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恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

4/6(土)黒門亭 第3310回

2019年04月07日 | 噺とか
部屋の片づけを午前中にあれこれと済ませて黒門亭の2部へ。
本来ならば顔付けのいい池袋(昼:菊之丞、夜:喬太郎)へ行きたいところなのですが、
昼夜の通しでいる体力にも自信がなく、かつ、やることもたくさん。
そういうときは黒門亭を満喫するのが一番と判断したわけで。
開場前には1部のトリの花緑師匠が出てきてファンサービス。
んー、この辺のスター性はさすがといった感じか。

彦 星「牛ほめ」
三語楼「将棋の殿様」
小せん「ねずみ」
-仲入り-
仙 成「太神楽」
あお馬「三枚起請」

三語楼師匠は黒門亭でもたびたびお目にかかるような。
寄席でやるいつものマクラは省略して、
大師匠の小さん師匠と馬風師匠のエピソードを紹介。
平身低頭する馬風師匠の様子を思い描いただけでも面白いわけで。
で、本題は「将棋の殿様」。
あまり聞かない珍しい部類に入るのでしょうか。
わがまま放題の殿様とそれをたしなめる三太夫。
熱演の一席でした。

続いて小せん師匠は今日のトリのあお馬さんの師匠。
その辺のことにはあまり触れることなく本題へ。
この出番で「ねずみ」をかけるあたりがやはりさすがといったところでしょうか。
小せん師匠の飄々としながらも聞きごたえのあるあれこれ。
きちんと笑いの波をかぶせてくるあたりもこの師匠ならではでしょう。

仲入り後は仙成さんが一人で太神楽を披露。
いつもはもう少し距離のある高座で拝見するわけですが、
黒門亭ということもあってその距離たるや至近も至近。
途中、最前列に向かってもう少し後ろへ下がるようお願いするのも納得。
傘を回す風や、バチが飛んできそうな臨場感はさすが。
五階茶碗なんかも何度も見ているのに、あの距離で見ると迫力が違います。
んー、黒門亭での色物さん、侮るべからず。

トリのあお馬さんは、前座時代を除けばこれが初めての黒門亭の出番。しかもトリで。
二つ目さんがトリをとるのは黒門亭でたびたび見かけていますが、
そのプレッシャーはそれなりにあるのではないでしょうか。
どうなるのかなぁと思って聞いておりましたが、
滑舌も発声もよく、二つ目さんとは思えないぐらいの良い出来だったのでは、と思います。
花魁に翻弄される3人の男と、その怒りや悲哀。
男ってバカだなぁ、なんてことを思いながらも噺の世界に引き込まれました。

最近は新作に比重が傾いている私ではありますが、
改めて古典の世界をしっかりと味わうのもいいなぁと再認識しました。

恐懼謹言。