恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

12/25(金)正楽のラストクリスマスXXI

2020年12月25日 | 噺とか
もう何回目の参加になるでしょうか。年末クリスマスの風物詩となりました。
昨年もこの会には来ているのですが、アップはしていませんでした。
今回が21回目の開催となります。なぜか公式表記はローマ数字。
今年はコロナ禍の中でどこの寄席も客数が減っている中、
この会は例年通りとまではいかないまでもかなりの盛況でした。
開場前から長蛇の列ができており、客席も8割は埋まっていたような。
変異種のコロナウィルスが見つかったなどという昨今の情勢の中、
隣の席を開けない配置には少々の不安は覚えるものの、
きちんと検温と消毒はしていますからね。
とはいえ、例年配布される抽選用の番号札と飴のサービスはなし。
正楽師匠のステッカーのみ配布されました。
これをいただけただけでもありがたい限りで。

「紙遊び」   正楽
「平林」    まめ菊
「紙切り」   正楽
「太神楽」   鏡味仙三郎社中
 -仲入り-
「音曲」    小すみ
「掛取風景」  歌奴
「シルエット」 正楽

最初はおなじみ、サンタ姿の正楽師匠が立った状態で紙を切り抜きます。
「サンタとトナカイ」「トランプ大統領」「トナカイと門松」「サンタと門松」
を切り抜かれました。
いつもこの時の紙は客席には渡されないのですが、
一枚目だけ客席に渡されておりました。こういうこともあるのですね、

前座のまめ菊さんを挟んでいつも通りの正楽師匠。
鋏試しは「若駒」を切ってここからリクエスト。
「聖母マリア」「雪遊び」「はやぶさ2」「死神」「七福神」を。
先ほどの紙遊びもそうなのですが、例年より切る紙は少なめでした。
それでも、通常の寄席とは違った丁寧な技巧と、
楽しいおしゃべりのあれこれで楽しませていただきました。

太神楽の仙三郎社中は仙志郎さんと仙成さんのお二人。
仙三郎師匠は現在病気療養中とのことで、
手紙でのメッセージを寄せてくださいました。
このラストクリスマスにはずっと出演されてきているんだそうで、
たしかに例年楽しませてもらってきました。
この日を目途に復帰する予定だったそうですが、
思いのほか体力が落ちており、今回は残念ながら見送ったそうで。
やはり「寄席の吉右衛門」のフレーズと技がないとね。

仲入り後は、桂小すみさん。
こちらは芸協の所属ということもあって、私は初めまして。
もともとお囃子さんで、現在は高座も務められるようになったとか。
よくお見掛けする小菊師匠や橘之助師匠、あずみさんとはまた趣の異なる三味線で、
変化球ながらマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」をアレンジした楽曲はお見事。
いい声されてますし、聞きこんでしまいました。

次にどういうわけか歌奴師匠が登場。
プログラムにも名前がないのですが、ある意味でスペシャルゲスト。
年末に歌奴師匠がよく手掛ける「掛取風景」でした。
このネタは何度も聞いていますが、やはりこれも年末の風物詩。
寅さんのモノマネや芝居の所作など、どれもお見事。
これを聞けたのはちょっとラッキーでした。

最後にOHPを使用した正楽師匠の「シルエット」。
今年はCD音源ではなく、生の三味線と太鼓に乗せての披露となりました。
題材は「寄席風景」ともいうべき落語家さんや色物さんを題材に切り抜いたもの。
寄席が開いて前座さんが上がり、色物さんや落語家さんが高座を彩る、
そんな何気ない日常の寄席の風景を表現したのだと思います。
コロナ禍で今年一年は演芸業界もかなりのダメージを負った、そんな中で、
寄席で個性豊かな芸人さんの技を楽しめる、
そんな寄席こそ平和な日常の象徴なのかなと感じました。

コロナ禍での開催ということもあり今年のラストクリスマスはやや縮小気味。
芸人さんたちの茶番もなく、抽選会もなし。
紙切りの時間もやや短めではありましたが、
それでも今できる最大限の開催方法だったと思います。
来年は例年通りの開催に戻るといいなぁと、しみじみ思います。

恐懼謹言。

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