寄席のネタらしくコンパクトで笑いも多く、楽しい一席でした。

龍玉師匠は奈良に関するマクラだったので、鹿政談かな?とも思いましたが、
ここは大仏餅という噺。
恥ずかしながらはじめて聴きました。
新作派が多い中、しっとり聴かせる古典。
やはり龍玉師匠の実力を感じる一席。
この師匠の噺はもっと聴いておきたい。

ヒザののだゆきさん。こちらも久しぶり。
ネタは安定のいつものものから、
時間的に15分という余裕があるためか、
はじめて見るネタもちらほら。
安心しつつも新たな発見があるのが新鮮。

トリの小ゑん師匠は鉄千早でした。
トリネタではなく、今までは文蔵師匠とのリレーという形で見ることが多く、
単独でのこのネタはあまり聴かぬまま。
小ゑん師匠の持ちネタの中でも、
鉄道落語もいくつかありますね。
このネタも正直なところ何度も聴いているのですが、
本当に楽しめる一席ですね。
元ネタを知っている、ある程度落語に知識のある客層だからこそウケるネタと、
本当にマニアだからこそ受けるネタ、
そして、そのどちらに属さずとも楽しめるネタ、
これらがバランスよく配置されていたように感じました。
おそらくこの噺を聴くのも2年ぶり。
大まかなストーリーを覚えていながらも、
改めて楽しませていただいた一席でした。

程なく改装のため閉鎖となる国立演芸場。
客の入りは決して多くないものの、
その多くが落語を愛する温かな人たち。
噺家の皆さんがおっしゃるように、
他の寄席も比べると異質な場所にあるわけですが、
こういう落ち着いた環境はぜひ維持してほしいと切に願います。

恐懼謹言。


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